問題
日本の貧困に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。 (注) ここでいう「貧困率」とは,等価可処分所得が中央値の半分に満たない世帯員の割合(相対的貧困率)を指す。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」問題24
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 2
厚生労働省「2019年国民生活基礎調査の概況」では、子どもがいる現役世帯のうち、「大人が一人」の世帯員の貧困率は48.1%で、「大人が二人以上」の世帯員の10.7%を大きく上回っています。ひとり親世帯のおよそ半分が相対的貧困の状態にある、という数字は試験でも繰り返し問われます。
ほかの選択肢では、日本の貧困率はOECD平均を「下回る」のではなく上回っており、子どもの貧困率は13.5%で10%を超えています。高齢者の貧困率は子どもより高い水準にあり、生活保護世帯の子どもの大学進学率も60%には届いていません。
なぜ正解か
正解は 2。「2019年国民生活基礎調査の概況」(厚生労働省)によると、2018年の子どもがいる現役世帯(世帯主が18歳以上65歳未満で子どもがいる世帯)の世帯員の貧困率は12.6%。そのうち「大人が一人」の世帯員は48.1%、「大人が二人以上」の世帯員は10.7%で、ひとり親世帯の方がはるかに高い。
ほかの選択肢
- 1:日本の相対的貧困率はOECD加盟国の平均を上回る水準にあり、「大きく下回る」は誤り。同じ調査で2018年の相対的貧困率は15.4%。
- 3:同調査の「子どもの貧困率」(17歳以下)は13.5%で、10%を超えている。
- 4:平成29年版厚生労働白書では、高齢者の貧困率は子どもの貧困率より高い水準にあると示されている。高齢期は就労収入が減り、年金だけに頼る単身世帯で貧困率が高くなりやすい。
- 5:生活保護世帯に属する子どもの大学等進学率は、全世帯の平均を大きく下回っており、60%には届いていない。
数字の目安:相対的貧困率15.4%、子ども13.5%、大人一人48.1%、大人二人以上10.7%、貧困線127万円(いずれも2018年・従来基準)。これは出題当時(2024年2月)の最新の数値で、現在の最新は「2025年国民生活基礎調査」(2024年の数値・新基準)の相対的貧困率15.0%、子ども11.0%、大人が一人44.7%。
正解の根拠と位置づけ
正解は 2。根拠は厚生労働省「2019年国民生活基礎調査の概況」の「貧困率の状況」。2018年の貧困線(等価可処分所得の中央値の半分)は127万円、相対的貧困率は15.4%、子どもの貧困率(17歳以下)は13.5%。子どもがいる現役世帯の世帯員は12.6%で、うち「大人が一人」48.1%、「大人が二人以上」10.7%だった。なお、OECDの所得定義の新基準で計算した値も併記されており、相対的貧困率15.7%、子ども14.0%、大人が一人48.3%、大人が二人以上11.2%である。試験では従来基準の数字が問われることが多い。
相対的貧困率のしくみ
等価可処分所得とは、世帯の可処分所得(税・社会保険料を差し引いた手取り)を世帯人員の平方根で割ったもの。その中央値の半分(貧困線)に満たない人の割合が相対的貧困率である。「絶対的な最低生活費に届かない人の割合」ではなく、社会の中での相対的な位置を表す点に注意。生活保護基準とは別の物差しである。
誤りの肢の掘り下げ
- 選択肢1(OECD比較):日本の相対的貧困率はOECD平均より高く、とくにひとり親世帯の貧困率の高さが国際的にも目立つ。「下回る」は逆。
- 選択肢3(子どもの貧困率):2012年の16.3%から2015年13.9%、2018年13.5%と下がってきたが、10%を下回ったことはない。
- 選択肢4(高齢者):高齢者は年金収入中心で、とくに単身高齢女性の貧困率が高い。白書は高齢者の貧困率が子どもより高いことを示しており、記述は逆。
- 選択肢5(進学率):生活保護世帯の子どもの大学等進学率は全世帯平均より大幅に低い。この格差を背景に、2018年の生活保護法改正で、大学等に進学する子どもに一時金を支給する「進学準備給付金」が設けられた。
関連して出る論点
- 子どもの貧困対策の法律:2013年に「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が制定され、2024年に「こどもの貧困の解消に向けた対策の推進に関する法律」へ名称が改められた。
- 国民生活基礎調査は3年ごとに大規模調査を行い、所得・貧困率の数値はその前年のものになる(2019年調査→2018年の数値)。年のずれはひっかけで出やすい。
- 出題当時と現在:出題当時(2024年2月)の最新は上記の2019年調査。その後の「2022年国民生活基礎調査」(2021年の数値・新基準)は相対的貧困率15.4%、子ども11.5%、大人が一人44.5%、「2025年国民生活基礎調査」(2024年の数値・新基準)は相対的貧困率15.0%、子ども11.0%、大人が一人44.7%、大人が二人以上6.7%。子どもの貧困率は下がってきたが10%を下回ってはおらず、ひとり親世帯の貧困率が4割を超える構図も続いている。
- 生活保護法e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」の問題24です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

