社会福祉士

社会福祉士 第36回 問題83権利擁護と成年後見制度

問題

社会福祉士 | 第36回(令和5年度) | 令和6年2月4日(日)実施・権利擁護と成年後見制度

成年被後見人Jさんへの成年後見人による意思決定支援に関する次の記述のうち,「意思決定支援を踏まえた後見事務のガイドライン」に沿った支援として,最も適切なものを1 つ選びなさい。 (注) 「意思決定支援を踏まえた後見事務のガイドライン」とは,2020 年(令和2 年)に,最高裁判所,厚生労働省等により構成される意思決定支援ワーキング・グループが策定したものである。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」問題83

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 2
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 2 です。

「意思決定支援を踏まえた後見事務のガイドライン」は、本人には意思決定能力があることを前提にして、本人が自分で決められるよう、実行可能なあらゆる支援を尽くすことを第一に掲げています。Jさんが自ら決められるよう支援する選択肢2がこれに合っています。

ほかの選択肢では、能力がないと最初から決めつけたり、一見不合理な決定だけで能力を否定したりするのは誤りです。本人に重大な影響が出る場合は表明された意思どおりにはせず、代行決定を考えます。代行決定のときも、後見人ではなく本人にとっての最善の利益で判断します。

👉 覚え方:まず「能力あり」と推定し、あらゆる支援を尽くす。

なぜこれが正解か

正解は 2。2020年に最高裁判所・厚生労働省・専門職団体で構成する意思決定支援ワーキング・グループが策定したガイドラインは、意思決定支援の基本原則として、①全ての人は意思決定能力があることが推定される、②本人が自ら意思決定できるよう、実行可能なあらゆる支援を尽くさなければ、代行決定に移ってはならない、③一見すると不合理にみえる意思決定でも、それだけで本人に意思決定能力がないと判断してはならない、を掲げている。

各選択肢の解説

  • 1 誤り。意思決定能力は「ある」ことが推定される。最初から「ない」として支援するのは原則に反する。
  • 3 誤り。不合理にみえる決定であることだけを理由に能力がないとみなしてはならない。
  • 4 誤り。本人にとって見過ごすことのできない重大な影響が生じる可能性が高い場合は、表明された意思どおりにせず、代行決定の検討に移る。
  • 5 誤り。代行決定は本人にとっての最善の利益に基づく。成年後見人にとっての利益ではない。

覚え方

意思決定支援の原則3つ(能力の推定・あらゆる支援・不合理でも能力否定しない)と、代行決定の原則(意思の推定→最善の利益)。

正解とガイドラインの構造

正解は 2。「意思決定支援を踏まえた後見事務のガイドライン」(2020年)は、成年後見人等が本人の意思決定を支援する際の考え方と手順をまとめたもので、障害者の権利に関する条約第12条(法律の前にひとしく認められる権利)の趣旨や、成年後見制度利用促進基本計画における意思決定支援の重視を背景とする。

基本原則は、意思決定支援の段階と代行決定の段階に分かれる。

  • 意思決定支援の原則

1. 全ての人は意思決定能力があることが推定される。

2. 本人が自ら意思決定できるよう、実行可能なあらゆる支援を尽くさなければ、代行決定に移ってはならない。

3. 一見すると不合理にみえる意思決定でも、それだけで本人に意思決定能力がないと判断してはならない。

  • 代行決定の原則

4. 意思決定支援が尽くされても本人の意思決定や意思確認が困難な場合、または本人の意思をそのまま実現すると本人にとって見過ごすことのできない重大な影響が生じる場合には、本人の意思推定に基づき行動する。

5. 本人の意思推定すら困難な場合、または上の重大な影響が生じる場合は、本人にとっての最善の利益に基づいた方針をとる。

6. 最善の利益に基づく代行決定は、法的保護の観点から最後の手段として慎重に行う。

誤りの肢の掘り下げ

  • 1 能力の推定の否定:成年被後見人であっても、個々の意思決定ごとに能力は評価される。「後見類型だから能力がない」と一律に扱うことは、原則1に反する。
  • 3 不合理な決定:他人から見て賢明でない選択をする自由も本人にはある。不合理さは、支援の工夫や情報の不足を見直すきっかけにはなるが、能力否定の根拠にはならない(原則3)。
  • 4 重大な影響:本人の意思尊重が原則だが、生命・身体・財産に看過できない重大な影響が生じる場合は、表明された意思どおりに行動するのではなく、意思推定や最善の利益による代行決定へ進む。意思尊重と保護のバランスをどこで取るかを示した点がこのガイドラインの要所である。
  • 5 誰にとっての最善か:最善の利益は本人にとってのもので、本人の価値観・選好、メリット・デメリットを比較検討して判断する。後見人の都合や事務負担の軽さは基準にならない。

関連論点

厚生労働省は分野ごとに意思決定支援のガイドラインを示している(障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン、認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン、人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドラインなど)。いずれも「本人の意思決定を中心に、支援を尽くす」という共通の骨格を持つ。

この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」問題83。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」の問題83です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。