問題
児童福祉法の総則規定に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」問題137
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 1
児童福祉法第2条1項は、「全て国民は」、児童が良好な環境で生まれ、社会のあらゆる分野で「児童の年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され」、その最善の利益が優先して考慮され、心身ともに健やかに育成されるよう努めなければならないと定めています。選択肢1はこの内容に合っています。
ほかの選択肢は、条文の主語や表現が変えられています。権利をもつのは「児童」、第一義的責任を負うのは「保護者」、最善の利益は「優先して考慮される」もので、家庭養育も「家庭と同様の環境」を含めて考えられています。
正解は 1
【正解の根拠】
児童福祉法2条1項:「全て国民は、児童が良好な環境において生まれ、かつ、社会のあらゆる分野において、児童の年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮され、心身ともに健やかに育成されるよう努めなければならない。」
【誤りの選択肢】
・2:1条は「全て児童は」、児童の権利に関する条約の精神にのつとり、適切に養育されることなどの「福祉を等しく保障される権利を有する」と定めています。権利の主体は保護者ではなく児童です。
・3:2条2項は「児童の保護者は、児童を心身ともに健やかに育成することについて第一義的責任を負う」と定めています。国は、地方公共団体とともに、保護者と共に育成する責任を負う立場です(2条3項)。
・4:2条1項は、児童の最善の利益が「優先して考慮され」るよう国民が「努めなければならない」と定めています。「実現しなければならない」という義務の規定ではありません。
・5:児童福祉法は、家庭での養育が適当でない場合には「家庭における養育環境と同様の養育環境」(里親など)で、それも適当でない場合は「できる限り良好な家庭的環境」(小規模の施設など)で養育されるよう、国・地方公共団体が必要な措置を講じることを定めています(3条の2)。「家庭で育てられなければならない」とは定めていません。
正解は 1
【2016年改正で生まれ変わった総則】
児童福祉法の総則(1条〜3条)は、2016年(平成28年)の改正で全面的に見直されました。それまでの1条は「すべて国民は、児童が心身ともに健やかに生まれ、且つ、育成されるよう努めなければならない」という国民の努力義務から始まっていましたが、改正後は児童の権利に関する条約の精神にのっとり、児童を「権利の主体」と明確に位置づけました。
・1条(児童の権利):全て児童は、適切に養育されること、生活を保障されること、愛され、保護されること、心身の健やかな成長・発達とその自立が図られることその他の福祉を等しく保障される権利を有する。
・2条1項(国民の努力義務):児童の意見の尊重と最善の利益の優先考慮を明記。
・2条2項(保護者の第一義的責任)
・2条3項(国・地方公共団体の責任):保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う。
・3条:前2条は児童の福祉を保障するための原理であり、児童に関する全ての法令の施行にあたって常に尊重されなければならない。
【誤りの選択肢の掘り下げ】
・2:権利の主体を「保護者」にすり替えています。1条は児童が主語です。
・3:第一義的責任は保護者にあります。国・地方公共団体は保護者を支援し、ともに責任を負う立場です。こども基本法(2023年施行)3条にも、子どもの養育は家庭を基本とし、父母その他の保護者が第一義的責任を有するという認識の下で、十分な支援を行うことが基本理念として定められています。
・4:条文は「優先して考慮され…るよう努めなければならない」という努力義務の表現です。児童の権利に関する条約3条も、児童に関する全ての措置において児童の最善の利益が「主として考慮される」と定めています。結果の「実現」まで義務づける書き方ではない点がひっかけです。
・5:3条の2は、国・地方公共団体に、児童が家庭で健やかに養育されるよう保護者を支援することを求めつつ、家庭での養育が困難・不適当な場合には、里親やファミリーホームなどの「家庭における養育環境と同様の養育環境」、それが適当でない場合には小規模グループケアなどの「できる限り良好な家庭的環境」で養育されるよう必要な措置を講じることを求めています(家庭養育優先原則)。家庭以外での養育を否定しているわけではありません。
【関連して出る論点】
・2016年改正では、市町村の子ども家庭総合支援拠点の整備、児童相談所への弁護士配置、特別区の児童相談所設置などもあわせて行われました。
・2022年改正(2024年施行)では、市区町村のこども家庭センターの設置努力義務、児童の意見聴取等の仕組みの整備、一時保護の司法審査の導入などが行われ、本問の「意見の尊重」がより具体化されています。
- 児童福祉法第2条e-Govで原文を読む
- こども基本法e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」の問題137です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

