社会福祉士

社会福祉士 第37回 問題69ソーシャルワークの基盤と専門職

問題

社会福祉士 | 第37回(令和6年度) | 令和7年2月2日(日)実施・ソーシャルワークの基盤と専門職

ドルゴフ(Dolgoff, R.)らによって提示された倫理原則に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。 (注) 「ドルゴフ(Dolgoff, R.)ら」とは,2009 年にEthical Decisions for Social Work Practice(8th ed.)を著したドルゴフ,ローウェンバーグ(Loewenberg, F.M.)とハリントン(Harrington, D.)のことである。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回社会福祉士国家試験(令和6年度)」問題69

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 1
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 1 です。

ドルゴフらは、倫理的ジレンマを解決するために、優先順位の高い順に7つの倫理原則(倫理原則のスクリーン)を示しました。そのうち「平等と不平等の原則」は、同じ状況にある人は等しく扱われ、異なる状況にある人は(その違いが問題に関係する場合)異なる扱いを受ける権利がある、というものです。肢1はこの前半を述べています。

2・3・4・5は、それぞれの原則の内容がずれていたり、別の原則の内容を述べていたりするため誤りです。

正解は 1 です。

【正解の根拠】

ドルゴフらの倫理原則のスクリーンは、①生命保護、②平等と不平等、③自律と自由、④最小限の害、⑤生活の質、⑥プライバシーと守秘義務、⑦誠実と情報の開示、の順に優先度が高いとされます。②平等と不平等の原則は、同じ環境・状況にある人には同じように対応し、状況が異なる人には異なる扱いが正当化され得る、という内容です。

【誤りの選択肢】

2:プライバシーと守秘義務の原則は、ソーシャルワーカーが全ての人のプライバシーと守秘義務を強化する選択をすべき、というものです。「全ての人が自ら強化しなければならない」は主語と内容が異なります。

3:「全ての人々の生活の質を高める選択肢」は、⑤生活の質の原則の内容です。自律と自由の原則は、人の自律性・独立性・自由を育む選択をすべきというものです。

4:「あらゆる人の生活や生命を守る」は、①生命保護の原則の内容です。最小限の害の原則は、最も害が少ない、あるいは最も元に戻しやすい選択をすべきというものです。

5:誠実と情報の開示の原則は、クライエントに関連する情報を伝えるものです。「関連の有無に関係なく全ての情報」ではありません。

正解は 1 です。

【理論の位置づけ】

ドルゴフ、ローウェンバーグ、ハリントンは、ソーシャルワーカーが倫理的ジレンマ(複数の価値や義務がぶつかる状況)に直面したときに、どの原則を優先すべきかを判断する手がかりとして「倫理原則のスクリーン(Ethical Principles Screen)」を示しました。上位の原則ほど優先されます。

①生命保護の原則:あらゆる人の生命を守ることが最優先。

②平等と不平等の原則:同じ状況の人は等しく扱われる権利があり、状況が異なれば、その不平等が問題に関係する場合に異なる扱いを受ける権利がある。

③自律と自由の原則:人の自律性・独立性・自由を育む実践上の選択をする。ただし自分や他人の生命を脅かす自由までは認められない。

④最小限の害の原則:害が避けられない場合は、最も害が少ない、または最も永続しない(元に戻しやすい)選択をする。

⑤生活の質の原則:個人と地域のすべての人々の生活の質を高める選択をする。

⑥プライバシーと守秘義務の原則:全ての人のプライバシーと守秘義務を強化する選択をする。ただし重大な害を防ぐためなど、上位原則のために開示が必要な場合がある。

⑦誠実と情報の開示の原則:クライエントや他の人々に対し誠実であり、関連する全ての情報を開示できる選択をする。

【誤りの肢の掘り下げ】

本問の誤りの肢は、原則の「名前」と別の原則の「中身」を組み合わせるパターンです。3は自律と自由の原則に⑤生活の質の内容、4は最小限の害の原則に①生命保護の内容を当てています。2は主語が「ソーシャルワーカーの選択」ではなく「全ての人の義務」にすり替わっています。5は「関連する」情報という限定を外しています。

【具体例で考える】

たとえば、クライエントが自殺の意図を打ち明け、他言しないよう求めた場合、⑥守秘義務より①生命保護が優先され、必要な範囲で関係者に伝えることが正当化されます。また、本人の自己決定(③)と、本人の生命の危険(①)がぶつかる場面でも、生命保護が優先されます。

【関連論点】

倫理的ジレンマの解決モデルとしては、リーマー(Reamer, F.)の倫理的意思決定の手順もあります。日本ソーシャルワーカー連盟の倫理綱領(2020年改定)の倫理基準(クライエントに対する倫理責任、組織・職場、社会、専門職としての倫理責任)と組み合わせて理解しましょう。

この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回社会福祉士国家試験(令和6年度)」問題69。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第37回社会福祉士国家試験(令和6年度)」の問題69です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。