問題
事例を読んで,Gさんの成年後見監督人に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。 〔事 例〕 知的障害のあるGさん(30 歳)は,兄であるHさんが成年後見人に選任され支援を受けていた。しかし,数年後にGさんとHさんの関係が悪化したため,成年後見監督人が選任されることとなった。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」問題81
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 5 です。
成年後見監督人は、成年後見人の仕事をチェックする人です。成年後見人に不正な行為や、後見の任務に適しない事由があるときは、家庭裁判所は成年後見監督人などの請求により、成年後見人を解任できます(民法第846条)。Hさんが後見業務を放置しているなら、監督人は解任請求ができます。
ほかの選択肢では、本人Gさんも監督人の選任を請求できます(第849条)。成年後見人の配偶者は監督人になれません。利益が対立する場面では、監督人がGさんを代理します。後見人が辞任しても、監督人が自動的に引き継ぐわけではなく、新しい後見人の選任を家庭裁判所に請求します。
👉 覚え方:監督人の仕事=監督・後任の選任請求・急迫時の処分・利益相反の代理(+解任請求)。
なぜこれが正解か
正解は 5。民法第846条は「後見人に不正な行為、著しい不行跡その他後見の任務に適しない事由があるときは、家庭裁判所は、後見監督人、被後見人若しくはその親族若しくは検察官の請求により又は職権で、これを解任することができる」と定める。後見業務の放置は「任務に適しない事由」にあたり、成年後見監督人は解任を請求できる。
各選択肢の解説
- 1 誤り。第849条により、家庭裁判所は被後見人、その親族若しくは後見人の請求により又は職権で後見監督人を選任できる。Gさん本人も請求できる。
- 2 誤り。第850条により、後見人の配偶者・直系血族・兄弟姉妹は後見監督人となることができない。Hさんの妻は監督人になれない。
- 3 誤り。第851条第4号により、後見人と被後見人の利益が相反する行為については、後見監督人が被後見人を代表する。
- 4 誤り。監督人の職務は、後見人が欠けた場合に遅滞なくその選任を家庭裁判所に請求すること(第851条第2号)。自ら引き継ぐ義務はない。
覚え方
第851条の4つの職務(監督/欠けたら選任請求/急迫時の必要な処分/利益相反時の代表)と、第846条の解任請求権者を一緒に覚える。
正解と根拠条文
正解は 5。後見人の解任(第846条)は、家庭裁判所が後見監督人・被後見人・その親族・検察官の請求により、または職権で行う。解任事由は「不正な行為、著しい不行跡その他後見の任務に適しない事由」で、財産の横領のような積極的な不正だけでなく、後見事務の放置も含まれる。成年後見監督人は後見人を監督する立場から解任請求の主体として明記されている。
成年後見監督人の職務(第851条)
1. 後見人の事務を監督すること
2. 後見人が欠けた場合に、遅滞なくその選任を家庭裁判所に請求すること
3. 急迫の事情がある場合に、必要な処分をすること
4. 後見人又はその代表する者と被後見人との利益が相反する行為について被後見人を代表すること
監督の具体的手段として、後見人に事務の報告や財産目録の提出を求め、事務や財産の状況を調査できる(第863条)。
誤りの肢の掘り下げ
- 1 選任請求権者:第849条は被後見人本人を請求権者に含めている。成年後見制度は本人の意思の尊重を基本理念とし、本人に手続上の主体性を認めている。
- 2 欠格事由:第850条により、後見人の配偶者・直系血族・兄弟姉妹は後見監督人になれない。身内による監督では実効性がないためである。このほか後見人の欠格事由(第847条:未成年者、家庭裁判所で免ぜられた法定代理人等、破産者、被後見人に対して訴訟をし又はした者とその配偶者・直系血族、行方の知れない者)も第852条で後見監督人に準用される。
- 3 利益相反:後見人には親権者の利益相反規定(第826条)が準用されるが、後見監督人がいる場合は特別代理人を選任せず、監督人が本人を代表する(第860条ただし書・第851条第4号)。事例のようにGさんとHさんの関係が悪化した場面こそ、この役割が重要になる。
- 4 辞任と後任:後見人は正当な事由があるとき家庭裁判所の許可を得て辞任でき(第844条、監督人にも準用)、辞任した後見人は新たな後見人の選任を請求しなければならない(第845条)。監督人の役割は選任請求(第851条第2号)と、その間の急迫時の処分(同条第3号)であり、自ら後見人の地位を引き継ぐものではない。
関連論点
- 成年後見監督人は、専門職(弁護士・司法書士など)が選任されることが多い。最高裁判所の「成年後見関係事件の概況(令和4年)」では、後見等開始と同時に選任された監督人等は弁護士613件、司法書士491件が中心である。
- 任意後見では、任意後見監督人の選任によって任意後見契約の効力が生じる(任意後見契約に関する法律第2条・第4条)。法定後見の監督人が任意的(必要があると認めるとき)に置かれるのとの違いが頻出。
- 民法第846条e-Govで原文を読む
- 任意後見契約に関する法律第2条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」の問題81です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

