問題
差別や偏見に関する次の記述のうち,適切なものを2 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回社会福祉士国家試験(令和6年度)」問題17
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
※この問題は2つ選ぶ形式です。2つとも選ぶと答え合わせになり、正答の全部を選んだときだけ正解として扱います。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 1 と 2 です。
1:ゴッフマンは、他の人から偏見や否定的な見方を呼び起こす「しるし」をスティグマ(烙印)と呼びました。
2:オルポートは、民族的偏見を「誤った、柔軟性のない一般化にもとづいた反感」と定義しました。
覚え方:ゴッフマン=スティグマ、オルポート=偏見の定義。
3〜5は、人名と概念の組み合わせが入れ替わっています。
つまずきやすい点:社会学・社会心理学の人名と概念は、入れ替えで出されます。「ゴッフマン=スティグマ」「オルポート=偏見」「リップマン=ステレオタイプ」「ミルズ=パワーエリート」「レマート=逸脱」と、1対1で覚えましょう。
正解は 1 と 2 です。
1「ゴッフマンは,…スティグマと呼んだ。」は正しい。ゴッフマンは、他者から否定的に評価される属性や「しるし」をスティグマとしました。
2「オルポートは,民族的偏見を「誤った,柔軟性のない一般化に基づいた反感」と定義づけた。」も正しい。
誤りの選択肢は次のとおりです。
3「リップマンは,…ダブル・コンティンジェンシーと呼んだ。」は誤り。リップマンは、人々が頭の中のイメージで世界を単純化して理解することをステレオタイプとして論じました。ダブル・コンティンジェンシーは、パーソンズやルーマンの社会システム論の概念です。
4「コールマンは,…パワーエリート論を展開した。」は誤り。パワーエリート論はミルズです。コールマンは、社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)などで知られます。
5「ミルズは,一次的逸脱と二次的逸脱という概念を用いて…」は誤り。一次的逸脱・二次的逸脱はレマートの概念で、ラベリング論につながります。
補足:ダブル・コンティンジェンシーはパーソンズやルーマン、社会関係資本はコールマンやパットナムなど、別の分野の用語として出てきます。
正解は 1 と 2 です。
【正しい肢】
1 ゴッフマンはスティグマ論で、他者との相互作用の中で人を「信頼を失わせる」ほど否定的に評価させる属性を、スティグマとして論じました。身体的な特徴に限らず、性格や集団への所属も含まれます。また、すでに知られている「信用を失った者」と、まだ知られていないが露見すると信用を失う「信用を失わせる事情のある者」を区別しました。
2 オルポートは偏見の研究で、偏見を、誤った柔軟性のない一般化にもとづく反感とし、特定の集団全体を、個々人の違いを見ずに否定的にとらえる点を重視しました。
【誤りの肢の掘り下げ】
3 リップマンは世論とステレオタイプの議論で、人々は複雑な現実を直接ではなく、頭の中に描いた「疑似環境」を通じて理解するとし、単純化された固定的なイメージをステレオタイプとして論じました。ダブル・コンティンジェンシーは、相手の行為が自分の行為に依存し、自分の行為も相手の行為に依存する、という二重の不確定性を指し、パーソンズやルーマンが社会秩序の成立を説明するために用いた概念です。
4 パワーエリート論は、ミルズが、政治・経済・軍事の頂点にいる少数のエリートが、社会の重要な意思決定を握っているとした理論です。コールマンは、合理的選択理論を背景に社会関係資本を論じた社会学者です。
5 一次的逸脱は、一時的・偶発的で、周囲から大きく問題視されない逸脱、二次的逸脱は、周囲からの否定的な反応(レッテル)を受けて、自分を逸脱者として受け入れ、逸脱が固定化される過程をいいます。レマートが提唱し、ベッカーのラベリング論(逸脱はルール違反そのものではなく、他者がそう呼ぶことで成立する)につながります。
【関連して出る論点】スティグマ、ステレオタイプ、偏見、差別は区別して整理します。ステレオタイプは認知(固定的なイメージ)、偏見は感情・態度(否定的な評価)、差別は行動(不利益な扱い)の面に着目した用語です。また、社会福祉の場面では、スティグマが援助の利用を妨げること(スティグマによる受診・相談の遅れ)にも注意が必要です。
偏見・差別・スティグマは、似ているので、提唱者と、それぞれがどの側面(認知・感情・行動)を指すかを分けて整理しておくことが大切です。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第37回社会福祉士国家試験(令和6年度)」の問題17です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

