社会福祉士

社会福祉士 第37回 問題67ソーシャルワークの基盤と専門職

問題

社会福祉士 | 第37回(令和6年度) | 令和7年2月2日(日)実施・ソーシャルワークの基盤と専門職

事例を読んで,被保護者との関係に苦慮するA現業員に対する査察指導員B(社会福祉士)のスーパービジョンの助言として,適切なものを2 つ選びなさい。 〔事 例〕 C福祉事務所の査察指導員Bは,生活保護を担当して1 年目のAから,単身世帯のDさん(70 歳)への対応について相談を受けた。Aによると,Dさんは,Dさんの誤解によるトラブルから近隣とのつきあいはほとんどなく,買い物以外は家に閉じこもっている。私(A)が訪問すると毎回のように「あなたも近所の人たちと同じだ。あなたの話もわからない。福祉は困っている人を助けるためにあるはずだ。なのに,なぜ,もっと自分を助けてくれないのか」と言われる。内容を尋ねるも具体的なことはわからず,どのように応答してよいのか困っているとのことであった。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回社会福祉士国家試験(令和6年度)」問題67

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

※この問題は2つ選ぶ形式です。2つとも選ぶと答え合わせになり、正答の全部を選んだときだけ正解として扱います。

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答え合わせ

正解は 1・5
  • 1
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  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 1 と 5 です。

査察指導員のスーパービジョンは、現業員(ケースワーカー)が自分の援助を振り返り、成長できるよう支えるものです。

1:Dさんとのやりとりを一緒に振り返ることで、Aは自分の応答の仕方やDさんの思いに気づけます。教育的な機能に当たります。

5:生活保護担当者としての業務と役割を一緒に確認することで、Aは何をどこまで担うのかを整理できます。管理的な機能に当たります。

2・3・4は、Aの困りごとや気づきを支えるより先に、具体的な対応を指示したり、Dさんの個別性を無視したりしています。

正解は 1 と 5 です。

【正解の根拠】

スーパービジョンには、管理的機能・教育的機能・支持的機能があります。

1:家庭訪問でのやりとりを振り返るよう促すのは、Aが自分の援助の過程を見直し、Dさんの言葉の背景(孤立、誤解されてきた経験、助けを求める気持ち)に気づくための教育的機能です。

5:生活保護担当者としての業務と役割を一緒に確認するのは、Aが職務の範囲と責任を整理し、どう応答すべきかの軸をもつための管理的機能です。どちらもスーパーバイジーであるAを支える助言です。

【誤りの選択肢】

2:Dさんの思いや状況が分からないうちに、近隣サロンの紹介という解決策を伝えさせるのは早すぎます。Dさんは近隣との関係に不満を抱えており、かえって拒否につながりかねません。

3:Dさんは近隣とトラブルがあり孤立しています。近所の人に生活を尋ねることは、関係を悪化させたりプライバシーを損なったりするおそれがあり、Aの困りごとの解決にもなりません。

4:他の事例をそのまま当てはめるのは、一人ひとりの違いを尊重する「個別化」の原則に反します。

正解は 1 と 5 です。

【制度と役割の位置づけ】

福祉事務所には、所長の指揮監督を受けて現業事務の指導監督を行う「査察指導員」と、要保護者の家庭訪問・面接・調査などを行う「現業員」が置かれます(社会福祉法第15条)。査察指導員は、現業員に対するスーパービジョンを担う立場です。

【スーパービジョンの3機能】

・管理的機能:組織の方針や業務の範囲、役割・責任を確認し、業務を適切に遂行できるようにする。

・教育的機能:援助の知識・技術・価値を身につけられるよう、事例の振り返りなどを通じて学びを促す。

・支持的機能:スーパーバイジーの不安や燃え尽きを防ぎ、心理的に支える。

この3つを整理したのはカデューシン(Kadushin, A.)です。

【正答肢の掘り下げ】

Aは1年目で、Dさんの「なぜもっと自分を助けてくれないのか」という訴えへの応答に困っています。Dさんの言葉には、誤解から近隣と対立して孤立している不満や、制度への期待と失望が込められているとみられます。1のように具体的なやりとりを振り返ると、Aは自分がどう聞き、どう答えたのかを確かめ、Dさんの気持ちに焦点を当てる応答(共感的理解)に気づくことができます。5のように業務と役割を確認すると、生活保護の現業員として、最低生活の保障と自立助長のために何ができ、何ができないのかを整理でき、Dさんに説明する根拠も持てます。どちらもA自身の成長と業務遂行を支え、Aへの支持的な関わりにもつながります。

【誤りの肢の掘り下げ】

2:スーパーバイザーが具体的な介入策を先回りして指示すると、Aの考える力が育ちません。またDさんの意向を確かめずに近隣資源をすすめるのは、Dさんの自己決定を尊重していません。

3:第三者に生活状況を尋ねることは、本人の同意があっても近隣トラブルを抱えたDさんには負担が大きく、信頼関係を損なうリスクがあります。今必要なのは、Dさん本人との関係づくりです。

4:バイステックの7原則の一つ「個別化」は、クライエントを類型化せず、一人の個人としてとらえることを求めます。

【関連論点】

スーパービジョンの形態(個人・グループ・ピア・ライブ・セルフ)と、コンサルテーション(他分野の専門家への相談で、管理的機能を持たない)との違いもよく出題されます。

この問題の根拠
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第37回社会福祉士国家試験(令和6年度)」の問題67です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

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