問題
所得の再分配に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」問題29
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 1
所得の再分配とは、税や社会保障を通じて、市場で生まれた所得の差をならす働きのことです。市場では能力や運、資産などによって所得に大きな差が出ますが、累進課税や生活保護、年金などでお金の流れを組み替えることで、その格差を是正することができます。これが選択肢1の内容です。
ほかの選択肢は誤りです。医療や介護などの現物給付でも所得は再分配されます。同じ所得階層の中での移転は「水平的再分配」、高所得者から低所得者への移転は「垂直的再分配」で、3と5は名前が逆です。積立方式の年金は自分の世代で積み立てて受け取るため、世代間の再分配は基本的に起きません。
なぜ正解か
正解は 1。市場での所得分配(一次分配)は、能力・資産・雇用形態などの違いを反映して格差を生む。政府が税と社会保障によって所得を移転すること(再分配)で、この格差を是正する機能を持ちうる。
ほかの選択肢
- 2:医療・介護・保育などの現物給付も、負担と給付の差を通じて所得を再分配する。保険料は所得に応じて負担し、サービスは必要に応じて受けるため、所得の低い人ほど負担に比べて多くを受け取ることになる。
- 3:同じ所得階層の中での移転(健康な人から病気の人へ、子どものいない世帯から子育て世帯へなど)は水平的再分配。
- 4:積立方式は、自分(自分の世代)が積み立てた保険料と運用益で将来の年金をまかなうため、世代間の再分配は原則として生じない。世代間再分配が生じるのは、現役世代の保険料で高齢世代の年金を払う賦課方式。
- 5:高所得者から低所得者への移転は垂直的再分配。累進所得税や生活保護がその典型。
正解の根拠と位置づけ
正解は 1。所得分配は2段階で考える。
1. 一次分配(市場分配):賃金・利潤・利子・地代など、生産に参加した見返りとして市場で決まる分配。
2. 再分配:政府が税・社会保険料を徴収し、現金給付や現物給付として配り直すこと。
厚生労働省の「所得再分配調査」は、当初所得と再分配所得のジニ係数を比べて、再分配によって格差がどれだけ縮まったかを示している。とくに公的年金を通じた高齢世帯への移転が、日本の再分配効果の大きな部分を占める。
再分配の3つの方向
| 種類 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 垂直的再分配 | 高所得者→低所得者 | 累進所得税、生活保護 |
| 水平的再分配 | 同じ所得階層の中で、リスクに遭わなかった人→遭った人 | 医療保険(健康な人→病気の人)、児童手当(子のない世帯→子育て世帯) |
| 世代間再分配 | 現役世代→高齢世代など | 賦課方式の公的年金 |
誤りの肢の掘り下げ
- 選択肢2(現物給付):再分配は現金の移転に限らない。医療・介護・教育などの現物給付は、所得にかかわらず必要に応じて給付されるので、低所得者ほど負担に対する受益が大きくなる。
- 選択肢3・5:垂直と水平を入れ替えた定番のひっかけ。「垂直=上から下(所得の高低)」「水平=同じ高さの中」とイメージで覚える。
- 選択肢4(積立方式):積立方式では、自分たちの世代の拠出が自分たちの給付になるため、世代間の移転は原則生じない(ただし同じ世代の中で長生きした人へ移転するなどの世代内再分配は起こる)。日本の公的年金は、積立金を持ちつつ、基本は賦課方式で運営されている。
関連して出る論点
- 積立方式はインフレや運用環境の影響を受けやすく、賦課方式は少子高齢化の影響を受けやすい。
- 「時間的再分配(ライフサイクル内の移転)」:若い時に負担し、高齢期に受け取るという、個人の生涯の中での移転。
- ジニ係数は0に近いほど平等、1に近いほど不平等。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」の問題29です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
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