問題
A社員(社会福祉士)は,B社の総務部門に在籍し,企業内での相談支援を担当している。事例を読んで,AによるCさんへの介護休業制度に関する助言として,最も適切なものを1 つ選びなさい。 〔事 例〕 Cさん(52 歳,無期雇用の正社員,入社後1 年4 か月)は母親(84 歳)との二人暮らしである。この母親は,20 日前にインフルエンザにかかり5 日間入院した後,現在も自宅療養中であるが,退院後は歩行もできず,排せつや食事摂取に常時の介助が必要となった。要介護認定はまだ受けていない。Cさんは10 日前から時間単位で年次有給休暇を取得して母親を介護しているが「仕事を辞めるわけにはいかず,母親の今後の介護はどうすべきか」と悩み,直属の上司からAへの相談を勧められた。なお,Cさんは母親以外に介護が必要な家族・親族はいない。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回社会福祉士国家試験(令和6年度)」問題88
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 1 です。
介護休業の対象となる「要介護状態」は、けがや病気などで「2週間以上の期間にわたり常時介護が必要な状態」をいいます。要介護認定を受けているかどうかは関係ありません。Cさんの母親は退院後、歩けず、排せつや食事に常に介助が必要な状態がすでに2週間ほど続いており、対象に当たりうると助言するのが適切です。
ほかの選択肢:2 Cさんは無期雇用で入社1年4か月なので勤務期間は問題になりません/3 介護休業給付は雇用保険の給付です/4 介護休暇は対象家族1人なら年5日です/5 短時間勤務などの措置は事業主の義務で、受けられます。
👉 覚え方:要介護状態=「2週間以上・常時介護」。認定は不要。
なぜこれが正解か
正解は 1。選択肢1「現時点でのCさんの母親の状態は,介護休業制度の対象に該当する可能性があると助言した。」が適切である。育児・介護休業法第2条第3号は「要介護状態」を、負傷・疾病・障害により厚生労働省令で定める期間(同法施行規則第2条で2週間以上)にわたり常時介護を必要とする状態と定める。介護保険の要介護認定とは別の概念で、認定を受けていなくても行政通達の判断基準に当てはまれば対象になる。母親は退院後おおむね2週間、歩行不能で排せつ・食事に常時介助を要しており、該当しうると伝えるのが適切。
各選択肢の解説
- 2 不適切。期間を定めて雇用される労働者の「引き続き雇用1年以上」要件は2022年4月施行の改正で法律上の取得要件から外された(ただし労使協定により引き続き雇用1年未満の者を除外する仕組みは現在も残る)。労使協定で入社1年未満の者を除外できる仕組みはあるが、Cさんは無期雇用で1年4か月勤務しており、そもそも当たらない。
- 3 不適切。介護休業給付金は雇用保険法に基づく雇用継続給付であり、医療保険の給付ではない。
- 4 不適切。介護休暇は対象家族1人につき年5日、2人以上で年10日(同法第16条の5)。Cさんの対象家族は母親1人なので5日。
- 5 不適切。介護休業をしていない労働者について、事業主は所定労働時間の短縮等の措置を講じなければならない(同法第23条第3項)。
覚え方・ひっかけ注意
数字は「介護休業93日・3回まで」「介護休暇年5日(2人以上10日)」をセットで。
根拠条文と制度の位置づけ
育児・介護休業法は、家族の介護を理由とする離職(介護離職)を防ぐ労働法である。介護休業(第11条)は対象家族1人につき通算93日まで3回を上限に分割取得でき、介護休暇(第16条の5)は年5日(2人以上は10日)を1日または時間単位で取得できる。さらに事業主は、介護休業をしていない労働者に対し、連続3年以上の期間で2回以上利用できる所定労働時間の短縮等の措置(短時間勤務・フレックスタイム・時差出勤・介護サービス費用の助成のいずれか)を講じる義務を負う(第23条第3項)。
「要介護状態」の判断
法第2条第3号の「常時介護を必要とする状態」は、介護保険の要介護2以上であるか、または厚生労働省の判断基準(座位保持、歩行、移乗、排せつ、食事、意思の伝達など12項目の状態)で一定以上に該当する場合をいう。要介護認定の結果を待たずに判断できる点が重要で、本事例のように退院直後で申請前の段階でも休業の検討ができる。
誤りの肢の掘り下げ
- 勤続要件:労使協定により「入社1年未満」「93日以内に雇用関係が終了することが明らかな者」「週の所定労働日数2日以下」などを対象外にできるが、これは事業主が協定を結んだ場合の除外であり、法律上の一律の要件ではない。
- 給付:介護休業給付金は雇用保険の被保険者が介護休業をした場合に支給され、休業開始時賃金日額の67%相当が目安。医療保険の傷病手当金(本人の病気による休業)と混同しやすい。
- 介護休暇の単位:2021年1月から時間単位の取得が可能になっている。Cさんが使っている時間単位の年次有給休暇とは別の制度である。
関連論点
2025年4月施行の改正で、介護休暇の取得要件から「勤続6か月未満の者を労使協定で除外できる」仕組みが廃止された。企業内の社会福祉士は、制度の説明とあわせて要介護認定の申請や地域包括支援センターへのつなぎを同時に進めるのが実務の定石である。
- 雇用保険法e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第37回社会福祉士国家試験(令和6年度)」の問題88です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
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