社会福祉士

社会福祉士 第36回 問題132高齢者に対する支援と介護保険制度

問題

社会福祉士 | 第36回(令和5年度) | 令和6年2月4日(日)実施・高齢者に対する支援と介護保険制度

事例を読んで,病院のK医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)が,この時点でLさんへの支援のために検討すべきこととして,最も適切なものを1 つ選びなさい。 〔事 例〕 Kは,変形性膝関節症で外来通院中のLさん(82 歳,女性,独居,要支援2 )から相談を受けた。Lさんは屋外の歩行が不自由で杖を使っているが,介護サービス等は利用していない。Lさんは,数年ぶりに趣味の歌舞伎鑑賞に出かけようと思い,介護保険制度のサービス利用について市役所に問い合わせたところ「本市では趣味のための移動支援は実施していない」と説明されたと言う。Lさんは転倒の心配もあり,歌舞伎鑑賞には見守り支援を利用したいと言っている。 (注) 「生活支援コーディネーター(第2 層)」は,中学校区域を基本とする日常生活圏域で業務に当たる職員である。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」問題132

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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正解は 5
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 5

Lさんは、趣味の歌舞伎鑑賞に出かけるための見守りを求めています。しかし市の介護保険サービスでは趣味のための移動支援は行っていないと説明されました。こうした「制度ではまかなえないニーズ」に対しては、地域のボランティアや住民の助け合いなど制度外の支援を探すことが大切です。

生活支援コーディネーター(第2層)は、日常生活圏域で地域の支え合いの活動や資源を把握し、必要な人と結びつける役割を担います。そのため、Lさんの外出時の見守りについて相談・調整を図る選択肢5が最も適切です。

正解は 5

【正解の根拠】

生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)は、介護保険の地域支援事業の生活支援体制整備事業に位置づけられ、地域の生活支援・介護予防サービスの開発、担い手の養成、関係者のネットワーク化、ニーズとサービスのマッチングを行います。第2層は中学校区域などの日常生活圏域を担当します。制度外の外出見守りの支援策を探す相手として最適です。

【誤りの選択肢】

・1:在宅医療・介護連携推進事業は、医療と介護の関係機関の連携体制づくりを目的とした事業で、個別の外出支援を依頼する先ではありません。

・2:国民健康保険団体連合会の苦情処理は、介護サービス事業者のサービス内容に関する苦情を扱うものです。市役所が説明した内容は不当な対応とはいえず、苦情申立てを勧める場面ではありません。

・3:地域介護予防活動支援事業は住民主体の通いの場などの介護予防活動を支援するもので、歩行機能の改善には役立つとしても、Lさんの現在の希望(歌舞伎鑑賞に見守り付きで出かけたい)に応えるものではありません。

・4:介護サービス相談員は、介護サービスの提供の場を訪問して利用者の疑問や不満を聞き、事業者との橋渡しを行う役割です。介護サービスを利用していないLさんの外出支援を調整する立場ではありません。

正解は 5

【事例の読み解き】

Lさんのニーズは「趣味の歌舞伎鑑賞に、転倒が心配なので見守り付きで出かけたい」というものです。市は「趣味のための移動支援は実施していない」と説明しており、介護保険の給付や総合事業の枠では応えられないことがわかっています。この時点で医療ソーシャルワーカーに求められるのは、制度の枠外にある地域の資源(インフォーマルサポート)につなぐことです。本人のQOLや生きがいを支えることは、閉じこもりの予防や介護予防にもつながります。

【生活支援体制整備事業と生活支援コーディネーター】

2014年の介護保険法改正で、地域支援事業の包括的支援事業に生活支援体制整備事業が位置づけられ、市町村は生活支援コーディネーターの配置と協議体の設置を進めています。

・第1層:市町村全域を担当し、資源開発や仕組みづくりを中心に担う。

・第2層:日常生活圏域(中学校区域など)を担当し、地域の活動団体や住民とのネットワークを生かして、具体的な資源の把握・開発、ニーズとのマッチングを行う。

・第3層:個々の生活支援サービスの提供主体の側で、利用者とサービスをつなぐ。

外出時の付き添い・見守りは、住民主体のボランティア活動やNPOの有償ボランティアなどで行われていることがあり、第2層のコーディネーターはそれを最もよく把握している存在です。

【誤りの選択肢の論点】

・1 在宅医療・介護連携推進事業:医療・介護の資源の把握、切れ目のない提供体制の構築、関係者の研修などを行う事業で、個別ケースの担当窓口ではありません。

・2 国保連の苦情処理:介護保険法上、国保連は指定事業者のサービスの質の向上に関する調査・指導・助言を行います。行政処分への不服は都道府県の介護保険審査会です。本件はそもそも不服申立ての対象となる処分でもありません。

・3 地域介護予防活動支援事業:一般介護予防事業の一つで、住民主体の介護予防活動の育成・支援を行います。歩行機能の改善は長期的に有益でも、「この時点で」の課題設定とずれています。

・4 介護サービス相談員:市町村が派遣し、介護施設や事業所を訪問して利用者の声を聞く仕組みです(介護サービス相談員派遣等事業)。

【ソーシャルワークの視点】

制度の「できない」で支援を止めず、本人の希望を尊重して地域の資源を開発・活用することは、社会福祉士の重要な役割です。同時に、Lさんのような制度外のニーズが地域に多くあるなら、協議体や地域ケア会議を通じて新たな資源づくりにつなげる(ミクロからメゾ・マクロへの展開)視点も問われます。

この問題の根拠
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」の問題132です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。