問題
社会福祉法人の財務に関する次の記述のうち,適切なものを2 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回社会福祉士国家試験(令和6年度)」問題129
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
※この問題は2つ選ぶ形式です。2つとも選ぶと答え合わせになり、正答の全部を選んだときだけ正解として扱います。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 2 と 5
社会福祉法人の会計では、主に3つの計算書類を作ります。お金の出入りを示す「資金収支計算書」、1年間の活動の成果(収益と費用)を示す「事業活動計算書」、年度末の財産の状態を示す「貸借対照表」です。
社会福祉事業のほかに公益事業や収益事業も行う法人は、法人全体だけでなく、事業区分ごとの計算書類も作ります(選択肢2)。貸借対照表は、年度末時点の資産・負債・純資産の状況を示す書類です(選択肢5)。
正解は 2 と 5
社会福祉法人会計基準(厚生労働省令)に基づく計算書類の役割を区別する問題です。
- 1:誤り。流動資産と流動負債のバランスから財務の健全性(支払能力)を見るのは貸借対照表です。事業活動計算書は、1年間の収益と費用から増減差額(経営成績)を示す書類です。
- 2:正しい。社会福祉事業・公益事業・収益事業を行う法人は、法人全体に加え、事業区分ごとの計算書類(内訳表)を作成します。社会福祉法第26条第2項も、公益事業・収益事業の会計を社会福祉事業の会計から区分して経理するよう求めています。
- 3:誤り。資産の価値を毎年一定のルールで減らし費用として計上するのは減価償却の説明です。資金収支計算書は、支払資金の収入と支出を明らかにする書類です。
- 4:誤り。介護報酬は、利用者に代わって保険者である市町村から指定介護サービス事業者に支払われます(審査・支払は国民健康保険団体連合会に委託)。国から支払われるのではありません。
- 5:正しい。貸借対照表は、法人全体、事業区分、拠点区分の会計年度末の資産・負債・純資産の状態を示す書類です。
正解は 2 と 5
計算書類の体系
社会福祉法第45条の27第2項は、社会福祉法人に、毎会計年度終了後3か月以内に計算書類(貸借対照表及び収支計算書)と事業報告、その附属明細書の作成を義務づけています。社会福祉法人会計基準では、収支計算書として資金収支計算書と事業活動計算書を作成するので、主な計算書類は次の3つです。
| 書類 | 何を示すか | 企業会計での近いもの |
|---|---|---|
| 資金収支計算書 | 一会計期間の支払資金(現金預金など)の収入・支出 | キャッシュ・フロー計算書 |
| 事業活動計算書 | 一会計期間の収益・費用と純資産の増減 | 損益計算書 |
| 貸借対照表 | 会計年度末の資産・負債・純資産の状態 | 貸借対照表 |
これらは法人全体・事業区分・拠点区分の各段階で作成され、事業区分は社会福祉事業・公益事業・収益事業、拠点区分は施設や事業所などの単位です。複数の事業を行う法人では、事業ごとの財務状況が見えるように区分して表示します。
誤りの肢の論点
- 選択肢1:流動比率(流動資産÷流動負債)は短期の支払能力を見る指標で、貸借対照表から読み取ります。事業活動計算書からは、サービス活動増減差額など「1年間でどれだけ黒字・赤字になったか」がわかります。
- 選択肢3:減価償却は、建物や設備の取得費用を耐用年数にわたって費用配分する手続です。減価償却費は事業活動計算書には費用として計上されますが、現金の支出を伴わないため資金収支計算書には計上されません。この違いはよく問われます。
- 選択肢4:介護保険では、利用者が自己負担分を事業者に支払い、残りの介護給付費は保険者である市町村が事業者に支払います(法定代理受領)。審査・支払事務は国民健康保険団体連合会に委託されています。財源には国の負担金も含まれますが、事業者に支払う主体は国ではありません。
関連して出る論点
- 計算書類は監事の監査を受け(会計監査人設置法人は会計監査人の監査も)、理事会の承認を経て評議員会に提出されます(第45条の28ほか)。
- 計算書類は作成から10年間保存しなければなりません(第45条の27第4項)。
- 純資産は、基本金、国庫補助金等特別積立金、その他の積立金、次期繰越活動増減差額で構成されます。
似た用語との違い
「支払資金」は流動資産と流動負債の差額を基本とする資金収支計算書の対象、「純資産」は貸借対照表上の資産から負債を引いた額です。資金の増減と純資産の増減は一致しないことを、減価償却の例で理解しておきましょう。
- 社会福祉法第26条・第45条の27e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第37回社会福祉士国家試験(令和6年度)」の問題129です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

