問題
次の事例の場面において,複数のシステムの相互作用をもたらすシュワルツ(Schwartz, W.)の媒介機能を意図した支援として,最も適切なものを1 つ選びなさい。 〔事 例〕 自閉傾向のあるCさん(10 歳)の母親が,市の子育て支援課の窓口に久しぶりに相談に来た。D相談員(社会福祉士)がCさんについて,この間の様子を聞いたところ,言語的なコミュニケーションは少ないが,最近は絵を描くことが好きになってきたとのことであった。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」問題97
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 5
シュワルツの「媒介機能」とは、個人と、その人を取り巻く集団や社会との間に入り、お互いがつながり合い、助け合える関係をつくる働きです。
選択肢5は、障害児と親が参加している絵画サークルに親子で参加し、ほかの児童や親たちと交流するよう勧めています。Cさん親子と地域の集団(サークル)という複数のシステムをつなぎ、互いに影響し合う関係を生み出すので、媒介機能にあたります。
ほかの選択肢は、面接の準備や親子の中だけで完結する支援で、複数のシステムの相互作用にはなっていません。
正解は 5
【正解の根拠】
シュワルツは、個人と社会(集団)は本来お互いを必要とする「共生的な関係」にあると考え、ソーシャルワーカーはその両者の間に立って相互作用を促す「媒介者」であるとしました(相互作用モデル)。選択肢5は、Cさん親子と、障害児と親が活発に参加する絵画サークルという別のシステムを結びつけ、相互の交流を生み出すもので、媒介機能の意図にもっとも合います。
【誤りの選択肢】
・1:次回面接の準備としての依頼であり、相談員と親子の二者関係にとどまります。
・2:アートコンクールへの出展は親子共通の目的づくりですが、出展という行為で完結し、他の人々との相互作用は生まれにくい支援です。
・3:コミュニケーションカードは親子間のやり取りを助ける道具で、家族内で完結しています。
・4:文房具店の紹介は情報提供にとどまり、システム間の相互作用を生むものではありません。
「誰と誰の間に、やり取りが生まれるか」を確認すると、媒介機能かどうかを見分けられます。
正解は 5
【シュワルツの相互作用モデル】
シュワルツはグループワークの理論家で、個人と社会は互いに依存し合う共生関係にあるという前提に立ちました。ところが現実にはこの関係が見えにくくなっているため、ソーシャルワーカーは両者の間に立って「媒介(mediating)」する役割を担う、と考えます。ここでいうグループは、メンバー同士が相互に援助し合う「相互援助システム」です。ワーカーは問題を代わりに解決するのではなく、メンバーと集団、集団と社会資源がお互いに力を出し合える関係づくりを支えます。
【本事例での当てはめ】
Cさんは言語的コミュニケーションが少ないものの、絵を描くことが好きになってきました。選択肢5の絵画サークルは、①Cさんが得意なことを通じて他児と交流できる、②母親が同じ立場の親たちとつながり、情報や悩みを分かち合える、という二つの相互作用を同時に生みます。親子・他の児童・他の親・サークルという複数のシステムが影響し合う点が「複数のシステムの相互作用」に当たります。
【誤りの選択肢の論点】
・1は面接技法(アセスメントのための素材集め)、3は家族内コミュニケーションの改善、4は単なる社会資源の情報提供です。いずれも支援として誤りではありませんが、システム間をつなぐ媒介機能の説明にはなりません。
・2は親子に共通の目標を与える点で一見魅力的ですが、交流の相手がいない点が決定的に異なります。
【似た概念との違い】
・ジャーメインとギッターマンの生活モデル:人と環境の交互作用に注目し、両者の適合(調和)を高める点で共通しますが、生態学的視座が中心です。
・ピンカスとミナハンの4つのシステム(クライエント・システム、ワーカー・システム、ターゲット・システム、アクション・システム):誰に働きかけるかを整理する枠組みで、媒介機能とは問われ方が異なります。
・コノプカ、トレッカー、ヴィンターなどのグループワーク理論家とも並べて出題されるので、「シュワルツ=媒介・相互作用モデル」で押さえます。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」の問題97です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
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