問題
職員の人材育成や評価に関する次の記述のうち,適切なものを2 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題129
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
※この問題は2つ選ぶ形式です。2つとも選ぶと答え合わせになり、正答の全部を選んだときだけ正解として扱います。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 1 と 5
1 目標管理制度は、組織全体の目標をふまえて、職員一人ひとりが自分で目標を立て、その達成に向けて自分で取り組みを管理する仕組みです。自分で決めた目標なので、やる気(動機づけ)が高まり、業績の向上にもつながります。
5 コンピテンシー評価は、仕事で高い成果を上げている人に共通する行動や考え方の特徴をモデルにして、それに照らして職員を評価する方法です。
2の積極性や責任感、協調性は「情意評価」の対象で、能力評価ではありません。3はハロー効果ではなくピグマリオン効果の説明です。4の360度評価は、上司・同僚・部下など複数の立場の人が評価する方法で、「指標に基づき多面的に」という説明は不十分です。
なぜこれが正解か
正解は 1 と 5。
- 1(正しい)目標管理制度(MBO) 組織目標と個人目標を結びつけ、職員が自主的に目標を設定し、自己統制によって達成を目指す。自ら設定した目標であることが動機づけとなり、業績向上を図る。
- 5(正しい)コンピテンシー評価 高業績者に共通する行動特性・思考の特徴(コンピテンシー)を抽出してモデル化し、それを基準に評価する。
誤りの選択肢
- 2 積極性・責任感・協調性などの勤務態度や意欲を評価するのは情意評価。能力評価は、職務遂行に必要な知識・技能・判断力などの能力を評価する。
- 3 期待されることでその期待に添うように行動し、能力が伸びるのはピグマリオン効果。ハロー効果は、ある目立つ特徴に引きずられて他の評価項目まで高く(または低く)評価してしまう評価エラー。
- 4 360度評価は、上司だけでなく同僚・部下・本人・利用者など複数の評価者が多面的に評価する手法。ポイントは評価者の多様性であり、1人の職員を指標に基づいて多面的に評価するという説明では、その核心を表していない。
問題の位置づけ
人材育成・人事評価の用語は、福祉サービスの組織と経営で毎年のように出題される。定義の主語と中身を少しずらした選択肢(情意評価と能力評価、ハロー効果とピグマリオン効果など)が典型的な引っかけである。
正解の掘り下げ
目標管理制度(1)
ドラッカーが提唱した「目標と自己統制によるマネジメント」に由来する。要点は、①組織目標との連動、②本人による目標設定(上司との面談を通じた合意)、③自己統制による進捗管理、④結果の振り返りと評価。押しつけのノルマではなく、自発性を引き出す点に意義がある。
コンピテンシー評価(5)
コンピテンシーは、高い成果を生む人に一貫してみられる行動特性。知識や資格の有無ではなく、実際の「行動」に注目する点が特徴。評価だけでなく採用・育成の基準にも使われる。福祉現場では、利用者理解の深さ、チームへの働きかけ、記録の的確さなどを行動レベルで記述したモデルが用いられる。
誤りの選択肢の掘り下げ
- 人事評価の3要素(2) 一般に、成績(業績)評価・能力評価・情意評価に分けられる。
- 成績評価:一定期間の仕事の成果・達成度。
- 能力評価:職務遂行能力(知識・技能・判断力・企画力など)。
- 情意評価:仕事への取り組み姿勢(積極性・責任性・協調性・規律性)。
選択肢2は情意評価の内容を能力評価と言い換えている。
- 評価エラーと心理効果(3)
- ハロー効果:一つの優れた(劣った)点が全体の評価を引きずる。
- 中心化傾向:評価が中央に集まる。
- 寛大化傾向:評価が甘くなる。
- 対比誤差:評価者自身と比べて評価する。
- ピグマリオン効果:期待をかけると成果が上がる(心理効果であり評価エラーではない)。
選択肢3はピグマリオン効果の説明をハロー効果の名称に付け替えている。
- 360度評価(4) 多面評価とも呼ばれ、評価者を上司以外にも広げることで、一人の上司の主観に偏るのを防ぎ、本人の気づきを促す。選択肢4は「多面的」という語を、評価の「視点」ではなく評価の「対象(能力・性格・志向)」の多さにすり替えている。性格や志向を評価対象とする説明も、職務行動を見る360度評価の趣旨からずれる。
関連論点
- OJT・Off-JT・SDS(職場内研修・職場外研修・自己啓発支援)の区別。
- キャリアパスと処遇改善の関係。
- 動機づけ理論(マズロー、ハーズバーグの二要因理論、マクレガーのX理論・Y理論)は目標管理制度の背景(Y理論的人間観)と結びつけて問われる。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」の問題129です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

