社会福祉士

社会福祉士 第36回 問題150更生保護制度

問題

社会福祉士 | 第36回(令和5年度) | 令和6年2月4日(日)実施・更生保護制度

刑の一部の執行猶予制度に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」問題150

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 4
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 4 です。

刑の一部の執行猶予は、刑の一部を刑事施設で執行した後、残りの刑の執行を猶予する制度です。刑法第27条の2により、3年以下の拘禁刑(出題当時は懲役・禁錮)を言い渡す場合に、1年以上5年以下の期間、刑の一部の執行を猶予できます。この猶予期間は、刑期とともに判決で言い渡されます。

この制度ができても、起訴猶予、刑の全部の執行猶予、生活環境の調整は廃止されていません。また、猶予期間中に保護観察を付けることができます。

👉 覚え方:一部執行猶予=施設内処遇の後に社会内処遇。刑期と猶予期間は判決で決まる。

正解は 4 です。

刑の一部の執行猶予制度は2016年6月に始まりました。刑法第27条の2第1項により、裁判所は判決で、例えば「拘禁刑2年、その刑の一部である6月の執行を2年間猶予する」というように、刑期・猶予する部分・猶予期間を言い渡します。

  • 1 誤り:検察官による起訴猶予(刑事訴訟法第248条)は存続しています。
  • 2 誤り:刑の全部の執行猶予(刑法第25条)も存続しています。一部の執行猶予は、全部の執行猶予と実刑の中間的な選択肢として加わったものです。
  • 3 誤り:収容中の者に対する生活環境の調整(更生保護法第82条)は存続し、一部執行猶予の対象者についても行われます。
  • 4 正しい:猶予期間は判決時に刑期とともに言い渡されます。
  • 5 誤り:猶予の期間中、保護観察に付することができます(刑法第27条の3)。薬物使用等の罪を犯した者については、別の法律で保護観察が必要的とされています。

正解は 4 です。

■ 根拠条文と制度の位置づけ

刑の一部の執行猶予は、刑法等の一部を改正する法律と、薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律により導入され、2016年6月に施行されました。施設内処遇の後に、一定期間の社会内処遇を確保することで、再犯防止と改善更生を図るのが目的です。

刑法第27条の2第1項は、①前に拘禁刑以上の刑に処せられたことがない者などが、②3年以下の拘禁刑の言渡しを受けた場合に、③犯情の軽重や境遇などを考慮して再犯防止に必要かつ相当と認められるとき、1年以上5年以下の期間、刑の一部の執行を猶予できると定めています。裁判所は判決で、刑期・猶予する刑の部分・猶予期間をあわせて言い渡します。猶予期間は、猶予されなかった部分の執行を終えた日から起算されます(同条第2項)。

■ 誤りの選択肢の掘り下げ

  • 1 起訴猶予:刑事訴訟法第248条は、犯人の性格・年齢・境遇、犯罪の軽重・情状、犯罪後の情況により訴追を必要としないときは公訴を提起しないことができると定めています。検察段階の処分で、一部執行猶予とは段階が異なります。
  • 2 刑の全部の執行猶予:刑法第25条に基づき、3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の言渡しを受けたときに、1年以上5年以下の期間、刑の全部の執行を猶予する制度で、存続しています。
  • 3 生活環境の調整:更生保護法第82条に基づき、保護観察所の長が収容中の者の釈放後の住居や就業先などを調整します。一部執行猶予の対象者は、猶予部分に移る時点で社会に戻るため、調整の重要性はむしろ高まっています。
  • 5 保護観察:刑法第27条の3第1項により、猶予の期間中、保護観察に付することができます(任意的)。薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律の対象者は、保護観察が必要的です。

■ 関連して出る論点

  • 仮釈放との関係:一部執行猶予の実刑部分についても、要件を満たせば仮釈放が可能です。
  • 猶予の取消し:猶予期間中に更に罪を犯したり遵守事項に違反したりすると、猶予が取り消されることがあります。
  • 2025年6月から懲役と禁錮が拘禁刑に一本化され、条文の表現も「拘禁刑」になっています。

■ 似た用語との違い

「全部の執行猶予」は刑務所に入らずに社会内で過ごす制度、「一部の執行猶予」は一定期間施設で過ごした後に社会内処遇に移る制度、「仮釈放」は刑期の途中で行政の判断(地方更生保護委員会)により釈放する制度です。一部執行猶予は裁判所の判決で決まる点が仮釈放との大きな違いです。

この問題の根拠
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」の問題150です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

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