問題
生活保護制度における都道府県及び都道府県知事の役割や権限に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」問題66
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 5 です。
生活保護法第20条は「都道府県知事は、この法律に定めるその職権の一部を、その管理に属する行政庁に委任することができる」と定めています。たとえば知事が持つ権限の一部を、都道府県が設置する福祉事務所の長に任せることができる、という意味です。
ほかの選択肢は、条文の主語や「義務か任意か」がすり替えられています。都道府県は福祉事務所を「必ず」設置しなければならず(社会福祉法第14条)、保護基準を決めるのは厚生労働大臣です(生活保護法第8条)。
👉 覚え方:知事の職権は「管理に属する行政庁」へ一部委任できる=第20条。
なぜこれが正解か
正解は 5。生活保護法第20条(職権の委任)は「都道府県知事は、この法律に定めるその職権の一部を、その管理に属する行政庁に委任することができる」と規定している。選択肢はこの条文どおりである。
各選択肢の解説
- 1 誤り。社会福祉法第14条第1項は「都道府県及び市(特別区を含む。)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならない」とする義務設置。任意設置(「設置することができる」)は町村(同条第3項)。
- 2 誤り。保護は「厚生労働大臣の定める基準」により行う(生活保護法第8条第1項)。知事が地域の実情で基準を変える権限はない。
- 3 誤り。町村が福祉事務所を設置すれば、その町村が保護の実施機関となり費用を支弁する。都道府県の負担(第73条)は、居住地がないか明らかでない被保護者の保護費の4分の1など、限られた場合である。
- 4 誤り。第39条第1項は「都道府県は、保護施設の設備及び運営について、条例で基準を定めなければならない」とする義務規定で、努力義務ではない。
覚え方
「知事は委任できる(20条)、基準は大臣(8条)、福祉事務所は都道府県・市が必置(社福法14条)」。
正解と根拠条文
正解は 5。生活保護法第20条「都道府県知事は、この法律に定めるその職権の一部を、その管理に属する行政庁に委任することができる」。これとは別に第19条第4項は、保護の実施機関(知事・市長・福祉事務所を管理する町村長)が「保護の決定及び実施に関する事務の全部又は一部を、その管理に属する行政庁に限り、委任することができる」と定める。実務で福祉事務所長が保護の決定を行えるのは、この委任による。第20条は保護の決定実施に限らず、知事の職権全般の一部を委任できる規定、第19条第4項は実施機関による決定・実施事務の委任と、範囲の違いを押さえておくとよい。
誤りの肢の掘り下げ
- 1 福祉事務所の設置義務:社会福祉法第14条第1項で都道府県と市(特別区を含む)は条例で設置義務、第3項で町村は任意設置。第2項により、都道府県の福祉事務所は「市及び福祉事務所を設ける町村の区域を除く」区域、つまり福祉事務所のない町村部を所管する。第5項で都道府県の福祉事務所は生活保護法・児童福祉法・母子及び父子並びに寡婦福祉法の三法を所掌し、市町村の福祉事務所は老人福祉法・身体障害者福祉法・知的障害者福祉法を加えた六法を所掌する。三法・六法の区別はよく問われる。
- 2 保護基準:第8条第1項「厚生労働大臣の定める基準により測定した要保護者の需要を基とし」。同条第2項は基準が年齢別・性別・世帯構成別・所在地域別などを考慮した最低限度の生活の需要を満たすに十分で、かつこれをこえないものでなければならないとする。地域差は大臣の基準の中で級地として織り込まれ、知事が個別に変更する仕組みではない。
- 3 費用負担:国は保護費等の4分の3を負担(第75条第1項第1号)。都道府県は、居住地がないか明らかでない被保護者について市町村が支弁した保護費等の4分の1などを負担する(第73条)。町村が福祉事務所を設置したこと自体を理由に都道府県が負担するという規定はない。
- 4 保護施設の基準:第39条第1項で都道府県は条例で基準を定める義務を負う。第2項で職員と員数、居室の床面積、処遇・安全・秘密保持に密接に関連する運営事項は厚生労働省令の基準に「従い」、利用定員は「標準として」、その他は「参酌して」定める。従うべき基準・標準・参酌すべき基準の三区分は、介護保険や障害福祉の施設基準と共通の型である。
関連論点
保護の実施機関の判定は「居住地」が原則、居住地がないか明らかでない場合は「現在地」(第19条第1項)。急迫状況では居住地があっても現在地の実施機関が保護する(同条第2項)。福祉事務所を設置しない町村の長は、特に急迫した場合の応急的な保護などの役割を持つ(同条第6項)。
- 生活保護法第20条・第8条e-Govで原文を読む
- 社会福祉法第14条e-Govで原文を読む
- 児童福祉法e-Govで原文を読む
- 母子及び父子並びに寡婦福祉法e-Govで原文を読む
- 老人福祉法e-Govで原文を読む
- 身体障害者福祉法e-Govで原文を読む
- 知的障害者福祉法e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」の問題66です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

