社会福祉士

社会福祉士 第38回 問題2医学概論

問題

社会福祉士 | 第38回(令和7年度) | 令和8年2月1日(日)実施・医学概論

事例を読んで,緩和ケアに関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。 〔事 例〕 Aさん(45 歳,女性)は,肺がんstage Ⅳで抗がん剤治療を受けていたが,全身状態不良のためB病院に入院となった。胸部痛の訴えがあり,オピオイドを内服しているが,疼痛コントロールは不良である。入院時に主治医より,Aさん及びキーパーソンである夫に対して,予後は3 か月ほどであり,今後の方針としては緩和ケアに移行すると告知した。その後,Aさんは不安や抑うつ気分を呈するようになった。入院して2 週間が経過したが,Aさんの不安や抑うつ気分は改善を認めない。 Aさんは入院継続を希望しており,夫も自宅での生活に不安を抱えている。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題2

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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正解は 2
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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 2 です。

緩和ケアは、がんの痛みだけでなく、不安や抑うつなどの心の苦しみにも対応します。Aさんには不安や抑うつ気分が続いているため、薬物療法で症状をやわらげることが適切な対応です。

たとえるなら、体の痛みも心のつらさも、どちらもやわらげるのが緩和ケアです。

👉 覚え方:緩和ケア=患者と家族の苦痛(身体・心理・社会・スピリチュアル)をやわらげる。

緩和ケアは、病気の最後だけでなく、診断されたときから受けられるケアです。

正解は 2 です。

緩和ケアは、病気の時期にかかわらず、患者と家族の身体的・心理的・社会的・スピリチュアルな苦痛をやわらげ、生活の質(QOL)を高めるケアです。

1 不適切。Aさんは入院継続を希望しており、疼痛や不安・抑うつも改善していない。自宅退院を促すのは、本人の意向や症状に合わない。

2 適切。不安や抑うつ気分が続くため、薬物療法を含めた治療を検討する。

3 不適切。告知後に不安や抑うつが生じており、緩和ケアへの心理的抵抗が少ないとはいえない。

4 不適切。緩和ケアは家族も対象で、夫も不安を抱えているため、支援が必要。

5 不適切。疼痛コントロールは緩和ケアの中心で、積極的に行う。

事例問題では、本人の訴えと状況(疼痛が不良、不安・抑うつが改善しない、入院継続を希望)を読み取り、症状に対応する支援を選ぶ。医療的な判断は、医師が行うが、社会福祉士は、本人の意向と生活面から、支援を調整する。

オピオイドで痛みが十分に取れない場合も、薬の量や種類の調整、他の鎮痛法の併用などで、痛みの緩和を続ける。

正解は 2 です。

【緩和ケアの考え方】緩和ケアは、WHOの定義で、生命を脅かす病気に伴う問題に直面する患者と家族に対し、痛みやその他の身体的、心理社会的、スピリチュアルな問題を早期に見出し、適切に評価し、対応することで、QOLを改善するアプローチとされています。終末期だけでなく、がんと診断された時期から、がん治療と並行して行うことが推奨されています。担い手は、医師、看護師、薬剤師、社会福祉士、心理職、リハビリ職などが連携する多職種チームです。

【各選択肢の掘り下げ】

2 事例では、告知後に不安や抑うつ気分が出現し、2週間経っても改善がありません。悲嘆や適応反応としての反応は自然なこともありますが、持続して生活に支障を及ぼす場合は、精神科や緩和ケアチームによる評価のもと、抗不安薬や抗うつ薬などの薬物療法や、心理的支援を検討します。薬物療法と、傾聴などの非薬物的支援を組み合わせるのが一般的です。

1 本人は入院継続を希望し、家族も在宅生活に不安を抱えています。在宅移行は、症状が安定し、本人・家族の準備が整ってから進める選択肢であり、「促す」べき場面ではありません。意思決定支援の視点が必要です。

3 予後の告知は、大きな心理的衝撃を伴います。事例の不安と抑うつは、むしろ心理的な抵抗や葛藤を示唆します。

4 緩和ケアの対象は患者だけでなく家族も含みます。夫は、介護者としての負担や、近い将来の喪失への不安を抱えており、悲嘆ケア(死別前後の支援)も含め、支援の対象となります。

5 疼痛コントロールは、緩和ケアの最も基本的な課題です。オピオイドの調整、鎮痛補助薬、神経ブロックなど、痛みを我慢させないように、積極的に対応します。

【関連する論点】疼痛のコントロールでは、WHO方式がん疼痛治療法(経口投与、時刻を決めて投与、患者ごとの個別量など)が基本とされます。また、身体的苦痛、精神的苦痛、社会的苦痛、スピリチュアルな苦痛を含めた「全人的苦痛(トータルペイン)」の概念は、ソーシャルワークの視点から問われやすいため、ぜひ押さえましょう。

また、事例のように、予後の告知後に不安や抑うつが続く場合は、適応障害やうつ病が疑われることがあり、専門的な評価が必要です。

この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題2。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」の問題2です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。