問題
障害者福祉制度の発展過程に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」問題57
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 3「2004 年(平成16 年)に改正された障害者基本法では,障害者に対する差別の禁止が基本理念として明文化された。」です。
2004年の障害者基本法の改正で、「障害を理由として差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない」という差別禁止の考え方が基本理念に加わりました。のちの障害者差別解消法(2013年)へとつながる流れです。
ほかの選択肢は、年代と内容の組み合わせが違っています。
👉 覚え方:2004年=差別禁止を理念に、2011年=社会的障壁・合理的配慮を規定、2013年=差別解消法。
正解は 3
2004年改正の障害者基本法で、障害を理由とする差別その他の権利利益の侵害の禁止が基本理念として規定されました。現行の第4条第1項「何人も、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない。」へ引き継がれています。
誤りの選択肢
- 1:1949年制定の身体障害者福祉法は、生活困窮者に限定せず身体障害者の更生援護を目的とした。困窮者に限定する考え方は救貧制度のもの。
- 2:1987年の精神保健法への改正は、任意入院制度の創設など人権擁護を図ったもの。保護者制度の廃止は、その後の精神保健福祉法の改正による。
- 4:2005年制定の障害者自立支援法は、利用者負担を原則1割の定率負担(応益負担)とした。応能負担が原則となったのはその後の法改正による。
- 5:名称は「心身障害者対策基本法→障害者基本法」の順で、2004年改正の時点ですでに障害者基本法だった(選択肢3)。年も方向も逆。
ポイント
障害者福祉の歴史問題は、年と出来事の組み合わせをずらす作り方が多いです。障害者基本法は1970年の心身障害者対策基本法から改称され、2004年に差別禁止の理念、2011年に社会的障壁と合理的配慮が加わりました。
正解は 3(法改正の流れ)
障害者基本法は、1970年に心身障害者対策基本法として制定され、その後の改正で障害者基本法へ改称されました。2004年改正で、障害を理由とする差別の禁止が基本理念に明記され、市町村の障害者計画の策定が義務化されました。2011年改正では、障害者の定義に「社会的障壁」が加わり、社会的障壁の除去について合理的配慮を求める規定(現行第4条第2項)が置かれました。障害者権利条約の批准に向けた国内法整備の一環です。
誤りの肢の論点
- 1 身体障害者福祉法(1949年):戦後の福祉三法の一つで、傷痍軍人対策を背景に、職業復帰などの「更生」を目的に制定されました。対象は困窮者に限られていません。
- 2 精神衛生法→精神保健法(1987年):宇都宮病院事件を契機に、任意入院の創設、精神医療審査会の設置など人権への配慮が図られました。保護者制度(家族に治療を受けさせる義務などを課す制度)は、その後の改正で廃止され、医療保護入院は「家族等」の同意に改められました。
- 4 障害者自立支援法(2005年):サービスの量に応じて1割を負担する応益負担が批判を受け、違憲訴訟を経て、その後の改正で負担能力に応じる応能負担が原則となり、現在は障害者総合支援法に改められています。
- 5:名称変更の方向が逆。「心身障害者対策基本法→障害者基本法」であり、2004年改正の時点ですでに障害者基本法でした(選択肢3)。
関連して出る論点(年表の整理)
| 年 | できごと |
|---|---|
| 1949 | 身体障害者福祉法 |
| 1960 | 精神薄弱者福祉法(のちに知的障害者福祉法へ改称) |
| 2005 | 障害者自立支援法制定・発達障害者支援法施行 |
| 2011 | 障害者基本法改正、障害者虐待防止法成立 |
| 2013 | 障害者差別解消法成立(2016年施行) |
年と内容の組み合わせのずらしが、この分野の定番の出題パターンです。
- 身体障害者福祉法e-Govで原文を読む
- 障害者基本法e-Govで原文を読む
- 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律e-Govで原文を読む
- 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律e-Govで原文を読む
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律e-Govで原文を読む
- 知的障害者福祉法e-Govで原文を読む
- 発達障害者支援法e-Govで原文を読む
- 障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」の問題57です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

