社会福祉士

社会福祉士 第37回 問題98貧困に対する支援

問題

社会福祉士 | 第37回(令和6年度) | 令和7年2月2日(日)実施・貧困に対する支援

事例を読んで,Aさんに対する福祉事務所の現業員(社会福祉士)の対応に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。 〔事 例〕 ホームレスの男性Aさん(55 歳)は8 年前にギャンブルが原因で多額の借金をつくり,会社を辞めて,その後就労しないままホームレスとして生活していた。婚姻歴はあるが30 歳の時に離婚して子どもは妻が引き取りその後音信はない。最近,体調も悪くなったため生活保護を申請したいと考え福祉事務所に来所した。長年のホームレス生活のため,収入,資産に関する書類は所有していない。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回社会福祉士国家試験(令和6年度)」問題98

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 4
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 4 です。

生活保護は、本人などの申請によって始まります。申請のときに収入や資産の書類がそろっていなくても、申請そのものはできます。収入や資産は、申請を受けた福祉事務所が調べて確認します。だから、書類がなくても申請できると伝え、手続きを説明するのが適切です。

ほかの選択肢:1 住む場所がない人は、いま居る場所(現在地)の福祉事務所が保護します/2 働ける年齢でも、仕事が決まるまで申請を待たせることはできません/3 借金の理由がギャンブルでも申請はできます/5 家族の扶養は保護に「優先」するもので、申請の前に調べ終える必要はありません。

👉 覚え方:申請は「誰でも・書類がなくても・その場で」受け付ける。

なぜこれが正解か

正解は 4。生活保護法第7条は、保護は要保護者、その扶養義務者または同居の親族の「申請に基いて開始する」と定める(申請保護の原則)。第24条第1項は申請書の提出を原則としつつ、特別の事情があるときはこの限りでないとし、収入・資産の書類は申請の要件ではない。保護の実施機関は申請後に資産・収入などを調査(第28条・第29条)して要否を決定する。書類がないことを理由に申請を受け付けないのは申請権の侵害にあたる。

各選択肢の解説

  • 1 不適切。居住地がないか明らかでない要保護者は、その現在地を所管する福祉事務所が保護を行う(第19条第1項第2号)。
  • 2 不適切。稼働能力の活用は保護の要件(第4条第1項)だが、就労先を決めることを申請の前提にはできない。稼働能力は申請後、本人の状況(体調不良など)に照らして判断する。
  • 3 不適切。困窮に至った理由は問わない(無差別平等の原則・第2条)。借金の整理は法テラスや債務整理の支援につなぐ。
  • 5 不適切。扶養義務者の扶養は保護に「優先して行われる」(第4条第2項)が、保護の要件ではなく、申請の前提でもない。

覚え方・ひっかけ注意

「〜してから申請を」と後回しにさせる選択肢は、ほぼすべて申請権の侵害(いわゆる水際作戦)。

根拠条文と制度の位置づけ

生活保護法は、国家責任(第1条)、無差別平等(第2条)、最低生活保障(第3条)、保護の補足性(第4条)の4原理と、申請保護(第7条)、基準及び程度(第8条)、必要即応(第9条)、世帯単位(第10条)の4原則で組み立てられている。本事例の誤りの肢は、どれも原理・原則の取り違えを突いている。

誤りの肢の掘り下げ

  • 住所がない人(選択肢1):実施責任は「居住地」で決まるのが原則だが、居住地がない・明らかでない場合は「現在地」で決まる(第19条第1項第2号)。路上生活者が福祉事務所に来所した場合、その福祉事務所が申請を受け、居宅の確保(敷金等の住宅扶助)や保護施設、無料低額宿泊所の利用などを検討する。
  • 稼働能力(選択肢2):補足性の原理は「利用し得る資産、能力その他あらゆるもの」の活用を保護の要件とする。しかし稼働能力の判断は、①能力があるか、②活用の意思があるか、③実際に活用できる場があるか、で総合的に行うとされ、申請段階で門前払いする理由にはならない。55歳で体調不良を訴えるAさんは、まず医療扶助による受診と病状把握が先になる。
  • 困窮の原因(選択肢3):第2条は、保護を「無差別平等に」受けることができると定め、生活困窮に陥った原因(浪費・ギャンブル・借金など)を問わない。ただし保護費を借金の返済に充てることは想定されていないため、自己破産などの法的整理を併せて支援する。
  • 扶養(選択肢5):扶養は保護に優先するが、扶養の可否を確かめることは保護の前提条件ではない。扶養照会は、長期間音信不通(おおむね10年程度)やDVなどの事情がある場合は扶養義務履行が期待できない者として照会を行わない取扱いが明確化されている。30歳で離婚し音信のない子への照会は、まさにこの検討対象となる。

関連論点

申請から14日以内(特別な理由がある場合は30日以内)に保護の要否を決定し通知する(第24条第5項)。急迫した状況にある場合は申請がなくても職権で保護できる(第7条ただし書・第25条)。

この問題の根拠
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第37回社会福祉士国家試験(令和6年度)」の問題98です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

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