問題
事例を読んで,A市福祉なんでも相談窓口担当のB職員(社会福祉士)がこの時点で行う対応として,適切なものを2 つ選びなさい。 〔事 例〕 Cさん(39 歳)は3 年前夫と離婚し,当時2 歳の長男を連れて,それまで一人暮らしをしていた母親(73 歳)と同居を始めた。同居開始時,生活全般を母親が支えてくれていたため,Cさんは仕事に専念でき,長男と過ごす時間も確保できていた。 しかし数か月前から,母親の物忘れが目立つようになり,会話も成り立たなくなってきたため,家事等も全てCさんが担うようになった。Cさんは心身ともに疲弊し,A市福祉なんでも相談窓口を訪ねた。Cさんは窓口担当のBとの面接において,これまでの経緯を話した後,このまま3 人で暮らしていきたいと言った。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回社会福祉士国家試験(令和6年度)」問題121
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
※この問題は2つ選ぶ形式です。2つとも選ぶと答え合わせになり、正答の全部を選んだときだけ正解として扱います。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 2 と 4 です。
Cさんは、母親の介護と子育てに疲れていますが、「このまま3人で暮らしたい」と望んでいます。この意向を尊重して、気持ちの負担を軽くするピアサポートの紹介や、子育て・高齢者支援の機関との連携で、家族全体を支える対応が適切です。
たとえるなら、一人で抱えた荷物を、周りの人と分け合えるようにする支援です。
👉 覚え方:本人の意向を尊重しつつ、家族全体のニーズに合わせ、関係機関と連携する。
事例の中で、本人が「このまま3人で暮らしていきたい」と言っている点が、判断の軸になります。
正解は 2 と 4 です。
Cさんは、母親の認知症が疑われる状態と、子育てを同時に抱えて疲弊しており、3人で暮らしたいと希望しています。
1 不適切。サービス付き高齢者向け住宅の情報提供は、同居を続けたいというCさんの意向に沿っていない。
2 適切。同じ立場の人と思いを分かち合うピアサポートは、不安や焦燥感の軽減に有効。
3 不適切。虐待を疑う具体的な事実はなく、現時点で児童相談所へ通告するのは早計。
4 適切。子育て支援課や地域包括支援センターと連携し、親子3人の暮らしを支える体制を検討する。
5 不適切。育児に専念するよう勧めると、母親の介護の問題が置き去りになり、Cさんの状況に合っていない。
「この時点」で行う対応とは、情報が不十分な段階で、本人の意向を尊重しつつ、関係機関と連携して、課題を整理することである。虐待通告や施設入居など、結論を急ぐ選択肢は、この時点では不適切になりやすい。
なお、この時点では情報収集と関係づくりの段階で、結論を急がない姿勢が重要である。
地域包括支援センターは母親の介護や認知症の相談、子育て支援課は育児の相談を担い、両方をつなぐことで世帯全体を支えられる。
正解は 2 と 4 です。
【家族を単位とした支援と意向の尊重】本事例は、一人の相談者の背景に、高齢者の介護(認知症が疑われる母親)、子育て(幼い長男)、本人の就労という複数の課題が重なった、いわゆる複合的課題の例です。縦割りで1つずつ対応するのではなく、家族全体を視野に入れ、本人の意向(3人で暮らしたい)を尊重しながら、必要な支援をつなぎます。これは、包括的な相談支援や、重層的支援体制整備の考え方にも通じます。
【各選択肢の掘り下げ】
2 ピアサポートは、同じような経験をもつ人同士が支え合う仕組みです。ダブルケア(育児と介護の同時進行)など、同じ立場の人と話すことで、孤立感や不安が和らぎ、情報も得られます。Cさんが「疲弊している」ことへの、心理的・社会的支援として適切です。
4 子育て支援課は育児の支援を、地域包括支援センターは高齢者の介護や権利擁護の相談を担います。窓口で、家族の状況を共有し、それぞれの強みを生かした連携を検討することは、「この時点」での対応として妥当です。母親の状態の評価(医療受診、介護保険の申請)も、地域包括支援センターと進められます。
1 サ高住は、母親の住まいの選択肢の一つですが、同居の意向を確認しないまま情報提供すると、本人の希望より支援者側の考えを優先してしまいます。選択肢を示す場面があっても、「この時点」では早いのです。
3 児童虐待の通告は、虐待を受けたと思われる児童を発見した場合に行うものですが、事例には、長男への虐待をうかがわせる具体的な事実は示されていません。「恐れがある」という予測だけで通告するのではなく、まず支援体制を整えて予防的に関わります。
5 「育児に専念して」という勧めは、介護や仕事を含めた生活全体の問題を整理しておらず、現実的でない助言です。CさんのQOLとニーズの両面に目を向ける必要があります。
【関連する論点】ヤングケアラー、ダブルケア、8050問題などの複合的課題と、それぞれを担う窓口(子ども家庭、高齢者、障害者、生活困窮)の連携の仕組みを、相談支援の事例とともに整理しておくと理解が深まります。
また、相談を受けた「福祉なんでも相談窓口」は、分野を問わず、まず相談を受けとめる、総合相談の入り口にあたります。ここから、必要な機関につなぎ、継続して見守る流れが重要です。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第37回社会福祉士国家試験(令和6年度)」の問題121です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

