問題
事例を読んで,次の記述のうち,A町地域創生課のB職員(社会福祉士)の相談に対し,A町として考えた対応策として,適切なものを2 つ選びなさい。 〔事 例〕 A町は昔から地域特有の農作物の生産が盛んな地域であったが,近年は農業者の高齢化や後継者不足により耕作放棄地が増え,農業の衰退が地域課題となっている。 A町では相談窓口の設置や,新規就農者への助成事業を実施したりしているが,なかなか課題の解決にはつながっていない。 Bは,新しい農福連携を視野に入れた地域課題の解決についてA町農業振興課に相談した。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題120
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 2 と 3 です。
この事例の課題は、農業の担い手が減り、耕作放棄地が増えていることです。相談窓口や新規就農者への助成だけでは解決しませんでした。そこで、農福連携のように、地域の福祉の力や住民の力を借りた新しい取り組みが求められています。
2は近隣のボランティアセンターを通じて農業ボランティアを広げる方法、3は農業者・就労継続支援事業所・小中学校が協力して農業体験の機会をつくる方法で、どちらも地域の多様な人が農業に関わるきっかけになります。
👉 覚え方:地域の多様な主体が協力して関わりを広げる=地域づくりの発想。
1は求人だけ、4は他市の学校に必修化を頼む、5は担い手不足と直接つながらない取り組みなので、適切とはいえません。
なぜこれが正解か
正解は 2 と 3。事例の課題は、農業者の高齢化と後継者不足による耕作放棄地の増加である。既存の相談窓口や助成事業では解決に至っておらず、農福連携を視野に、農業と福祉、教育、住民が協力して関わりを広げる新しい取り組みが求められている。ボランティアの登録強化(2)や、農業者・就労継続支援事業所・小中学校が協力する農業体験プログラムの企画(3)は、多様な主体の協働による解決策になる。
各選択肢の解説
- 1 公共職業安定所への求人申し込み:人材募集の手段ではあるが、従来の延長にとどまり、農福連携や地域の協働という視点がない。
- 2 ボランティアセンターへの依頼:A町と近隣の市町村の力を借りて、農業に関わる住民を増やす取り組みで、適切。
- 3 農業体験プログラムの企画:農業者、就労継続支援事業所、小中学校の協力による企画で、農福連携と地域の担い手づくりにつながる。適切。
- 4 他市の特別支援学校に農業実習の必修化を依頼:必修化は学校の教育課程の編成に関わる事柄で、他市の学校に町が依頼して決めるものではない。
- 5 飲食店に地産地消への協力を求める:消費の面の取り組みで、課題である担い手不足や耕作放棄地の解消には直接つながらない。
覚え方・ひっかけ注意
課題の中心(担い手不足)に直接作用するか、地域の多様な主体の協働になっているかで判断する。
設問の位置づけ
地域創生や農業振興といった福祉以外の部署に社会福祉士が配置された事例で、地域の課題を福祉の視点で捉え直し、多様な主体の協働による対応を考える問題である。地域福祉と包括的な支援体制、社会資源の開発が背景にある。
正解の掘り下げ
農福連携は、農業と福祉が連携し、障害のある人などが農業分野で活躍することで、農業の担い手確保と社会参加・就労の機会づくりを同時に進める取り組みである。課題解決の視点として、地域の課題を福祉だけの課題として切り分けず、住民・事業所・学校・行政が関わる地域づくりとして進める点が重要になる。
選択肢3は、農業者、就労継続支援事業所、小中学校の協力で農業体験プログラムを企画するもので、障害のある人の活躍の場と、子どもや住民が農業に触れる機会の双方を生む。選択肢2は、ボランティアセンターの機能(登録・調整・コーディネート)を使って、地域住民の参加を広げる。どちらも既存の社会資源を組み合わせて新たな関わりをつくる点で、事例の問いに合っている。
誤りの肢の論点
- 1:ハローワークは職業紹介の機関で、人材確保の一手段としては有効だが、「新しい農福連携を視野に入れた地域課題の解決」という相談の趣旨からは外れる。農業の担い手不足が深刻な中で、求人のみに頼ることが従来の延長であることも、設問の読みどころである。
- 4:特別支援学校は教育課程を学校が編成する。他の市にある学校に、町が必修化を求める筋合いはなく、協力の依頼としても過大である。農業体験や実習への協力を相談すること自体は考えられるが、「必修化」が不適切になる。
- 5:地産地消は農産物の需要面を支える取り組みで、担い手不足や耕作放棄地の増加という供給面の課題への直接の解決にはなりにくい。しかも農業振興課の主導のみで、福祉との連携の視点が弱い。
似た用語との違い
- 農福連携:農業と福祉の連携で、担い手の確保と障害者等の就労・社会参加を図る。
- ボランティアセンター:市区町村社会福祉協議会などに置かれ、ボランティア活動の相談・登録・調整を担う。
関連して出る論点
重層的支援体制整備事業、地域共生社会の考え方、社会資源の開発、住民の主体的参加の促進、就労継続支援事業所の役割など。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」の問題120です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

