社会福祉士

社会福祉士 第36回 問題94相談援助の基盤と専門職

問題

社会福祉士 | 第36回(令和5年度) | 令和6年2月4日(日)実施・相談援助の基盤と専門職

障害者の自立生活運動に関する次の記述のうち,適切なものを2 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」問題94

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

※この問題は2つ選ぶ形式です。2つとも選ぶと答え合わせになり、正答の全部を選んだときだけ正解として扱います。

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答え合わせ

正解は 2・4
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 2 と 4 です。

障害者の自立生活運動(IL運動)は、アメリカで、障害のある大学生らが始めた運動です。障害があっても、介助を受けながら自分の生活を自分で決めて、地域で暮らすことを「自立」ととらえ直しました。その中で、障害のある当事者どうしが相談に乗るピアカウンセリングと、当事者の自己決定権の行使が重視されています。

ほかの選択肢は、「人の手を借りずに何でも自分でする」「施設で管理的に保護される」「危険な選択を指導して止める」といった考え方で、むしろ自立生活運動が批判したものです。

👉 覚え方:IL運動の自立=「自分で決めること」、介助を使ってもよい。

なぜこれが正解か

正解は 2 と 4。自立生活運動は、障害者を保護や治療の対象とみる考え方に異を唱え、障害者自身が生活の主体として自己決定する権利を主張した。

  • 2 ピアカウンセリング:同じ障害のある仲間(ピア)が対等な立場で相談に応じ、経験を分かち合って自信や自己決定を支える。自立生活センターの中心的なサービス。
  • 4 自己決定権の行使:介助を受けていても、自分の生活のあり方を自分で決めることこそが自立であるとした。

各選択肢の解説

  • 1 誤り。身辺のことを人の手を借りずに自分でする「身辺自立」中心の自立観は、自立生活運動が問い直したもの。介助を受けて2時間で服を着て外出できるなら、その方が自立的だという考え方が知られている。
  • 3 誤り。施設での管理的保護を批判し、地域での自立生活を目指した。
  • 5 誤り。危険を伴う選択も本人の権利として尊重する(危険を冒す尊厳)。指導して抑止するのは、専門職主導のパターナリズムとして批判された。

覚え方

自立生活運動のキーワードは「自己決定」「当事者主体」「ピアカウンセリング」「地域での生活」「介助を使った自立」「危険を冒す尊厳」。

正解と運動の位置づけ

正解は 2 と 4。自立生活運動(Independent Living Movement:IL運動)は、アメリカで広がった障害者自身による社会運動で、カリフォルニア大学バークレー校で重度障害のある学生たちが学内での自立生活を求めたことが起点とされる。その後バークレーに自立生活センター(CIL)が設立され、障害当事者が運営し、ピアカウンセリング、介助者の紹介、住宅や移動の支援、権利擁護などのサービスを提供した。日本でも各地に自立生活センターがつくられている。

自立生活運動の自立観の特徴

  • 自立とは身辺のことを自分でできることではなく、自らの生活を自らの意思で選択・決定すること。
  • 介助は自立の妨げではなく、自立のための手段。介助者を自分で選び、指示して使うことが重視される。
  • 専門職中心の医学モデル(障害を個人の欠損として治療・訓練の対象とする)から、社会の障壁を問題とする社会モデルへの転換を促した。
  • 当事者主体:サービスの提供者・運営者も当事者が担う。

誤りの肢の掘り下げ

  • 1 身辺自立中心の考え方:リハビリテーションが目標としてきた日常生活動作(ADL)の自立は、自立生活運動の文脈では「自立の一つの側面」にすぎない。運動はADLの自立から生活の質(QOL)と自己決定へと視点を移した。
  • 3 施設での管理的保護:大規模施設での集団的・管理的な生活は、自己決定の機会を奪うものとして批判され、脱施設化と地域生活の実現が運動の柱となった。ノーマライゼーションの理念とも結びつく。
  • 5 危険に挑む選択の抑止:「危険を冒す尊厳(dignity of risk)」という考え方では、失敗や危険の可能性を含む選択をする権利も人としての尊厳の一部とされる。専門職が安全を理由に選択を制限するのは、パターナリズム(父権的温情主義)として問い直された。

関連論点

  • 障害者の権利に関する条約(2006年国連採択、日本は2014年批准)は、第19条で自立した生活及び地域社会への包容をうたい、どこで誰と生活するかを選択する機会を保障する。運動のスローガン「私たち抜きに私たちのことを決めるな(Nothing About Us Without Us)」は条約の策定過程でも掲げられた。
  • 日本の障害者総合支援法の重度訪問介護や自立生活援助、意思決定支援の重視は、こうした当事者運動の流れの中で整備されてきた制度として理解できる。
  • ピアサポートは精神保健福祉の分野でも重視され、ピアサポーターの養成・活用が進んでいる。
この問題の根拠
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」の問題94です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。