問題
事例を読んで,この場合の仮釈放の手続きに関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。 〔事 例〕 裁判所の判決で3 年の懲役刑を言い渡されて,刑事施設に収容されていたJさんは,仮釈放の審理の対象となった。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」問題147
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
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- 3
- 4
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自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 2 です。
仮釈放は、刑期の途中で刑事施設から仮に釈放し、残りの期間を社会の中で過ごさせる制度です。刑法第28条は、「改悛の状」(反省し更生の意欲があること)があるときに、有期刑ならその刑期の3分の1を経過した後、行政官庁の処分で仮に釈放できると定めています。
3年の刑なら最短1年で対象になり得ます。決定するのは裁判官ではなく地方更生保護委員会です。初めての入所者に限られず、仮釈放中は本人の希望に関係なく必ず保護観察が付きます。
👉 覚え方:仮釈放=改悛の状・刑期の3分の1・地方更生保護委員会・保護観察は必ず付く。
正解は 2 です。
刑法第28条は、拘禁刑(出題当時は懲役・禁錮)に処せられた者に「改悛の状」があるときは、有期刑はその刑期の3分の1、無期刑は10年を経過した後、行政官庁の処分によって仮に釈放できると定めています。
- 1 誤り:3年の刑なら3分の1の1年を経過すれば要件を満たします。「最短でも2年」ではありません。
- 2 正しい:改悛の状があることは仮釈放の法律上の要件です。
- 3 誤り:仮釈放を許す処分は、地方更生保護委員会の決定で行います(更生保護法第39条第1項、第16条第1号)。裁判官ではありません。
- 4 誤り:初入者に限る規定はありません。要件は改悛の状と一定期間の経過です。
- 5 誤り:仮釈放を許された者は、仮釈放の期間中、保護観察に付されます(更生保護法第40条)。本人の希望で付くかどうかが決まるものではありません。
なお、2025年6月から懲役と禁錮は「拘禁刑」に一本化されています。
正解は 2 です。
■ 根拠条文と制度の位置づけ
仮釈放は、刑法第28条に基づき、刑の執行の途中で受刑者を仮に釈放する制度です。要件は、①「改悛の状」があること、②有期刑は刑期の3分の1、無期刑は10年を経過したこと、の2つです。改悛の状は、悔悟の情や改善更生の意欲、再犯のおそれがないこと、保護観察に付することが改善更生のために相当であることなどから判断されます。
刑法の「行政官庁」にあたるのが地方更生保護委員会で(更生保護法第16条第1号)、仮釈放を許す処分は同委員会の決定で行います(同法第39条第1項)。委員会は釈放すべき日を定め、原則として生活環境の調整の結果に基づいて居住すべき住居を特定します。
仮釈放を許された者は、仮釈放の期間中、必ず保護観察に付されます(同法第40条)。保護観察の期間は残りの刑期で、遵守事項に違反すると仮釈放が取り消されることがあります。
■ 誤りの選択肢の掘り下げ
- 1 3年の有期刑の3分の1は1年です。「2年」は3分の2と混同させる数字です。
- 3 判決をした地方裁判所は関与しません。仮釈放は裁判ではなく行政処分で、法務省の地方支分部局である地方更生保護委員会が審理します。
- 4 累犯者も法律上は対象になります。実際の仮釈放率に差はありますが、法律の要件として「初入者に限る」とする規定はありません。
- 5 仮釈放中の保護観察は必要的です。一方、刑の全部の執行猶予では保護観察は裁判所の判断で付す任意的なもの(初度の場合)です。
■ 関連して出る論点
- 刑事施設の長は、要件を満たすと認める受刑者について、地方更生保護委員会に仮釈放を申し出ます。委員会が自ら審理を開始することもできます。
- 少年院からの仮退院も地方更生保護委員会が許します(更生保護法第16条第3号)。
- 生活環境の調整:保護観察所は、収容中から帰住先の住居や就業先などを調整します(同法第82条)。仮釈放の審理ではその結果が重視されます。
■ 似た用語との違い
「仮釈放」は刑事施設から、「仮出場」は拘留・労役場から、「仮退院」は少年院からの釈放です。いずれも地方更生保護委員会が判断します。2025年6月の刑法改正の施行で懲役・禁錮が拘禁刑に一本化されましたが、仮釈放の要件の枠組みは変わっていません。
- 刑法第28条e-Govで原文を読む
- 更生保護法第39条・第40条・第16条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」の問題147です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
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