社会福祉士

社会福祉士 第36回 問題17社会理論と社会システム

問題

社会福祉士 | 第36回(令和5年度) | 令和6年2月4日(日)実施・社会理論と社会システム

次のうち,人々が社会状況について誤った認識をし,その認識に基づいて行動することで,結果としてその認識どおりの状況が実現してしまうことを指す概念として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」問題17

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 1
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 1 です。

「予言の自己成就」は、人々が「こうなるだろう」と間違った思い込みをして行動した結果、本当にその通りの状況が生まれてしまうことです。たとえば、「あの銀行は危ないらしい」といううわさで人々が預金を引き出したために、本当に経営が悪化してしまうような場合です。

たとえるなら、「きっと失敗する」と思い込んで行動したら、その行動のせいで本当に失敗してしまうことです。

覚え方:誤った認識→その認識に基づく行動→認識どおりの現実が実現。マートンの概念です。

正解は 1 です。

予言の自己成就は、社会学者マートンが示した概念で、最初は誤っている状況の定義が、人々の行動を通じて、結果としてその定義を現実のものにする現象です。

  • 1 正しい。誤った認識に基づく行動が、認識どおりの状況を実現するという説明に合致します。
  • 2 誤り。創発特性は、部分の単純な総和からは説明できない、全体として現れる性質のことです。
  • 3 誤り。複雑性の縮減は、ルーマンの社会システム論で、無限に多様な可能性の中から選択して、世界の複雑さを減らす働きを指します。
  • 4 誤り。ホメオスタシスは、環境が変化しても、システムが内部の状態を一定に保とうとする働き(恒常性)です。
  • 5 誤り。逆機能は、マートンの機能分析で、システムの維持や適応を妨げる作用を指す、順機能と対になる概念です。

予言の自己成就はマートンの概念です。ラベリングや期待が、本人の行動や周囲の対応を変えて現実になる場面にも当てはまり、福祉の支援でも先入観を持たない姿勢が求められます。

予言の自己成就

マートンは、トマスの定理「人々が状況を真実と定義すれば、その状況は結果において真実となる」を発展させ、「予言の自己成就」を論じました。最初の誤った状況の定義が新しい行動を呼び起こし、その行動が、当初は誤りだった概念を現実のものにするという仕組みです。典型例は、銀行の経営は健全であるにもかかわらず、「倒産する」といううわさが広まり、預金者が一斉に引き出して取り付け騒ぎが起き、実際に経営が破綻する場合です。

福祉・社会問題との関連

ラベリング(レッテル貼り)が、貼られた人の自己イメージや行動を変え、逸脱を生むという議論にも関連します。「あの子は問題児だ」という期待が、周囲の接し方を変え、本人が期待どおりに振る舞うようになる現象は、教育場面のピグマリオン効果(期待が成果を高める)と同じ構造をもちます。ソーシャルワークでは、支援者の先入観が利用者の可能性を狭めないように留意する根拠になります。

選択肢の用語の整理

  • 創発特性:システム論で、要素の総和を超えて全体に現れる性質。
  • 複雑性の縮減:ルーマンの社会システム論で、システムが環境の複雑性を、選択によって処理可能な程度に減らすこと。
  • ホメオスタシス:生体や社会システムが、変動に対して内部環境を一定に保つ働き(恒常性、均衡維持)。
  • 逆機能:マートンの機能分析で、社会システムの適応・調整を減らす観察結果。順機能・潜在的機能・顕在的機能とあわせて整理される。

誤りの肢の論点

2〜5は、いずれもシステム論・機能主義の用語で、「システム」に関する概念です。2は全体の性質、3は環境との関係で複雑さを減らす働き、4は自己を維持する働き、5はシステムを損なう作用で、「誤った認識が現実になる」ことを示す概念ではありません。マートンの概念が、予言の自己成就(本問)と逆機能の両方で出てくるため、出題では混同しやすい点に注意します。

この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」問題17。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」の問題17です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。