問題
バートレット(Bartlett, H.)が示したソーシャルワークに関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題109
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 5。
「社会的役割と関係性の中での人々の機能に焦点を当て,環境との関係を重視することを示した。」が適切です。
バートレットは、ソーシャルワークの「共通基盤」を示した人です。ソーシャルワークの中心的な関心を、人々が社会のなかで果たす役割や周囲の人との関係のなかでどのように生活しているか、つまり「社会生活機能」に置き、人と環境との関係を重視しました。
また、ソーシャルワークは価値・知識・介入方法がひとまとまりになったもので、なかでも価値と知識が介入に先立つ、と考えました(4の誤り)。
1は診断主義、3はパールマンの問題解決アプローチを思わせる記述です。
👉 覚え方:バートレット=共通基盤・社会生活機能・価値と知識が先。
正解は 5
「社会的役割と関係性の中での人々の機能に焦点を当て,環境との関係を重視することを示した。」
バートレットは、ソーシャルワークの焦点を「社会生活機能(social functioning)」に置いた。これは、人々が生活上の課題に対処しようとする努力と、環境からの要求との間の関係(交互作用)としてとらえる考え方で、人と環境の関係を重視している。
誤りの肢
- 1:クライエントの自我の働きに注目し、診断と介入によって変化を図るという考え方は、精神分析の影響を受けた診断主義の立場に近い。
- 2:ケースワーク・グループワーク・コミュニティワークを組み合わせるという考え方は、方法を統合して共通基盤を示そうとしたバートレットの立場とは異なる。
- 3:診断主義と機能主義の折衷として、問題をもつ人が専門職のいる「場所」で援助を受ける過程と示したのは、パールマンの問題解決アプローチ(4つのP)の説明。
- 4:バートレットは、価値・知識・介入方法を共通基盤の構成要素としたが、それらを一体のものと考え、価値と知識が介入に優先するとした。分離可能とした点が誤り。
正解は 5
「社会的役割と関係性の中での人々の機能に焦点を当て,環境との関係を重視することを示した。」
バートレットの共通基盤
バートレットは、ケースワーク・グループワーク・コミュニティオーガニゼーションと分かれて発展してきたソーシャルワークに、方法の違いを超えた共通の基盤があると考えた。その構成要素は次の三つ。
1. 価値:人間の尊厳など、専門職としての判断の拠りどころ
2. 知識:人と状況に関する専門的な理解
3. 介入方法(調整活動のレパートリー):援助の具体的な手段
彼女は、従来のソーシャルワークが方法や技術を中心に発展してきたことを批判し、価値と知識の総体こそが専門職の中核であり、介入はそこから導かれるものだと位置づけた。三要素は相互に結びついた一体のものであって、方法を個別に切り離して扱うことは共通基盤の考え方と相いれない。
社会生活機能
中心となる概念が「社会生活機能」。人々が生活のなかで直面する課題(生活上の要求)と、それに対処しようとする人々の能力との関係として社会生活をとらえ、その均衡に関心を向ける。個人の内面だけでも環境だけでもなく、人と環境の交互作用に焦点を当てる点で、後のシステム理論や生態学的視点(ライフモデル)へとつながる流れの源流の一つとされる。肢5の「社会的役割と関係性の中での人々の機能に焦点」「環境との関係を重視」はこの考え方を表している。
誤りの肢の論点
- 1:自我の変化を目標とした診断と介入は、フロイトの精神分析を基盤とする診断主義派の特徴。バートレットは個人の内面ではなく人と環境の関係を重視した。
- 2:三方法の専門家を組み合わせる考え方は、方法の統合化の議論のなかでも「コンビネーション」と呼ばれる段階の発想であり、方法を超えた共通基盤を示すバートレットの主張とは異なる。統合化は、コンビネーション→マルチメソッド→ジェネラリスト・アプローチへと展開したと整理されることが多い。
- 3:パールマンは、ケースワークを「人(Person)が問題(Problem)をもって、場所(Place)で、過程(Process)を通じて援助を受ける」ものとして示し、診断主義と機能主義の折衷を図った。
- 4:要素を挙げた点は正しいが、「分離可能」とした点が共通基盤の考え方と逆。
関連論点
- バートレットは医療ソーシャルワークの領域でも活動した人物として知られる。
- 共通基盤の発想は、ジャーメインとギッターマンのライフモデル、ピンカスとミナハンのシステム論的アプローチなどの統合化の理論と並べて出題されやすい。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」の問題109です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

