社会福祉士

社会福祉士 第37回 問題60刑事司法と福祉

問題

社会福祉士 | 第37回(令和6年度) | 令和7年2月2日(日)実施・刑事司法と福祉

事例を読んで,刑の全部執行猶予中の保護観察に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。 〔事 例〕 Aさん(30 歳)は,覚醒剤の自己使用により検挙され,懲役1 年執行猶予3 年保護観察付の判決が確定し,保護観察中である。Aさんには「薬物再乱用防止プログラムを受けること」という特別遵守事項が設定されている。また,Aさんには担当保護司が指名されている。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回社会福祉士国家試験(令和6年度)」問題60

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 2
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 2 です。

Aさんには「薬物再乱用防止プログラムを受けること」という特別遵守事項が付いています。このプログラムは、薬物をやめるための教育と、簡易薬物検出検査(尿検査など)をセットで行うものです。そのため、Aさんは簡易薬物検出検査を受けなければなりません。

1は一般遵守事項の違反でも情状が重ければ執行猶予が取り消され得ます。3の期間延長は執行猶予者の不良措置にありません。4の保護司は指導監督も補導援護も行えます。5の取消しを決めるのは裁判所です。

正解は 2 です。

【正解の根拠】

更生保護法第51条第2項第4号は、特別遵守事項として「特定の犯罪的傾向を改善するための体系化された手順による処遇として法務大臣が定めるもの」を受けることを定められるとしています。薬物再乱用防止プログラムはこの専門的処遇で、ワークブックなどによる教育課程と簡易薬物検出検査で構成されます。

【誤りの選択肢】

1:刑法第26条の2第2号は、保護観察に付された者が「遵守すべき事項を遵守せず、その情状が重いとき」は執行猶予を取り消すことができると定めます。一般遵守事項も含まれます。

3:保護観察付執行猶予者の保護観察期間は猶予期間と一致し、期間延長という不良措置はありません。

4:更生保護法第61条第1項により、指導監督と補導援護は保護観察官又は保護司が行います。保護司も指導監督を行えます。

5:執行猶予の取消しは裁判所が決定します。保護観察所長は、取り消すべきと認めるときに検察官へ申出をします(第79条)。

正解は 2 です。

【制度の位置づけ】

刑の全部の執行猶予に保護観察を付けるのは、裁量的な場合(初度の執行猶予)と必要的な場合(再度の執行猶予)があります(刑法第25条の2第1項)。保護観察中は、すべての対象者に共通の一般遵守事項(更生保護法第50条:健全な生活態度の保持、保護観察官・保護司の面接・指導監督を誠実に受けること、住居の届出・居住、転居や7日以上の旅行の許可など)と、個別に定められる特別遵守事項(第51条)を守る義務があります。

【正解肢の掘り下げ】

薬物事犯者への処遇として、第51条第2項第4号の専門的処遇プログラムのうち、規制薬物等の使用を反復する傾向を改善するのが薬物再乱用防止プログラムです。教育課程とあわせて簡易薬物検出検査を受けることが内容に含まれ、特別遵守事項として設定されれば受ける義務があります。さらに第65条の2・第65条の3は、薬物依存のある保護観察対象者について、医療機関や精神保健福祉センターなどとの緊密な連携、依存の改善に資する医療や専門的援助を受けるよう指示することを定めています。

【誤りの肢の掘り下げ】

1:刑法第26条の2第2号の裁量的取消しは「遵守すべき事項」とされ、一般・特別を区別していません。

3:不良措置は対象者の種類で異なります。保護観察付執行猶予者の場合は、検察官への執行猶予取消しの申出(更生保護法第79条)などが中心です。少年や仮釈放者とは措置の種類が違う点が頻出です。

4:保護司は保護観察官で十分でないところを補い(第32条)、第61条により保護観察官と協働して指導監督・補導援護の双方を行います。いわゆる協働態勢です。

5:取消しは、保護観察所長の申出→検察官の請求→裁判所の決定という流れです。

【出題当時と現在】

出題時点の判決は「懲役1年」でしたが、2025年6月1日施行の刑法改正で懲役と禁錮は「拘禁刑」に一本化されました。現行の刑法第26条などの条文は「拘禁刑」と表記しています。保護観察制度の基本構造は変わっていません。

【関連論点】

刑の一部執行猶予(薬物使用等の罪を犯した者に対する特例を含む)では保護観察が必要的とされる場合がある点も、あわせて押さえましょう。

この問題の根拠
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第37回社会福祉士国家試験(令和6年度)」の問題60です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

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