社会福祉士

社会福祉士 第37回 問題106保健医療と福祉

問題

社会福祉士 | 第37回(令和6年度) | 令和7年2月2日(日)実施・保健医療と福祉

医療倫理の4 つの原則に含まれるもののうち,正しいものを2 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回社会福祉士国家試験(令和6年度)」問題106

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

※この問題は2つ選ぶ形式です。2つとも選ぶと答え合わせになり、正答の全部を選んだときだけ正解として扱います。

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答え合わせ

正解は 4・5
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 4 と 5 です。

医療倫理の4原則は、ビーチャムとチルドレスが示したもので、「自律尊重」「無危害」「善行(与益)」「正義」の4つです。自律尊重は患者が自分で決めることを尊重すること、正義は医療の利益や負担を公平に配分することを意味します。

ほかの選択肢:1 人間の尊厳、2 多様性の尊重は、ソーシャルワーク専門職のグローバル定義や倫理綱領に出てくる言葉です/3 必要即応は生活保護法の原則(必要即応の原則)です。いずれも医療倫理の4原則には含まれません。

👉 覚え方:「じ・む・ぜ・せ」=自律尊重・無危害・善行・正義。

なぜこれが正解か

正解は 4 と 5。生命医学倫理の4原則(ビーチャムとチルドレス)は、①自律尊重(respect for autonomy)、②無危害(non-maleficence)、③善行(beneficence、与益・恩恵とも訳す)、④正義(justice)である。選択肢のうち該当するのは正義(4)と自律尊重(5)。

各選択肢の解説

  • 1 不適切。人間の尊厳は、社会福祉士の倫理綱領(原理の筆頭)やソーシャルワークの価値として掲げられる概念で、4原則の一つではない。
  • 2 不適切。多様性の尊重は、ソーシャルワーク専門職のグローバル定義(2014年)が中核とする原理(社会正義・人権・集団的責任・多様性尊重)の一つ。
  • 3 不適切。必要即応は生活保護法第9条の原則で、要保護者の年齢・健康状態など個人・世帯の実際の必要の相違を考慮して保護を行うことをいう。
  • 4 正しい。医療資源の公平な配分や、等しい者を等しく扱うことを求める原則。
  • 5 正しい。判断能力のある患者の自己決定を尊重する原則で、インフォームド・コンセントの根拠になる。

覚え方・ひっかけ注意

ソーシャルワークの価値(尊厳・多様性)と医療倫理の原則を混ぜた選択肢が定番。

理論的背景

4原則は、トム・ビーチャムとジェームズ・チルドレスが著した生命医学倫理の教科書で体系化された枠組みで、医療現場の倫理的ジレンマを分析する共通言語として広く使われている。同じ時期の米国のベルモント・レポート(被験者保護の3原則:人格の尊重・善行・正義)とも通じる考え方である。

4原則の中身

  • 自律尊重:判断能力のある人が、十分な情報に基づいて自ら決定することを尊重する。インフォームド・コンセント、守秘、真実告知と結びつく。判断能力が低下した人には、本人の意思を推定し支える意思決定支援の考え方へ展開される。
  • 無危害:害を与えない、害のリスクを避けるという原則。「まず害をなすなかれ」というヒポクラテスの伝統に由来する。
  • 善行(与益):患者の利益のために行動し、害を除き利益を最大化する。行き過ぎると本人の意思より専門家の判断を優先するパターナリズムとなり、自律尊重と衝突する。
  • 正義:利益と負担の公平な配分。臓器移植の配分、医療資源の限られた場面での優先順位、医療へのアクセスの格差などが問題になる。

4原則は互いに優先順位が固定されておらず、具体的場面で比較衡量される点が特徴である。

誤りの肢の位置づけ

  • 人間の尊厳:社会福祉士の倫理綱領(2020年改定)の原理は、人間の尊厳、人権、社会正義、集団的責任、多様性の尊重、全人的存在の6つ。
  • 多様性の尊重:グローバル定義が掲げる中核原理の一つ。
  • 必要即応:生活保護法の4原則(申請保護・基準及び程度・必要即応・世帯単位)の一つ。

選択肢は、医療・福祉・公的扶助の各領域の「原理・原則」を並べ、どの領域の言葉かを見分けさせる構成になっている。

関連論点

臨床倫理の検討には、4原則のほか、ジョンセンらの4分割表(医学的適応・患者の意向・QOL・周囲の状況)がよく用いられる。厚生労働省の「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」は、本人の意思決定を基本に医療・ケアチームで話し合うプロセス(ACP)を重視しており、自律尊重の原則を実践に落とし込んだものと位置づけられる。

この問題の根拠
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第37回社会福祉士国家試験(令和6年度)」の問題106です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

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