問題
事例を読んで,A町社会福祉協議会のB職員(社会福祉士)の総合的かつ包括的支援に基づく次の記述のうち,最初の対応として,最も適切なものを1 つ選びなさい。 〔事 例〕 A町では,大規模な工業団地が開発された結果,海外から来た労働者とその家族が増加傾向にある。街中を歩く外国人家族の姿が日常的となった。そのような中,民生委員から,Bに「慣れない文化に戸惑う外国籍家族の存在が顕著であることや,また一方で,在留外国人との交流を望んでいるものの,どのようにすればよいか困惑している地域住民の声が多く聞かれる」と情報提供があった。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回社会福祉士国家試験(令和6年度)」問題120
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 2 です。
外国籍の家族と地域住民、どちらにも戸惑いがあります。最初にすべきことは、特定の側に働きかけるのではなく、当事者を含む関係者が集まり、課題を共有して話し合う場をつくることです。そこから、地域全体で取り組むべき対応が見えてきます。
たとえるなら、解決策を決める前に、関係する人がテーブルを囲んで状況を一緒に確かめる段階です。
👉 覚え方:総合的・包括的な支援では、まず当事者を含めて課題を共有し、地域で一緒に考える。
事例では、外国籍の家族と地域住民、双方が戸惑っています。まず、両方の声を一緒に聴く場をつくることが出発点です。
正解は 2 です。
本事例は、外国籍住民と地域住民の双方に困りごとがあり、まだ具体的な課題が整理されていない段階です。最初の対応として、関係者が参加して問題を共有する場を設けるのが適切です。
1 不適切。教育委員会に改善策を求めるのは、子どもの生活状況の実態把握や、本人たちの声を聞く前の、早すぎる要望。
2 適切。在留外国人も含め、学校・自治会などが課題を共有する懇談の場を企画する。当事者の参加と、ニーズの共有につながる。
3 不適切。日本人向けのパンフレットだけでは、外国籍住民のニーズが反映されない。一方向の啓発。
4 不適切。企業に問題解決を依頼するのは、状況の整理前で、企業側の役割も明確でない。
5 不適切。交流の場づくりは有効だが、実態が共有される前に広く参加を呼びかけても、ニーズに合わない場になるおそれがある。
「最初の対応」を問われたら、行動を起こす前の、実態把握と課題の共有が先になる。当事者が参加する場で、何に困っているか、何ができるかを確認することで、次の対応が定まる。
外国籍住民には、通訳ややさしい日本語を用いて、参加しやすくする工夫も必要になる。
正解は 2 です。
【総合的かつ包括的な支援と地域づくり】社会福祉士は、地域で生じる生活課題に対し、個別支援(ミクロ)と地域への働きかけ(メゾ・マクロ)を一体的に進めます。地域共生社会の考え方でも、住民や関係機関が「支え手」「受け手」に分かれず、課題を「我が事」として共有する取り組みが重視されます。社会福祉協議会のコミュニティワークは、ニーズの把握→課題の共有→住民や関係者の組織化→計画・実施→評価、の流れで考えられます。
【本問の考え方】民生委員の情報は、外国籍家族の戸惑いと、住民の「交流したいが方法がわからない」という声の両面を示しています。しかし、具体的に何に困っているか、どんな資源があるかはまだ明らかでなく、ここで解決策を決め打ちするのは早計です。「最初の対応」としては、当事者である外国籍住民も参加し、学校、自治会など関係者が課題を共有する場を設けることが適切です。当事者参加は、ニーズを正確に捉えるだけでなく、支援を「してあげる」関係から「ともにつくる」関係へ変える意味もあります。
【各選択肢の掘り下げ】
1 教育委員会への要望は、子どもに関するニーズがあるとわかった後の、次の段階の動きです。現時点では、子どもに課題があるかも確認できていません。
3 パンフレットの配布は、住民への啓発として有効な場面もありますが、日本人側への一方向の情報提供で、外国籍住民の声を反映していません。
4 企業への働きかけは、雇用主の協力が必要になるおそれがありますが、最初に個別に依頼するのは、地域全体で課題を共有する前の動きです。
5 交流の場は、結果として有効な手段になりえます。ただし、「何を目的に」「どんな人が」「どんな形で」参加するかは、課題の共有と、当事者の意向確認を経て決める必要があります。本問が「最初の対応」を問うていることに注意しましょう。
【関連する論点】コミュニティワークの過程、地域アセスメント、住民の主体形成、ネットワーキングなど、地域を基盤としたソーシャルワークの考え方をセットで確認しておきましょう。多文化共生を扱う問題では、言語や文化の違いへの配慮、通訳や翻訳など、当事者が参加できる環境づくりも重要な視点です。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第37回社会福祉士国家試験(令和6年度)」の問題120です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

