問題
事例を読んで,Aさんの状況を踏まえ,B市子育て支援課がAさん親子の支援のために,この時点で危機介入として速やかに連携すべき機関・施設として,適切なものを2 つ選びなさい。 〔事 例〕 Aさん(32 歳)から,これまでも「夫(35 歳)から繰り返し暴言を浴びせられ,時に暴力を振るわれている。どうしたらよいか悩んでいる。夫から逃れたい」という相談を受けてきた。ある日「もう限界です」という訴えがあった。Aさんは,4 歳の子を帯同しており,子には母親をかばう様子もみられる。Aさんの家庭は夫の収入によって生計を立てているが,その収入はほとんど夫が管理しており,Aさんは手元に所持金が全くない状況である。Aさんは,子とともに生活したいと望んでいる。 B市子育て支援課は緊急受理会議を行った。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回社会福祉士国家試験(令和6年度)」問題93
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
※この問題は2つ選ぶ形式です。2つとも選ぶと答え合わせになり、正答の全部を選んだときだけ正解として扱います。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 3 と 5 です。
Aさんは夫からの暴言・暴力に苦しみ「もう限界」と訴え、所持金もありません。子どもと一緒に夫から逃れたいと望んでいます。いま必要なのは、安全な場所への避難です。女性相談支援センターは都道府県が必ず設置する機関で、子どもと一緒の一時保護ができます。市の女性相談支援員は、相談に応じて女性相談支援センターなどにつなぐ役割をもちます。
ほかの選択肢:1 児童養護施設では母子が一緒に暮らせません/2 母子生活支援施設は生活を立て直す段階の施設で、危機介入の最初の窓口ではありません/4 女性自立支援施設への入所は、女性相談支援センターを通して決まります。
👉 覚え方:DVの緊急避難は「女性相談支援センター(一時保護)」。
なぜこれが正解か
正解は 3 と 5。困難な問題を抱える女性への支援に関する法律(女性支援新法)第9条により都道府県は女性相談支援センターを設置しなければならず、同センターは一時保護を行う(同法第9条、配偶者暴力防止法でも配偶者暴力相談支援センターの機能を担う)。同伴する子どもも一緒に保護できる(5)。また同法第11条により、市町村は女性相談支援員を置くよう努めるとされ、支援員は相談に応じ、必要な援助を行う。危機介入の段階では、市の女性相談支援員を通じて女性相談支援センターと速やかに連携し、一時保護につなげるのが適切(3)。
各選択肢の解説
- 1 不適切。児童養護施設は子どもだけが入所する施設で、「子とともに生活したい」というAさんの意向に反する。
- 2 不適切。母子生活支援施設は福祉事務所への申込みで入所する施設で、避難後の生活再建には有効だが、緊急の一時保護を担う機関ではない。
- 4 不適切。女性自立支援施設への入所は女性相談支援センターの判断を経て行われ、危機介入の最初の連携先ではない。
覚え方・ひっかけ注意
「危機介入=一時保護」と読み替え、一時保護の機能をもつ機関を選ぶ。
根拠条文と制度の位置づけ
女性支援新法は2022年5月に成立し、2024年4月に施行された。それ以前は売春防止法第4章(保護更生)に基づき、婦人相談所・婦人相談員・婦人保護施設が「要保護女子」の保護を担っていたが、新法によりそれぞれ女性相談支援センター(第9条)・女性相談支援員(第11条)・女性自立支援施設(第12条)に再編された。女性相談支援センターは都道府県に必置で、相談、一時保護、心理・医学的判定、自立支援などを行い、配偶者暴力防止法上の配偶者暴力相談支援センターの機能も担うことが多い。
本事例のポイント
Aさんは①継続的な暴力・暴言、②「もう限界」という切迫した訴え、③所持金が全くない経済的支配(経済的DV)、④子どもが母をかばう様子(面前DVによる心理的影響)、という複数の危険信号を示している。面前DVは児童虐待防止法上の心理的虐待にあたり、子どもの保護の観点からも迅速な対応が必要である。所持金がない状況では自力で避難先を確保できないため、公的な一時保護が現実的な選択肢になる。
誤りの肢の掘り下げ
- 母子生活支援施設(児童福祉法第38条):配偶者のない女子またはこれに準ずる事情にある女子とその子を入所させ保護・自立支援を行う施設で、DV被害からの退避後の受け皿として重要。ただし入所は母子保護の実施として福祉事務所が行い、一時保護所から移る流れが一般的。
- 女性自立支援施設:都道府県が設置できる施設(第12条)で、入所中の同伴児童の学習・生活支援も法定された。入所は女性相談支援センターの措置を経る。
- 児童養護施設:母子分離を前提とする選択で、本人の意思(子との生活)にも、子の利益にも合わない。
関連論点
配偶者暴力防止法の保護命令(接近禁止命令・退去等命令)は地方裁判所が発令する。生活保護は、DVを理由に避難した場合、夫の扶養照会を控えるなど配慮した運用がとられる。DV対応では、加害者に所在を知られないよう住民基本台帳の閲覧制限などの支援措置もあわせて押さえておく。
- 困難な問題を抱える女性への支援に関する法律e-Govで原文を読む
- 児童虐待の防止等に関する法律e-Govで原文を読む
- 児童福祉法第38条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第37回社会福祉士国家試験(令和6年度)」の問題93です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

