問題
社会福祉法に規定されている市町村による重層的支援体制整備事業に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」問題35
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 1
社会福祉法第106条の4は、市町村が「地域生活課題の解決に資する包括的な支援体制を整備するため」に重層的支援体制整備事業を行うことができると定めています。高齢・障害・子ども・生活困窮といった分野ごとの相談支援などを一体的に実施し、「属性を問わない相談支援」「参加支援」「地域づくり」を組み合わせる事業です。
ほかの選択肢は誤りです。この事業は市町村が「行うことができる」任意の事業で、必須ではありません。実施する場合は相談支援・参加支援・地域づくりなどの事業を一体として行う必要があり、一つだけ選ぶことはできません。包括的相談支援事業は居住支援の事業ではなく、実施計画の策定は努力義務です。
なぜ正解か
正解は 1。社会福祉法第106条の4第1項は「市町村は、地域生活課題の解決に資する包括的な支援体制を整備するため、…重層的支援体制整備事業を行うことができる」と定める。
ほかの選択肢
- 2:「行うことができる」とあるとおり、市町村の任意事業であり必須ではない(手を挙げた市町村が実施する)。
- 3:重層的支援体制整備事業は、第106条の4第2項各号に掲げる事業(包括的相談支援事業、参加支援事業、地域づくり事業、アウトリーチ等を通じた継続的支援事業、多機関協働事業、支援プランの作成)を一体のものとして実施する事業。いずれか一つを選んで行うことはできない。
- 4:包括的相談支援事業は、介護(地域包括支援センターの総合相談等)、障害(障害者相談支援)、子ども(利用者支援事業)、生活困窮(自立相談支援事業)の相談支援を一体的に行う事業。居住支援そのものを行う事業ではない。
- 5:重層的支援体制整備事業実施計画は「策定するよう努めるものとする」(第106条の5第1項)とされ、努力義務である。
正解の根拠と位置づけ
正解は 1。重層的支援体制整備事業は、2020年の社会福祉法改正で創設され、2021年4月に施行された。背景には、8050問題、ダブルケア、ひきこもり、社会的孤立など、高齢・障害・子ども・生活困窮といった制度の縦割りでは対応しきれない複合的な課題の増加がある。「地域共生社会」の実現に向けた市町村の包括的な支援体制づくり(第106条の3)を具体化する手段として位置づけられている。
事業の構成(第106条の4第2項)
| 号 | 事業 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 包括的相談支援事業 | 介護・障害・子ども・困窮の相談支援を一体的に実施し、属性を問わず相談を受け止める |
| 2 | 参加支援事業 | 社会とのつながりを回復するため、既存の社会資源を活用して就労・居場所などの参加の機会を用意する |
| 3 | 地域づくり事業 | 交流や居場所の拠点づくり、地域活動の支援 |
| 4 | アウトリーチ等を通じた継続的支援事業 | 長期にわたり孤立している人などへの訪問による継続的な支援 |
| 5 | 多機関協働事業 | 複数の支援関係機関が連携して支援する体制の整備 |
| 6 | 支援プランの作成 | 多機関協働事業による支援が必要な人の支援計画の作成 |
「重層的」とは、これらの事業を重ね合わせ、断らない相談・参加・地域づくりを一体で進めることを意味する。財政面では、各制度の補助金をまとめた「重層的支援体制整備事業交付金」が交付される。
誤りの肢の掘り下げ
- 選択肢2:法文は「行うことができる」。地域の実情に応じた任意事業である。なお、包括的な支援体制の整備自体は市町村の努力義務(第106条の3)であり、重層事業はその手段の一つ。
- 選択肢3:一体的な実施が事業の本質。委託する場合も「各号に掲げる事業の一体的な実施が確保されるよう必要な措置を講じた上で」と定められている(第106条の4第5項)。
- 選択肢4:居住支援については、同条第4項が、住宅セーフティネット法の居住支援協議会などと緊密に連携し、居住の安定確保の支援に努めると別に定めている。包括的相談支援事業の定義とは異なる。
- 選択肢5:実施計画は地域住民・支援関係機関などの意見を適切に反映するよう努め(第106条の5第2項)、地域福祉計画・介護保険事業計画・障害福祉計画・子ども・子育て支援事業計画などとの調和が保たれたものとする(同条第3項)。
関連して出る論点
- 支援会議(第106条の6):支援関係機関が情報共有し支援を検討する会議。構成員には守秘義務が課され、本人の同意がなくても情報共有が可能。
- 2024年4月からは、包括的な支援体制の連携先に「こども家庭センター」が加わっている(第106条の4第3項)。
- 社会福祉法第106条の4e-Govで原文を読む
- 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」の問題35です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

