問題
「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」(2014 年)に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。 (注) 「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」とは,2014 年7 月の国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)と国際ソーシャルワーク学校連盟(IASSW)の総会・合同会議で採択されたものを指す。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」問題93
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 5 です。
2014年に国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)と国際ソーシャルワーク学校連盟(IASSW)が採択した「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」は、ソーシャルワークを「社会変革と社会開発、社会的結束、および人々のエンパワメントと解放を促進する、実践に基づいた専門職であり学問である」と定めています。選択肢5はこの冒頭部分そのものです。
ほかの選択肢は、ソーシャルワークの構成要素や本質を説明した、別の研究者の代表的な説です。グローバル定義の文言ではありません。
👉 覚え方:グローバル定義=「社会変革・社会開発・社会的結束・エンパワメントと解放」。
なぜこれが正解か
正解は 5。グローバル定義は「ソーシャルワークは、社会変革と社会開発、社会的結束、および人々のエンパワメントと解放を促進する、実践に基づいた専門職であり学問である」で始まり、社会正義、人権、集団的責任、多様性尊重の諸原理を中核とし、ソーシャルワークの理論、社会科学、人文学、地域・民族固有の知を基盤とすると続く。
各選択肢の解説
- 1 誤り。人間尊重・人間の社会性・変化の可能性を前提となる価値とする説は、ブトゥリム(Butrym, Z.)がソーシャルワークの価値前提として示したもので、グローバル定義ではない。
- 2 誤り。人(Person)・問題(Problem)・場所(Place)・過程(Process)の4つのPは、パールマンがケースワークの構成要素として示したもの。
- 3 誤り。価値の体系・知識の体系・調整活動のレパートリーをソーシャルワークの本質的要素としたのはバートレット。
- 4 誤り。価値・目的・サンクション(社会的承認)・知識・方法の集合体とするのは、全米ソーシャルワーカー協会(NASW)のソーシャルワーク実践の作業定義。
覚え方
グローバル定義のキーワードは「社会変革・社会開発・社会的結束・エンパワメントと解放」「社会正義・人権・集団的責任・多様性尊重」「地域・民族固有の知」。
正解と定義の構成
正解は 5。「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」は2014年7月のIFSWとIASSWの総会・合同会議で採択され、それ以前の「ソーシャルワークの定義」を改めたもの。日本ソーシャルワーカー連盟と日本社会福祉教育学校連盟による日本語訳では、次のような構成になっている。
- 何を促進するか:社会変革と社会開発、社会的結束、人々のエンパワメントと解放
- 中核となる原理:社会正義、人権、集団的責任、多様性尊重
- 基盤とする知:ソーシャルワークの理論、社会科学、人文学、地域・民族固有の知
- 働きかけ方:生活課題に取り組みウェルビーイングを高めるよう、人々やさまざまな構造に働きかける
- 「この定義は、各国および世界の各地域で展開してもよい」とする重層的な構造
旧定義と比べた主な変化は、「集団的責任」の追加、「地域・民族固有の知(indigenous knowledge)」を明記して西洋中心の知からの転換を示したこと、ソーシャルワークを「専門職であり学問である」としたこと、マクロレベル(社会変革・社会開発・社会的結束)を前面に出したこと、などである。
誤りの肢の掘り下げ(いずれも古典的な定義・構成要素論)
- 1 人間尊重・人間の社会性・変化の可能性:ブトゥリム(Butrym, Z.)が示したソーシャルワークの価値前提。人は尊重される存在である、人は社会的存在である、人は変化しうる存在である、という3つの前提を示す。
- 2 4つのP:パールマンがケースワークについて示した構成要素。のちに専門職(Professional person)と制度・施策(Provisions)を加えて6つのPとする整理もある。問題解決アプローチの提唱者としても出題される。
- 3 価値・知識・調整活動:バートレットは、ソーシャルワーク実践の共通基盤として価値と知識を重視し、多様な介入方法を「調整活動のレパートリー」として位置づけた。
- 4 価値・目的・サンクション・知識・方法:NASWが示した「ソーシャルワーク実践の作業定義」の5要素。サンクションは、専門職としての実践を正当化する社会的承認(法・機関・専門職団体による認可)を意味する。
関連論点
グローバル定義の注釈では、社会変革の任務は人々の置かれた状況の変革や開発が必要だという前提に立つこと、社会的結束は排除された人々の包摂を目指すことが説明されている。日本の社会福祉士の倫理綱領(日本ソーシャルワーカー連盟の倫理綱領)はこのグローバル定義をソーシャルワーク実践の基盤とすることを前文で示している。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」の問題93です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

