問題
ソーシャルワークの支援に関する次の記述のうち,適切なものを2 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題122
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
※この問題は2つ選ぶ形式です。2つとも選ぶと答え合わせになり、正答の全部を選んだときだけ正解として扱います。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 1 と 3 です。
1は、不適応をその人だけの問題とせず、人と環境のかみ合わなさと捉え、環境を調整するという考え方です。
3のナラティブ・アプローチは、クライエントが語る人生の物語(ナラティブ)を手がかりに、これまで気づかなかった出来事の新しい意味づけを見つけ、人生を「書き直す」ことを助ける方法です。
たとえるなら、同じ出来事でも、見方を変えると新しい物語として語り直せる、という考え方です。
👉 覚え方:ナラティブ=語り直し、新しい意味づけ。
2は認知行動アプローチの説明、4は認知行動アプローチの順序が逆、5は課題中心アプローチで、課題を決めるのは支援者だけではなくクライエントとの合意である点が誤りです。
なぜこれが正解か
正解は 1 と 3。1は、不適応を個人の問題とみなさず、人と環境との関係の問題として捉え、環境の側も調整する考え方を述べている。3は、ナラティブ・アプローチの特徴である、語りを通じた新たな解釈の発見と人生の「書き直し」を正しく述べている。
各選択肢の解説
- 1 パーソン・センタード・アプローチ:記述は、人と環境との適合を重視して環境側も調整する点を述べたもので、正答。
- 2 エンパワメント・アプローチ:思考パターンの修正は認知行動アプローチの特徴である。エンパワメントは、クライエントの強みや力を引き出し、力を奪われた状況(パワーレスネス)からの回復を支える方法で、説明が入れ替わっている。
- 3 ナラティブ・アプローチ:新たな解釈を見いだし、人生を書き直すという説明は適切。
- 4 認知行動アプローチ:認知(物事の捉え方)と行動の両面に働きかける方法で、認知の偏りの修正が中心的な課題になる。「まず行動を変える」とのみ捉えるのは不正確。
- 5 課題中心アプローチ:焦点を当てる課題は、支援者の判断だけで決めるのではなく、クライエントが認識する課題を話し合って合意し、期間を区切って取り組む。
覚え方・ひっかけ注意
各アプローチの中心語(環境調整/強み・力の回復/語り直し/認知と行動/合意した課題)を一つずつ結びつけておく。
設問の位置づけ
ソーシャルワークの実践モデルとアプローチの特徴を、説明文から判別する問題である。理論名と中心概念の対応を正確に覚えているかが問われる。説明が別のアプローチのものとすり替えられる出題が定番である。
正解の掘り下げ
ナラティブ・アプローチは、社会構成主義の考え方に立ち、クライエントが語る物語(ドミナント・ストーリー、問題に支配された物語)を手がかりに、語られてこなかった出来事や別の解釈(オルタナティブ・ストーリー)を見いだして、人生の意味を書き直すことを助ける。問題を人から切り離して捉える「外在化」の技法も代表的である。選択肢3はこの核心を述べている。
選択肢1は、パーソン・センタード・アプローチの「人を中心に据える」考え方を述べている。この考え方では、本人に環境や支援の側へ合わせることを求めるのではなく、本人の視点や暮らし方を出発点に、環境や支援の方法を本人に合うように変えたり調整したりする。不適応を本人の欠陥とみなさず、本人と環境の合わなさとして捉える点で、生活モデル(エコロジカルな視点)とも通じる。ロジャーズの来談者中心療法(無条件の肯定的関心、共感的理解、自己一致)を源流とし、認知症ケアのパーソン・センタード・ケアなどにも広がった考え方として整理しておくとよい。
誤りの肢の論点
- 2:「思考パターンを見いだし、誤った信念を修正する」は認知行動アプローチの特徴である。エンパワメントは、個人の力の回復と、社会的な不利や抑圧への対処を、本人と共に進めるアプローチで、強みの視点、協働関係、環境への働きかけを特徴とする。
- 4:認知行動アプローチは、認知(出来事の受け取り方)と行動の相互の関係に注目し、偏った認知を修正する認知再構成や、行動の練習などを組み合わせる。出発点を「行動の変更のみ」とするのは中心的な説明ではない。
- 5:課題中心アプローチは、クライエントが取り組みたいと考える具体的な課題を、契約として合意し、短期間(期限を区切る)で、課題の達成に向けた行動計画を実行する。支援者が専門的観点のみで優先順位を決めるとする点が誤りである。
似た用語との違い
- 問題解決アプローチ:問題解決の過程を重視する。
- 危機介入アプローチ:危機状態にあるクライエントへの短期集中的な介入。
- 行動変容アプローチ:学習理論に基づき行動の変化を図る。
関連して出る論点
各アプローチの代表的な技法と、適する場面を対比表の形で整理しておく。ストレングスの視点、ソーシャルワークのモデル(治療モデル、生活モデル、ストレングスモデル)との関係も合わせて出題される。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」の問題122です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

