社会福祉士

社会福祉士 第36回 問題76保健医療サービス

問題

社会福祉士 | 第36回(令和5年度) | 令和6年2月4日(日)実施・保健医療サービス

「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン(2018 年(平成30 年)改訂版)」(厚生労働省)に沿った対応の方針として,最も適切なものを1 つ選びなさい。 〔事 例〕 Gさん(72 歳)は,妻(70 歳)と二人暮らし。10 年前より筋萎縮性側索硬化症(ALS)と診断を受け,在宅で療養を続けてきた。診断を受けた当初,「人工呼吸器は装着せずに,自宅で自然な状態で最期を迎えたい」と言っていた。1 か月前から言語の表出,自発呼吸が困難となり,人工呼吸器の装着について検討することとなった。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」問題76

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 3
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 3 です。

厚生労働省の「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」は、本人の意思は病状や時間の経過で変わりうるので、本人・家族・医療・ケアチームが繰り返し話し合うことを重視しています(アドバンス・ケア・プランニング=ACP)。Gさんの考えは診断当初から変わっている可能性もあるため、まず関係者で話し合いの場を設けるのが適切です。

ほかの選択肢は、昔の意思だけ、妻だけ、医師だけで決めてしまう点が、ガイドラインの考え方に合いません。家庭裁判所が治療方針を決める仕組みもありません。

👉 覚え方:最終段階の医療は「本人中心に、チームで、繰り返し話し合う」。

なぜこれが正解か

正解は 3。2018年改訂のガイドラインは、本人による意思決定を基本としつつ、本人の意思は変化しうるものであることを踏まえ、本人が家族等や医療・ケアチームと事前に繰り返し話し合うことを重視している。Gさんは言語の表出が困難になっているが、意思表示の手段を工夫しつつ、本人・家族・医療・ケアチームで話し合う場を設定することが方針として適切。

各選択肢の解説

  • 1 誤り。10年前の意思は大切な手がかりだが、意思は変わりうるため、それだけで決めることはしない。現在の意思の確認・推定を重ねる。
  • 2 誤り。本人の意思が確認できない場合でも、家族等が本人の意思を推定し、その推定意思を尊重するのが原則。妻の判断を本人より優先するのではない。
  • 4 誤り。ガイドラインに家庭裁判所が判断する手続はない。合意が難しい場合は、複数の専門家からなる話し合いの場を設けて検討・助言を受ける。
  • 5 誤り。医師単独ではなく、多専門職種の医療・ケアチームが医学的妥当性と適切性をもとに慎重に判断する。

覚え方

「本人の意思が基本→変わるので繰り返し話し合う→確認できないときは家族等が推定→決まらなければ専門家の話し合いの場」。

正解とガイドラインの構造

正解は 3。厚生労働省の「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」は2007年に策定され、2015年の名称変更を経て、2018年にアドバンス・ケア・プランニング(ACP)の考え方を取り入れて改訂された。改訂の主なポイントは、病院だけでなく在宅・介護施設も想定したこと、医療・ケアチームに介護従事者が含まれることを明確にしたこと、本人の意思は変化しうるので繰り返し話し合うことの重要性、本人が自らの意思を伝えられない状態になる前に信頼できる家族等を定めておくこと、話し合った内容を文書にまとめて共有すること、などである。

決定の手順は次の3段階で整理される。

1. 本人の意思が確認できる場合:本人と医療・ケアチームが十分に話し合い、本人による意思決定を基本とする。時間の経過・心身の状態の変化等に応じて意思は変わりうるので、繰り返し話し合う。

2. 本人の意思が確認できない場合:家族等が本人の意思を推定できるなら、その推定意思を尊重し本人にとって最善の方針をとる。推定できない場合や家族等がいない場合は、本人にとっての最善の方針を医療・ケアチームが慎重に判断する。

3. 方針の決定が困難な場合や合意が得られない場合:複数の専門家からなる話し合いの場を別途設置し、方針の検討や助言を行う。

事例へのあてはめと誤りの肢

Gさん(ALS)は言語の表出と自発呼吸が困難になっているが、ALSでは意識や判断能力が保たれることが多く、文字盤や視線入力などで意思を確認できる余地がある。診断当初に人工呼吸器を望まないと述べていたことは重要な手がかりだが、10年の療養を経て考えが変わっていることも十分ありうる。そこで本人・妻・医療・ケアチームの話し合いの場を設けるのが出発点となる。

  • 1 当初の意思の優先:過去の意思表示を固定的に扱うのは、意思の変化を前提とするガイドラインと相いれない。
  • 2 妻の判断の優先:家族等の役割は本人の意思を「推定」することで、家族自身の意向で代わりに決めることではない。
  • 4 家庭裁判所:成年後見人にも医療同意権はないと解されており、裁判所が医療方針を決める仕組みは設けられていない。
  • 5 医師の判断:医学的妥当性は重要だが、医師単独ではなく多職種チームで判断する。

関連論点

愛称「人生会議」はACPの普及のために厚生労働省が定めた呼び方。社会福祉士は医療・ケアチームの一員として、本人の価値観の聴き取りや家族の調整、話し合いの記録と共有に関わる。

この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」問題76。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」の問題76です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。