問題
事例を読んで,D市生活困窮者自立相談支援機関のB相談支援員(社会福祉士)が考える支援の方向性に関する次の記述のうち,適切なものを2 つ選びなさい。 〔事 例〕 Cさん(25 歳)は,高校卒業後に四国にあるA市の企業に就職したものの人間関係がうまくいかず2 年ほどで退職,その後,職業と住まいを転々として,現在は関西のD市内の公園でホームレス生活をしている。住民票は出身地A市に置いているが,居住していない。Cさんがいつも公園の日陰にうずくまっているのを見て心配した近隣住民が,民生委員に相談し,民生委員がD市の生活困窮者自立相談支援機関に相談した。BがCさんのもとを訪問したところ,Cさんから「この生活を何とかしたい」との意向が表明された。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題101
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
※この問題は2つ選ぶ形式です。2つとも選ぶと答え合わせになり、正答の全部を選んだときだけ正解として扱います。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 2 と 4。
「D市内で活動しているホームレス支援団体に連絡し,協力を要請する。」と「D市の福祉事務所につなぎ,生活保護の受給手続きを支援する。」が適切です。
Cさんは住民票をA市に置いていますが、実際にはD市の公園で暮らしています。生活保護は、住所が定まっていない人については、今いる場所(現在地)を所管する福祉事務所が実施します。ですから、D市の福祉事務所につなぎ、手続きを支えるのが適切です。
また、D市で活動するホームレス支援団体と協力すれば、食事や住まい探しなど、身近で具体的な支援を受けやすくなります。
A市に行くよう促したり、A市に支援会議を求めたりするのは、Cさんの今の生活の場を無視しています。
👉 覚え方:住民票ではなく「今いる場所」で支える。
正解は 2 と 4
- 「D市内で活動しているホームレス支援団体に連絡し,協力を要請する。」
- 「D市の福祉事務所につなぎ,生活保護の受給手続きを支援する。」
生活保護法第19条第1項第2号により、居住地がないか明らかでない要保護者には、現在地を所管する福祉事務所が保護を行う。Cさんは住民票をA市に置いているが居住しておらず、D市の福祉事務所につなぐことが適切。また、D市内のホームレス支援団体と連携することで、地域の社会資源を活用した支援が可能になる。
誤りの肢
- 1:生活保護の実施責任は住民票の所在地ではなく、居住地または現在地で決まる。A市の福祉事務所に行くよう促すのは、Cさんの生活の実態に合わない。
- 3:支援会議は都道府県等が組織し、その地域の関係者で情報交換・検討を行う会議。住民票があるだけで実際に住んでいないA市に開催を要請しても、Cさんの支援にはつながりにくい。
- 5:本人の同意なく近隣住民に個人情報を伝えることは不適切であり、Cさんは「この生活を何とかしたい」と表明している。見守りの継続にとどめる対応は本人の意向にも反する。
正解は 2 と 4
- 「D市内で活動しているホームレス支援団体に連絡し,協力を要請する。」
- 「D市の福祉事務所につなぎ,生活保護の受給手続きを支援する。」
実施責任の考え方(生活保護法第19条)
第19条第1項は、保護の実施機関が保護を行う対象を、①その所管区域内に「居住地」を有する要保護者、②「居住地がないか、又は明らかでない」要保護者でその所管区域内に「現在地」を有するもの、と定める。第2項は、居住地が明らかでも急迫した状況にあるときは、その事由がやむまで現在地の実施機関が保護を行うとする。ここでいう居住地は住民票の住所ではなく、生活の本拠として実際に住んでいる場所を指す。Cさんは公園で起居しており、居住地がない者として現在地のD市が実施責任を負う。
正答の根拠
- 4:生活困窮者自立相談支援機関は、生活保護が必要と判断される場合には、確実に福祉事務所につなぐ役割をもつ。申請に同行する、書類準備を手伝うなど、手続きの支援まで含めることで本人の負担を減らせる。
- 2:ホームレス支援団体は、夜回り、炊き出し、シェルターの運営、居住先の確保支援などを担うことが多い。生活困窮者自立支援法第3条第6項の居住支援事業(旧一時生活支援事業)とあわせて、地域の社会資源を組み合わせることが、自立相談支援の基本的な進め方である。
誤りの肢の論点
- 1:生活保護の実施責任を住民票で判断するのは典型的な誤解。福祉事務所が「住民票のある自治体へ」と案内して申請を受け付けない対応は、不適切な取扱いとして問題とされる。
- 3:生活困窮者自立支援法第9条の支援会議は、都道府県等がその地域の関係機関等で組織するもので、守秘義務を伴う情報共有の場。D市で支援を行うなら、D市の関係機関で協議するのが筋である。
- 5:近隣住民の気づきは支援の入口として大切だが、本人の情報を伝えて見守りを依頼するのは同意を欠くうえ、生活の改善を望む本人の意思に応えていない。
関連論点
- ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法は、ホームレスの自立支援や地域社会での生活の安定を目的とする。生活困窮者自立支援法の施行後は、同法の事業と一体的に支援が行われている。
- 生活保護の申請は口頭でも可能とされ、申請意思が示されたときに申請権を侵害しないことが求められる。
- 生活保護法第19条e-Govで原文を読む
- 生活困窮者自立支援法第3条・第9条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」の問題101です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
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