問題
次の記述のうち,2016 年(平成28 年)の社会福祉法改正により,新たに社会福祉法人が努めなければならないとされたこととして,正しいものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回社会福祉士国家試験(令和6年度)」問題125
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 2
2016年(平成28年)の社会福祉法改正では、社会福祉法人に「地域における公益的な取組」を行う責務が新しく定められました。生活に困っている人などに、無料または低い料金で福祉サービスを積極的に提供するよう努める、というものです(社会福祉法第24条第2項)。
社会福祉法人は税制上の優遇を受けているので、その分、地域社会に貢献することが求められるようになりました。ほかの選択肢は、この改正で新たに設けられた努力義務ではありません。
正解は 2
2016年改正は、社会福祉法人制度改革として、経営組織のガバナンス強化、事業運営の透明性の向上、財務規律の強化、地域における公益的な取組の責務化などを行いました。
- 1:誤り。利用者の利益を保護する仕組み(苦情解決、運営適正化委員会など)は、2000年の社会福祉事業法から社会福祉法への改正で導入されたものです。
- 2:正しい。社会福祉法第24条第2項で、社会福祉事業と公益事業を行うに当たり、日常生活・社会生活上の支援を必要とする者に、無料又は低額な料金で福祉サービスを積極的に提供するよう努めなければならないとされました。
- 3:誤り。2016年改正では役員等の報酬基準の作成・公表が義務づけられましたが、対象は理事・監事・評議員の報酬であり、従業員の給与基準ではありません。また努力義務ではなく義務です。
- 4:誤り。社会福祉法人は第一種・第二種社会福祉事業のいずれを行ってもよく、第一種の実施が努力義務とされたことはありません。
- 5:誤り。福祉サービス第三者評価の受審は、社会福祉法上は質の向上の一般的な努力として位置づけられ、2016年改正で社会福祉法人に新たに課されたものではありません。
正解は 2
2016年改正の背景
社会福祉法人は、法人税の原則非課税などの税制優遇や補助金を受けて社会福祉事業を担ってきました。一方で、多額の内部留保を抱えながら地域への還元が見えにくい、経営の透明性が低い、といった批判が強まりました。これを受けた2016年(平成28年)の社会福祉法改正(社会福祉法人制度改革)は、主に次の柱で構成されます。
1. 経営組織のガバナンス強化:評議員会を必置の議決機関とし、一定規模以上の法人に会計監査人を義務づける
2. 事業運営の透明性の向上:定款、計算書類、役員報酬基準などの公表
3. 財務規律の強化:役員報酬基準の作成、社会福祉充実残額の算定と社会福祉充実計画の策定
4. 地域における公益的な取組の責務化
5. 行政の関与のあり方の見直し
第24条第2項の読み方
現行の社会福祉法第24条第2項は「社会福祉法人は、社会福祉事業及び第二十六条第一項に規定する公益事業を行うに当たつては、日常生活又は社会生活上の支援を必要とする者に対して、無料又は低額な料金で、福祉サービスを積極的に提供するよう努めなければならない」と定めています。「努めなければならない」なので努力義務ですが、すべての社会福祉法人に課される点が重要です。具体例として、生活困窮者への食料支援、子ども食堂、地域の高齢者の見守りなどが挙げられます。
誤りの肢の論点
- 選択肢1の利用者保護の仕組みは、2000年改正で「措置から契約へ」の転換にあわせて導入された福祉サービス利用援助事業や苦情解決の仕組みを指し、時期が異なります。
- 選択肢3は、「役員報酬基準」を「従業員の給与基準」にすり替えたひっかけです。2016年改正では理事・監事・評議員の報酬等の支給基準を定め、公表することが義務づけられました。
- 選択肢5の第三者評価は、社会福祉法上は事業者による福祉サービスの質の評価の努力として以前から規定されており、受審は一部の施設種別(児童養護施設など社会的養護関係施設)で別途義務づけられているにとどまります。
関連して出る論点
- 「社会福祉充実残額」が生じた法人は社会福祉充実計画を作成し、所轄庁の承認を受けて社会福祉事業などに再投下します。
- 第24条第1項は、経営基盤の強化、福祉サービスの質の向上、事業経営の透明性の確保を法人の経営の原則として定めています。
似た用語との違い
「公益的な取組」は社会福祉事業・公益事業を行う中での地域貢献の努力、「公益事業」(第26条)は社会福祉事業に支障がない範囲で行う公益目的の事業という法人の事業区分です。名前が似ていても別の概念です。
- 社会福祉法第24条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第37回社会福祉士国家試験(令和6年度)」の問題125です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

