問題
事例を読んで,生活困窮者自立相談支援機関のD相談支援員(社会福祉士)が提案する自立支援計画案の内容に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。 〔事 例〕 Eさん(50 歳)は,実家で両親と3 人暮らしである。両親はともに80 代で,実家は持ち家だが他に資産はなく,一家は両親の老齢基礎年金で生活している。Eさんは大学卒業後,出身地の会社に就職したが人間関係がこじれて5 年前に退職し,その後は定職に就かず,実家でひきこもり状態である。Eさんの状況を両親が心配し,またEさん自身もこの状況をどうにかしたいと考えて,Eさんは両親とともに生活困窮者自立相談支援機関に来所した。D相談支援員は,アセスメントを経て,Eさんに今後の支援内容を提案した。 (注) 「求職者支援制度」とは,職業訓練の実施等による特定求職者の就職に関する法律(求職者支援法)に基づく制度のことである。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」問題68
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 3 です。
Eさんは5年間ひきこもり状態で、すぐに一般の職場で働くのは難しい状況です。生活困窮者自立支援法には、都道府県知事などの認定を受けた事業者が、支援付きの「働く場」を提供する就労訓練事業(いわゆる中間的就労)があります。少しずつ働く経験を積みながら一般就労をめざせるので、Eさんに合った提案です。
ほかの選択肢は、事業の名前と実施する場所の組合せが違っていたり、Eさんが対象外だったりします(Eさんは生活保護を受けていないので、生活保護の事業は使えません)。
👉 覚え方:認定事業者=就労訓練(中間的就労)。
なぜこれが正解か
正解は 3。生活困窮者自立支援法に基づく生活困窮者就労訓練事業は、都道府県知事(指定都市・中核市の長)の認定を受けた事業者が、直ちに一般就労することが難しい人に対し、支援付きで就労の機会を提供するもの(いわゆる中間的就労)。長期のひきこもりで就労経験から離れたEさんには段階的な就労の場として適切である。
各選択肢の解説
- 1 誤り。被保護者就労支援事業は生活保護法に基づき、被保護者を対象に福祉事務所設置自治体が行う。Eさんは被保護者ではない。
- 2 誤り。就労準備支援事業は生活困窮者自立支援法に基づき、自治体(委託先を含む)が実施する。ハローワークの事業ではない。
- 4 誤り。求職者支援制度はハローワークを通じて職業訓練と給付金を組み合わせる制度。地域若者サポートステーションは主に15〜49歳の若年無業者等の職業的自立を支援する機関で、求職者支援制度の窓口ではない。
- 5 誤り。授産施設は生活保護法の保護施設で、被保護者等が対象。Eさんは保護を受けていない。
覚え方
困窮者の就労支援は「準備(自治体)→訓練(認定事業者)→一般就労(自立相談支援+ハローワーク連携)」の段階で整理する。
正解と制度の位置づけ
正解は 3。生活困窮者自立支援法は、生活保護に至る前の段階の「第2のセーフティネット」として2015年に施行された。必須事業は自立相談支援事業と住居確保給付金の支給、努力義務・任意事業として就労準備支援事業、家計改善支援事業、一時生活支援事業、子どもの学習・生活支援事業などがある。これとは別に、民間事業者が行う就労訓練事業を都道府県知事等が認定する仕組み(認定就労訓練事業)が設けられている。
就労訓練事業は、社会福祉法人・NPO・企業などが、一般就労が直ちに困難な人に、個々の状況に応じた支援を付けて作業の機会を提供するもの。雇用契約を結ばない非雇用型と、雇用契約を結ぶ雇用型がある。事例のEさんは50歳で5年間ひきこもり状態にあり、本人も状況を変えたいと考えている。アセスメントを経て、生活リズムや対人関係に配慮しながら就労経験を積める場を提案するのは、段階的支援として理にかなっている。
誤りの肢の掘り下げ
- 1 被保護者就労支援事業:2013年の生活保護法改正で創設され、福祉事務所設置自治体が被保護者の就労に関する相談・助言を行う。対象が被保護者に限られ、実施主体も社協ではない。困窮者向けの事業と保護受給者向けの事業は、名称が似ていても根拠法と対象が異なる。
- 2 就労準備支援事業:一般就労に向けた基礎能力の形成を、生活習慣の改善・社会参加・就労体験の段階で計画的に支援する。実施主体は福祉事務所設置自治体(委託可)で、ハローワークではない。なお自立相談支援機関とハローワークの連携(生活保護受給者等就労自立促進事業)は別の枠組み。
- 4 求職者支援制度:雇用保険を受給できない求職者が、ハローワークの支援指示を受けて職業訓練を受講し、一定の要件で月額の職業訓練受講給付金を受ける制度。地域若者サポートステーション(サポステ)は厚生労働省が委託するNPO等が運営し、主に15〜49歳の無業者の職業的自立を支援する機関。50歳のEさんは年齢面でも対象から外れ、制度と窓口の組合せも誤っている。
- 5 授産施設:生活保護法の保護施設(救護・更生・医療保護・授産・宿所提供の5種)の一つで、就業能力の限られた要保護者に就労や技能修得の機会を与える。被保護者等を対象とする施設であり、困窮者支援の段階での提案としては不適切。
関連論点
困窮者自立支援の事業と生活保護の事業は対になる名称が多い(就労準備支援事業/被保護者就労準備支援事業、家計改善支援事業/被保護者家計改善支援事業)。問題文の主体が被保護者か生活困窮者かを最初に確認するのが得点のコツである。
- 生活保護法e-Govで原文を読む
- 生活困窮者自立支援法e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」の問題68です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

