問題
次のうち,信頼,規範,ネットワークなどによる人々のつながりの豊かさを表すために,パットナム(Putnam, R.)によって提唱された概念として,正しいものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」問題20
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 2 です。
ソーシャルキャピタル(社会関係資本)は、人々の間の信頼、助け合いの規範、ネットワーク(つながり)の豊かさを、地域や社会の資源として捉える概念で、パットナムが広めました。つながりが豊かな地域は、助け合いが生まれやすく、暮らしやすいと考えます。
たとえるなら、お金や土地のような資産に加えて、「人と人との信頼やつながり」も財産だと考えることです。
覚え方:パットナム=ソーシャルキャピタル(信頼・規範・ネットワーク)。ブルデュー=ハビトゥス・文化資本。デュルケム=機械的連帯・有機的連帯。
正解は 2 です。
パットナムは、イタリアの州政府の研究などを通じて、信頼、互酬性の規範、ネットワークといった社会的な仕組みが、社会の効率を高めるとして、ソーシャルキャピタルを論じました。
- 1 誤り。ハビトゥスは、ブルデューの概念で、社会的な環境のなかで身につけた、持続的で無意識的な行動・知覚・評価の傾向を指します。
- 2 正しい。ソーシャルキャピタル(社会関係資本)は、信頼・規範・ネットワークなどによる人々のつながりの豊かさを表します。
- 3 誤り。文化資本もブルデューの概念で、学歴、教養、趣味など、文化的な資源が社会的な地位に結び付くことを指します。
- 4 誤り。機械的連帯は、デュルケムの概念で、同質的な人々の類似性に基づく伝統的な社会の連帯です。
- 5 誤り。外集団は、サムナーが示した、自分が所属しない集団を指す概念です。
ソーシャルキャピタルには、同質的な集団の結束を強める「結束型」と、異なる集団をつなぐ「橋渡し型」があります。地域福祉では、住民の信頼やつながりを高める取組みの理論的な根拠になります。
ソーシャルキャピタルの考え方
パットナムは、社会の信頼、互酬性の規範、ネットワークといった「社会組織の特徴」を、社会関係資本として捉えました。これらが豊かな社会は、協調行動が促進され、社会の効率性が高まり、民主主義や経済が良好に機能すると論じました。結束型(内向きで、同質的な集団の結束を強める)と橋渡し型(異なる集団をつなぐ)の区別もよく出題されます。
他の論者との違い
- ブルデュー:経済資本、文化資本、社会関係資本という資本の形態を整理し、資本が階層の再生産に働くとしました。ハビトゥスや文化資本も、ブルデューの概念です。
- コールマン:個人が合理的に行動する中で、社会的関係が資源として機能する点に注目しました。
- パットナム:集団・地域・国家のレベルの社会関係資本に着目し、市民参加と民主主義の質との関係を論じました。
誤りの肢の論点
1のハビトゥスと3の文化資本は、ともにブルデューの用語で、社会階層の再生産の議論に使われます。4の機械的連帯は、デュルケムが分業と社会的連帯の理論で、同質性に基づく社会の連帯を示したもので、分業が発達した近代社会の「有機的連帯」と対になります。5の外集団は、サムナーが、内集団(自分の所属する集団)と対にして示した概念です。人名と用語の組み合わせが、問題の中心です。
福祉との関連
地域福祉や地域共生社会の推進では、住民同士の信頼や助け合いのネットワークという、ソーシャルキャピタルの醸成が重要視されています。地域のつながりを高めることは、孤立の防止、見守り、災害時の助け合いなどの基盤になります。支援者は、地域のネットワークを評価し、強化する視点をもつことが求められます。一方、強い結束が、外部の人を排除する側面ももつことへの配慮も必要です。
補足:結束型と橋渡し型
ソーシャルキャピタルは、同質的な人々の内向きの結びつきを強める「結束型」と、異なる属性の人々や集団をつなぐ「橋渡し型」に分けて論じられます。結束型は、互いの助け合いや安心感を生みますが、閉鎖的になる面もあります。橋渡し型は、情報や機会を広げるのに役立ちます。地域福祉の実践では、両方のバランスが大切です。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」の問題20です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

