問題
職場における人間関係や意思決定に関する課題が生じたときに,その原因を理解したうえで,対応策を考えることが重要である。次の記述のような課題が職場で生じたときに,社会的抑制による事例として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回社会福祉士国家試験(令和6年度)」問題8
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
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- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 5「個室で一人で作業に取り組んだときよりも,大勢が一緒にいる部屋で取り組んだときの方が,他人の目が気になって効率が悪くなってしまった。」です。
社会的抑制とは、他人がそばにいることで、かえって作業の成績が下がってしまう現象です。人に見られていると緊張し、いつもの力が出せなくなる場面を思い浮かべてください。
反対に、他人がいることで成績が上がる現象は「社会的促進」といいます。
つまずきやすい点:「社会的」と付くと、集団で影響を受ける現象を全部ひとまとめにしがちです。ここでは、他人がそばにいることで「成績が下がる」のが社会的抑制、「上がる」のが社会的促進で、方向で区別します。
正解は 5「個室で一人で作業に取り組んだときよりも,大勢が一緒にいる部屋で取り組んだときの方が,他人の目が気になって効率が悪くなってしまった。」です。
社会的抑制は、他者の存在によって課題の遂行が低下することです。他者の存在で遂行が高まる社会的促進と対になります。
各選択肢が当てはまらない理由は次のとおりです。
1「上司があまり成長を期待していなかった職員よりも,期待をしていた職員の方が次第に業績が向上するようになった。」は、期待が成果を高めるピグマリオン効果(教師期待効果)です。
2「会議中,本当は反対したかったが,他の多くの参加者が賛成したので賛成してしまった。」は、集団の圧力に合わせる同調です。
3「一人で考えていた内容よりも,全員が参加した会議で決めた内容の方が極端な結論になった。」は、集団で決めると個人の意見より極端になる集団極化(集団極性化)です。
4「上司が仕事上の指導をするときに非常に近い距離まで接近してくるため,強い不快感が生じた。」は、他人に入られると不快になる空間の領域、パーソナルスペースの侵害です。
補足:一般に、慣れた簡単な課題では促進、不慣れで難しい課題では抑制が起こりやすいとされます。
正解は 5「個室で一人で作業に取り組んだときよりも,大勢が一緒にいる部屋で取り組んだときの方が,他人の目が気になって効率が悪くなってしまった。」です。
【社会的促進と社会的抑制】他者の存在が個人の課題遂行に及ぼす影響を扱う概念です。ザイアンスは、他者の存在が生理的な覚醒(興奮)を高め、その結果、単純な課題や慣れた課題ではよく使われる優勢な反応が出やすくなって成績が上がる(社会的促進)一方、複雑な課題や不慣れな課題では誤った反応も起こりやすくなり成績が下がる(社会的抑制)と説明しました。また、他者から評価されることへの不安(評価懸念)も影響すると考えられています。事例は、人目が気になって効率が落ちるので、社会的抑制です。
【各肢の掘り下げ】
1 ピグマリオン効果:ローゼンタールらの研究で知られ、周囲の期待が実際の成果を高める現象です。逆に期待されないと成果が下がる現象はゴーレム効果と呼ばれます。
2 同調:アッシュの線分の長さの比較の実験が有名です。多数派の意見に影響されて、本心と異なる判断や行動をとることをいいます。
3 集団極化(集団極性化):集団で討議すると、個人の判断よりも、リスクの高い方向(リスキーシフト)や慎重な方向(コーシャスシフト)へ極端な結論になる現象です。
4 パーソナルスペース:他者に侵入されると不快になる、個人の周りの空間です。親しさや文化によって距離が異なる点も押さえておきます。
【関連して出る論点】集団の中で個人の努力が減る現象は社会的手抜き(リンゲルマン効果)、他者がいるほど援助行動が起こりにくくなる現象は傍観者効果(責任の分散)です。いずれも「他者の存在が個人の行動に影響する」という共通の枠で整理できます。職場の課題を考えるときは、この枠をもとに原因を見立てて対応を考えます。
【関連して出る】他者の存在が個人に影響する現象として、社会的手抜き(集団作業で一人ひとりの努力が減る)、傍観者効果(人が多いほど援助が起こりにくい)、同調(多数派に合わせる)、集団極化などが並べて出題されます。「他者がいて個人の成績が変わる」のは促進・抑制、「集団の中で意見や行動が変わる」のは同調・集団極化、と、何が変化するかで分けます。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第37回社会福祉士国家試験(令和6年度)」の問題8です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
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