社会福祉士

社会福祉士 第37回 問題22社会福祉の原理と政策

問題

社会福祉士 | 第37回(令和6年度) | 令和7年2月2日(日)実施・社会福祉の原理と政策

「持続可能な開発目標」(SDGs)がターゲットとしている「極度の貧困」の参照基準として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回社会福祉士国家試験(令和6年度)」問題22

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 4
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 4 です。

SDGsの目標1「貧困をなくそう」のターゲット1.1は、2030年までに、あらゆる場所で「極度の貧困」をなくすことを掲げています。その極度の貧困は、世界銀行が定める「国際貧困線」を基準に、1日あたりの生活費が一定額に満たない状態として示されています。

ラウントリーの第1次貧困やタウンゼントの相対的剥奪は歴史的な貧困調査の概念、OECDの相対的貧困率は国内の所得格差をみる指標、UNDPの人間開発指数は国の豊かさを総合的にみる指標です。

👉 覚え方:世界の「極度の貧困」は、世界銀行の国際貧困線で測る。

正解は 4 です。

SDGsのターゲット1.1は、2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる、という内容です。この1日1.25ドルは、採択当時の世界銀行の国際貧困線にあたります。

  • 1 誤り:ラウントリーはヨークの貧困調査で、総収入が肉体的能率を維持するための最低限にも足りない状態を「第1次貧困」としました。一国の地域調査の概念で、SDGsの基準ではありません。
  • 2 誤り:OECDの相対的貧困率は、等価可処分所得の中央値の半分(貧困線)に満たない人の割合です。国内の格差をみる相対的な指標で、極度の貧困の基準ではありません。
  • 3 誤り:人間開発指数は、健康・教育・所得の3つの側面から国の人間開発の水準を測る総合指数です。
  • 4 正しい:世界銀行の国際貧困線が基準です。
  • 5 誤り:タウンゼントの相対的剥奪は、その社会で通常とされる生活様式や活動から排除されている状態をとらえる概念です。

国際貧困線は、物価の国際比較のデータが更新されるたびに世界銀行が改定しています。

正解は 4 です。

■ 位置づけ

SDGs(持続可能な開発目標)は、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に掲げられた17の目標と169のターゲットです。目標1「あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる」のターゲット1.1は、2030年までに、1日1.25ドル未満で生活する人々と定義される極度の貧困をあらゆる場所で終わらせるとしています。

この金額は、世界銀行が各国の貧困線をもとに購買力平価で換算して設定する「国際貧困線」です。世界銀行は、物価の国際比較のデータが更新されるたびに国際貧困線を改定しており、その後の改定で金額は引き上げられています。続くターゲット1.2は、各国の定義による貧困状態にある人の割合を半減させることを掲げ、国ごとの相対的な貧困も視野に入れています。

■ 誤りの選択肢の掘り下げ

  • 1 ラウントリー:英国ヨーク市で貧困調査を行い、総収入が肉体的能率の維持に必要な最低限に満たない「第1次貧困」と、最低限は満たすが他の支出のために維持できない「第2次貧困」を区別しました。また、ライフサイクルの中で貧困に陥りやすい時期があることも示しました。
  • 2 相対的貧困率:等価可処分所得の中央値の半分を貧困線とし、それを下回る人の割合です。日本の国民生活基礎調査でも用いられ、子どもの貧困率もこの方法で算出されます。
  • 3 人間開発指数(HDI):アマルティア・センの潜在能力(ケイパビリティ)アプローチの影響を受け、平均余命・教育・1人当たり所得から算出されます。
  • 5 相対的剥奪:タウンゼントは、その社会で慣習とされる食事や社会活動などに参加できない状態を剥奪指標で測り、貧困を相対的にとらえました。

■ 関連して出る論点

  • 絶対的貧困と相対的貧困:国際貧困線やラウントリーの第1次貧困は生存に必要な最低限を基準とする絶対的貧困の考え方、OECDの相対的貧困率やタウンゼントの相対的剥奪は社会の標準との比較による相対的貧困の考え方です。
  • ブースはロンドンの貧困調査で貧困線を用い、ラウントリーとともに貧困の社会調査の先駆者とされます。
  • SDGsの理念は「誰一人取り残さない」で、日本の地域共生社会や健康日本21(第三次)にもこの表現が取り入れられています。

■ 似た用語との違い

国際比較で世界の極貧層を数えるのが国際貧困線、先進国内の格差を比べるのが相対的貧困率、国の発展度を総合的に測るのが人間開発指数です。どの機関がどの指標を使うかの組合せで整理します。

この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回社会福祉士国家試験(令和6年度)」問題22。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第37回社会福祉士国家試験(令和6年度)」の問題22です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。