問題
次の記述のうち,ニィリエ(Nirje, B.)が示したノーマライゼーションの考え方に基づく支援として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回社会福祉士国家試験(令和6年度)」問題21
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 4 です。
ニィリエは、ノーマライゼーションの考え方を「8つの原理」として整理した人物です。その中心は、知的障害のある人の生活を、社会の普通の生活条件にできるだけ近づけることです。選択肢4はこの考え方そのものです。
1日・1週間・1年のリズム、ライフサイクルに応じた経験、自己決定の尊重、男女がともに暮らす生活、普通の経済水準や住環境などが8つの原理に含まれます。そのため、大人と子どもを同じ施設で暮らさせる、大規模施設でケアする、同性だけで暮らさせる、支援者の決定を優先する、という選択肢は原理に反します。
👉 覚え方:ニィリエ=8つの原理で「普通の生活条件に近づける」。
正解は 4 です。
ノーマライゼーションは、デンマークのバンク-ミケルセンが提唱し、スウェーデンのニィリエが「8つの原理」として具体化しました。知的障害のある人に、社会の主流にある人々の生活条件や生活様式にできるだけ近いものを提供することを目指します。
- 1 誤り:ライフサイクルに応じた発達的経験の原理からみると、成人と子どもは異なる生活の場で、それぞれの年齢にふさわしい生活を送ることが求められます。
- 2 誤り:大規模な入所型施設は普通の生活から離れた環境で、普通の住環境の原理に反します。小規模で地域に近い暮らしが目指されます。
- 3 誤り:男女がともに暮らす社会で生活することも8つの原理の一つで、同性だけの生活は原理に反します。
- 4 正しい:ノーマルな生活状態に近づけることがニィリエの考え方の中心です。
- 5 誤り:本人の選択や希望、願いを尊重することも8つの原理に含まれます。支援者の決定を優先するのは逆です。
8つの原理:1日のノーマルなリズム/1週間のノーマルなリズム/1年のノーマルなリズム/ライフサイクルでのノーマルな経験/ノーマルな要求の尊重(自己決定)/男女両性の世界での生活/ノーマルな経済水準/ノーマルな環境水準。
正解は 4 です。
■ 理論の位置づけ
ノーマライゼーションは、第二次世界大戦後のデンマークで、大規模施設に隔離されていた知的障害者の処遇を改めようとする親の会の運動を背景に、バンク-ミケルセンが提唱した理念です。デンマークの法律に「知的障害者の生活をできるだけノーマルな生活状態に近づける」という考え方が盛り込まれました。
スウェーデンのニィリエは、これを「知的障害者の日常生活の様式や条件を、社会の主流にある人々の標準や様式に可能な限り近づけること」と定義し、具体的な8つの原理に整理しました。原理が具体的なため、施設の運営や支援計画を点検する基準としても使われています。
■ 8つの原理と選択肢の対応
- 1日のノーマルなリズム、1週間のノーマルなリズム、1年のノーマルなリズム:起床・食事・就寝、仕事と余暇、季節の行事や休暇など。
- ライフサイクルでのノーマルな発達的経験:子ども時代、青年期、成人期、高齢期にふさわしい経験。選択肢1のように成人と子どもを同じ施設で一律に扱うことは、この原理に反します。
- ノーマルな要求の尊重:本人の選択・希望・願いを尊重すること。選択肢5は正反対です。
- 男女両性の世界での生活:選択肢3の「同性だけで生活」は否定されます。
- ノーマルな経済水準:年金や賃金など、普通の経済的条件。
- ノーマルな環境水準:病院や大規模施設ではなく、普通の住まいの規模や立地。選択肢2の大規模な入所型施設はこの原理に反します。
■ 関連して出る論点
- ヴォルフェンスベルガーは、北米でノーマライゼーションを発展させ、社会的に価値を下げられた人々に社会的に価値のある役割を獲得させる「ソーシャルロール・バロリゼーション(社会的役割の価値付与)」を提唱しました。
- 日本では、国際障害者年のテーマ「完全参加と平等」とともにノーマライゼーションの理念が広がり、障害者基本法や障害者総合支援法の基本理念にも反映されています。
- 要保護児童の分野でも、施設の小規模化と家庭養育優先の原則が進められています。
■ 似た理念との違い
「インテグレーション(統合)」は分離されていた人を社会に組み入れること、「インクルージョン(包摂)」は最初から多様な人を含む社会をつくること、「ノーマライゼーション」は生活条件をノーマルにすることに焦点があります。提唱者(バンク-ミケルセン、ニィリエ、ヴォルフェンスベルガー)との組合せがよく問われます。
- 障害者基本法e-Govで原文を読む
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第37回社会福祉士国家試験(令和6年度)」の問題21です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

