問題
事例を読んで,A市で重層的支援体制整備事業を所管するB職員(社会福祉士)の対応として,適切なものを2 つ選びなさい。 〔事 例〕 就労経験のない若者やその家族から「働きたいと思っても,長年ひきこもっていることもあり,心身の状態に合わせて働ける場所がない」との意見が集まっていた。 Bは,本人達の状態に合わせた多様な就労の機会を確保することを目指して,今後の参加支援事業の実施方法について関係者と検討することとした。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回社会福祉士国家試験(令和6年度)」問題51
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
※この問題は2つ選ぶ形式です。2つとも選ぶと答え合わせになり、正答の全部を選んだときだけ正解として扱います。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 3 と 4 です。
重層的支援体制整備事業の「参加支援事業」は、既存の制度だけでは社会とつながりにくい人に、その人に合った社会参加の場を用意する事業です。
3:本人や家族のニーズから出発し、関係者で取組を話し合う会議を開くのは、参加支援の基本に沿っています。
4:企業や商店街に働きかけ、短時間就労や就労体験などのメニューを新しく作るのは、「本人に合わせて場をつくる」参加支援そのものです。
1は一般就労だけを目標にしており、2は他の事業と切り離す点、5は専門機関に任せきりにする点が、一体的に支える重層的支援の考え方に反します。
正解は 3 と 4 です。
【正解の根拠】
重層的支援体制整備事業(社会福祉法第106条の4)は、①相談支援、②参加支援、③地域づくりに向けた支援を一体的に行う市町村の事業です。参加支援は、既存の就労支援や居場所につながりにくい人について、本人のニーズと地域資源をマッチングし、必要なら新たな社会参加の場をつくる取組です。
3:本人・家族の支援ニーズを出発点に、社会参加の取組を関係者で検討する会議を開くのは適切です。
4:企業や商店街に働きかけて、短時間就労・就労体験など本人の状態に合う場を創出するのは、参加支援の中核です。
【誤りの選択肢】
1:一般就労だけを目標にすると、長年ひきこもっていた人の「心身の状態に合わせた多様な働き方」というニーズに応えられません。
2:重層的支援は3つの支援を「一体的に」行うことが要点で、切り離すのは逆です。
5:ひきこもり地域支援センターは連携先ですが、すべてを委ねるのではなく、市町村が地域資源と結びつけて参加の場をつくることが求められます。
正解は 3 と 4 です。
【制度の位置づけ】
重層的支援体制整備事業は、2020年の社会福祉法改正で創設され、2021年4月から始まった任意事業です(社会福祉法第106条の4)。介護・障害・子ども・生活困窮の各分野の相談・地域づくりの財源を一体的に使えるようにし、①属性を問わない相談支援、②参加支援、③地域づくりに向けた支援の3つを柱に、これを支える④アウトリーチ等を通じた継続的支援、⑤多機関協働、⑥支援プラン作成を組み合わせます。
参加支援事業の特徴は「既存制度の隙間を埋める」点です。就労移行支援や生活困窮者の就労準備支援事業など既存の制度の対象とならない、または使いにくい人に対し、本人のニーズを丁寧に把握し、地域の社会資源とのマッチング、メニューの創出、受入先への支援、定着後のフォローまで行います。
【正答肢の意味】
3は「本人中心・ニーズ起点」と「多機関・多様な主体による検討」を示します。4は、商店街や中小企業の仕事を切り出して短時間・体験的な場をつくる、まさに資源開発です。この資源開発は地域づくり事業とも重なり、参加支援と地域づくりが互いに循環することが想定されています。
【誤りの肢の掘り下げ】
1:一般就労は選択肢の一つにすぎません。事例の「心身の状態に合わせて働ける場所がない」という声は、一般就労以前の段階的な場を求めるもので、求職票の探し方の講座は的外れです。
2:「独自性の明確化のために切り離す」は、縦割りを解消する本事業の趣旨と正反対です。参加支援で見えた課題を地域づくりに返し、地域づくりで生まれた場を参加支援で活用するという往復が重要です。
5:ひきこもり地域支援センターは都道府県・指定都市等に置かれる専門相談機関で、重要な連携先です。しかし丸投げは、市町村が包括的に受け止めるという事業の考え方に反します。
【関連論点】
社会福祉法第106条の3(包括的な支援体制の整備の努力義務)と第106条の4(重層的支援体制整備事業)の関係、生活困窮者自立支援法の就労準備支援事業・認定就労訓練事業(いわゆる中間的就労)との違いもあわせて押さえておきましょう。
- 社会福祉法第106条の4・第106条の3e-Govで原文を読む
- 生活困窮者自立支援法e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第37回社会福祉士国家試験(令和6年度)」の問題51です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

