問題
事例を読んで,次の記述のうち,Aスクールソーシャルワーカーによるシステム論に基づくアセスメントとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。 〔事 例〕 5 年前に妻を亡くしたBさん(35 歳)は,子のCさん(11 歳)と二人暮らしである。 Bさん家族はSNSで知り合った女性Dさん(36 歳)と交流があった。Dさんとの再婚を考えたBさんはCさんに相談したところ黙りこみ,まったく口をきかなくなり,学校も休みがちになった。この状況に困ったBさんが,Cさんの担任に相談したところ,Aを紹介された。AはBさんと面接を行い,Bさんがこれまでの経緯について話した。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題119
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 4 です。
システム論に基づくアセスメントでは、問題の原因をだれか一人のせいにせず、人と人との関わり合い(相互作用)の中で起きていると見ます。
この事例では、BさんがCさんに再婚を相談したところ、Cさんは黙りこんで学校も休みがちになりました。選択肢4は「お互いの気持ちを十分に話し合えない膠着状態」と、親子の関係のあり方そのものを捉えているので、システム論の見方に合います。
たとえるなら、親が説明しにくくなり、子はますます黙る、という悪循環の関係を見る視点です。
👉 覚え方:システム論=原因探しではなく、関係の循環を見る。
ほかの選択肢は、Cさんの怒り(個人の感情)、BさんとDさんの話し合い、Bさんが原因という見方、思春期の問題と、個人や一方の原因に注目しています。
なぜこれが正解か
正解は 4。システム論(家族システム論など)では、問題を個人の内面や特定の誰かの責任に帰すのではなく、家族成員どうしの相互作用や関係のパターンとして捉える。事例では、再婚の相談をきっかけにCさんが黙り込み、学校を休みがちになっている。4は、BさんとCさんが互いに気持ちを話せない膠着した関係を指摘しており、相互作用のパターンを見ている。
各選択肢の解説
- 1 CさんはBさんに怒りを感じている:Cさんの感情という個人の内面の推測に偏っている。事例に怒りの記述もない。
- 2 BさんとDさんの話し合い不足:再婚相手との関係に注目するもので、問題の中心であるBさんとCさんの相互作用を捉えていない。
- 3 Bさんの説明不足が原因:特定の人の落ち度が原因とみなす直線的な因果の見方で、システム論の循環的な見方とは異なる。
- 5 Cさんの思春期特有の問題:Cさん個人の発達上の特性に原因を求めており、個人の問題として捉えている。
覚え方・ひっかけ注意
「原因は○○さん」と断定する選択肢は、システム論では避ける。「お互い」「循環」「関係」といった語がある選択肢に注目する。
設問の位置づけ
スクールソーシャルワーカーが、子どもの不登校傾向を家族との関わりの中で捉えるアセスメントの事例である。システム論に基づく見方を、他の見方と区別して選べるかが問われている。
正解の掘り下げ
システム論では、家族を相互に影響し合う成員の集まり(システム)として捉える。出来事を「AがBを起こした」という一方向の直線的因果ではなく、「AがBに影響し、BがAに影響し返す」循環的因果として理解する。そのため、問題とされる行動(ここでは不登校傾向や沈黙)は、個人の欠点ではなく、関係のパターンの中で維持されている現象とみなされる。
事例を循環で整理すると、再婚を考えたBさんが相談し、Cさんが黙り込む。そこから、Bさんは話を切り出しにくくなり、Cさんはさらに気持ちを言葉にしにくくなる、という循環が生じていると考えられる。選択肢4の「お互いの気持ちを十分に話し合うことができない膠着状態」は、この相互作用のパターンを描いている。援助の方向も、どちらかを変えさせるのではなく、親子が互いの気持ちを安全に言葉にできる関係づくりに置かれる。
誤りの肢の論点
- 1:Cさんの怒りは本人の言葉として語られていない推測で、個人の感情への帰属になっている。
- 2:BさんとDさんの関係は家族の周辺の関係で、問題の中心である親子の相互作用を見ていない。再婚相手を含めた拡大した家族の視点は後の段階で必要になるが、設問の「アセスメントとして最も適切」な記述ではない。
- 3:原因を親の説明不足に求める点が直線的因果で、親を責める方向に向かいやすい。
- 5:「思春期特有」という一般化は、個人の発達の問題に還元している。発達段階の理解は重要な視点だが、システム論の見方ではない。
似た用語との違い
- 直線的因果と循環的因果。
- 個人の病理モデルとシステム(関係)の見方。
- ジェノグラムやエコマップは、家族や環境の関係を図に表すアセスメントの道具である。
関連して出る論点
家族システム論の基本概念(境界、サブシステム、悪循環)、エコロジカルな視点、ストレングスの視点、スクールソーシャルワークにおける学校・家庭・関係機関との連携など。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」の問題119です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
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