問題
事例を読んで,次の記述のうち,A総合病院のBソーシャルワーカー(社会福祉士)が面接で把握したクライエントニーズへの対応について,適切なものを2 つ選びなさい。 〔事 例〕 Cさん(55 歳,男性,独居)はA総合病院で5 年前に糖尿病と診断された。某メーカーの営業職で多忙な日々を過ごしていたCさんは,血糖値のコントロールも良好ではなく,最近の受診も中断していた。ある日,営業中に倒れ,A総合病院に緊急入院となったCさんは医師から「糖尿病は進行している。しかし,まだ改善の可能性(余地)はある」と告げられた。入院中の糖尿病教室で服薬及び栄養指導を受けたCさんであったが,退院後の生活に不安を抱くようになり,Bの元を訪れ「退院後の生活がとても不安で。元の生活に戻ってはいけないと思うのですが,節制した生活をとても一人では続けていくことができないと感じています」と話した。Bは,Cさん以外の糖尿病患者数人からも同様の話を聞いていた。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題118
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
※この問題は2つ選ぶ形式です。2つとも選ぶと答え合わせになり、正答の全部を選んだときだけ正解として扱います。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 2 と 5 です。
Cさんの不安は「退院後に節制した生活を一人で続けられない」ことです。しかも、Bは他の糖尿病患者数人からも同じ話を聞いています。つまり、Cさん個人だけの問題ではなく、同じ悩みを持つ人たちに共通する課題です。
こうした場面では、個別の対応に加えて、同じ立場の人が体験を共有できる場づくりが有効です。2は医師と患者が体験や知識を語るシンポジウムの開催、5は同じ課題を抱える人たちの自助グループの結成支援で、どちらも共通の課題に対応する取り組みです。
👉 覚え方:同じ悩みが複数=仲間の場づくり・地域や院内への働きかけ。
1・4は医学や栄養の情報の確認、3は教室に繰り返し参加させるだけで、継続の不安には応えにくい対応です。
なぜこれが正解か
正解は 2 と 5。Cさんのニーズは、医学的な知識の不足ではなく、「退院後の節制した生活を一人で続ける」ことへの不安と、その支えの不足にある。さらにBは、ほかの糖尿病患者数人からも同様の話を聞いており、個人の問題にとどまらず、共通するニーズとして捉えられる。個別面接に加え、同じ立場の人が経験を共有できる機会や、自助グループのような仲間の場をつくる支援が適切になる。
各選択肢の解説
- 1 主治医への医学的状況の問い合わせ:病状は医師からすでに説明を受けており、Cさんの訴えは生活の継続への不安である。ニーズへの直接の対応にならない。
- 2 医師・患者をシンポジストとするシンポジウムの開催:共通の課題を持つ人々に向けて、体験と知識を共有する場を設けるもので、適切。
- 3 繰り返し糖尿病教室へ参加させる:教室はすでに受講済みで、不安をなくす目的で繰り返し勧めても、ニーズへの応答にならない。
- 4 管理栄養士への栄養指導上の課題の確認:栄養指導は入院中に受けており、課題は指導内容ではなく退院後の継続の難しさにある。
- 5 自助グループの結成支援:同じ課題を持つ人同士が支え合う場をつくる支援で、適切。
覚え方・ひっかけ注意
個人のニーズに応える面接と、複数の人に共通するニーズに対応する集団・地域・組織への働きかけの両面を読み取る。「不安」の中身が、医学的な情報なのか生活の継続なのかを見分ける。
設問の位置づけ
医療機関のソーシャルワーカーが、個別の相談から共通のニーズを見いだし、集団や組織への働きかけにつなげる事例である。ミクロ(個人・家族)の支援と、メゾ(集団・組織)の支援を往復する視点が問われている。
正解の掘り下げ
クライエントの訴えを「何が不足しているのか」で読み分けることが出発点になる。Cさんは、病状の説明も栄養指導も受けたうえで、退院後に一人で節制を続けることに不安を抱いている。必要なのは情報の追加より、生活を続けるための継続的な支え、すなわち同じ経験を持つ仲間の存在や、療養生活を共有できる場である。
Bが複数の患者から同様の話を聞いている点は、ニーズが個人にとどまらないことを示す。ソーシャルワークでは、個々の相談から共通する課題を抽出し、社会資源の開発や、グループ・自助グループの形成、啓発的な活動へつなげる展開が重視される。
自助グループは、同じ問題や経験を持つ当事者が互いに支え合う集まりで、専門職が運営の主体になるのではなく、結成や運営の支援にとどまる。選択肢5の「結成を支援する」という書き方は、この性格に沿っている。選択肢2の公開講座でのシンポジウムは、医師だけでなく患者が語り手に入る点で、体験に基づく知識の共有の場になる。
誤りの肢の論点
- 1・4 は、医学的状況や栄養指導上の課題という、すでに取り扱われた領域の確認である。多職種との連携としては通常行われる行為だが、Cさんが訴えたニーズへの対応としては焦点がずれる。
- 3 は、教室を繰り返し受けさせて不安を取り除こうとする対応で、本人の不安の質を取り違えている。
似た用語との違い
- 自助グループ:当事者同士が主体となって運営する。
- 治療や教育を目的に専門職が運営するグループは、自助グループとは区別される。
関連して出る論点
グループワークの展開(準備期・開始期・作業期・終結期)、グループの力動、患者会や家族会の意義、医療ソーシャルワーカーの業務(退院支援・心理社会的問題の調整)など。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」の問題118です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

