社会福祉士

社会福祉士 第38回 問題112ソーシャルワークの基盤と専門職(専門)

問題

社会福祉士 | 第38回(令和7年度) | 令和8年2月1日(日)実施・ソーシャルワークの基盤と専門職(専門)

事例を読んで,Bさんが通院する病院のAソーシャルワーカーの判断として,次の記述のうち,適切なものを2 つ選びなさい。 〔事 例〕 高校2 年生のBさんは呼吸器の障害があり,睡眠時にはBiPAPの装着が必要である。3 泊4 日の修学旅行についてBさんが主治医に相談したところ,宿泊先及び近隣の医療機関,機械のメーカーがトラブル時の対応についての調整ができれば参加可能との判断であった。必要な調整はできたが,高校は修学旅行期間中にBiPAPの対応に慣れているBさんの母親の同行を求めた。Bさんは,親の負担や友達との時間を考え,親の同行がない方がよいと思っており,そのことを主治医に相談した。主治医は,Aに意見を求めた。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題112

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 4・5
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 4 と 5

Bさんは、親の付き添いなしで友達と修学旅行に行きたいと願っています。主治医は、事前の調整ができれば参加できると判断し、その調整もできています。

4 は、Bさん・母親・学校・主治医の考えの違いを確かめ、すり合わせようとしています。立場の違う人どうしの間に入って調整するのは、ソーシャルワーカーの大切な役割です。

5 は、医学的な根拠にもとづき「親の同行は必要ない」と主治医に改めて意見を出してもらう考えです。学校が安心して判断できる材料になり、Bさんの希望を実現する助けになります。

1と2はBさんの気持ちより周りの判断を優先しています。3は一見よさそうですが、Bさんの意思の確認や関係者の調整を経ずに先回りしています。

なぜこれが正解か

正解は 4 と 5。ポイントは、本人の自己決定を尊重しつつ、医療・学校・家族という立場の違う関係者の調整(媒介)を行うことである。

  • 4(正しい) 本人・母親・学校・主治医それぞれの希望や判断の違いを詳しく確認し、すり合わせる。ソーシャルワーカーの媒介・調整の機能そのものであり、Aの判断として適切。
  • 5(正しい) 主治医はすでに「調整ができれば参加可能」と判断している。学校が母親の同行を求める理由は医療的な不安と考えられるため、医学的根拠に基づく意見を改めて示してもらうことは、学校の不安に応え、本人の希望を実現する手立てになる。

誤りの選択肢

  • 1 安全を理由に母親の同行を勧めるのは、医学的には参加可能とされている状況で、本人の意向を顧みない判断。パターナリズムに傾いている。
  • 2 学校行事だから学校に従うべきとするのは、本人の権利擁護と関係者調整というソーシャルワーカーの役割を放棄している。
  • 3 学校関係者がBiPAPを学ぶ機会は将来の選択肢にはなりうるが、正答とはされていない。現時点で必要なのは関係者間の意見の違いの確認と、医学的判断の共有であり、学校職員に医療機器の対応を担わせる前提を先に置くのは段階を飛ばしている。

問題の位置づけ

医療ソーシャルワーカー(MSW)が、医療的ケアを要する生徒の学校行事参加を支援する場面。問われているのは、本人の自己決定の尊重、権利擁護(アドボカシー)、多機関・多職種の調整という3つの視点である。

事例の整理

  • 本人:親の負担や友達との時間を考え、親の同行なしを希望。
  • 主治医:宿泊先・近隣医療機関・機器メーカーとの調整ができれば参加可能と判断。調整は完了している。
  • 学校:母親の同行を求めている(医療機器トラブルへの不安が背景と読める)。
  • 主治医からAに意見が求められている。

医学的なハードルはすでに越えており、残っているのは関係者間の認識のずれである。ここを読み取れるかが鍵になる。

正解の掘り下げ

  • 4 「詳しく確認し」「すり合わせ」るという動詞に注目。ソーシャルワーカーは、どちらかの側に立って結論を押しつけるのではなく、それぞれの意見の背景(学校の責任上の不安、母親の思い、本人の願い)を明らかにして合意形成を図る。これは媒介(メディエーション)機能である。
  • 5 学校の不安が医学的根拠の不足から来ているなら、医師の意見を明確に示すことが最も効果的な調整材料になる。ソーシャルワーカーが自ら医学的判断を下すのではなく、専門職である主治医の意見を活用する点が、多職種連携の基本に合う。

誤りの選択肢の論点

  • 1 パターナリズム 「生命の安全」は重要だが、医学的にリスクが管理できると判断されている状況で、本人の意向より保護を優先させるのは、本人の自己決定を不当に制約する。
  • 2 権限への追従 学校に決定権があることと、ソーシャルワーカーが本人の意見を代弁しないことは別問題。障害のある生徒への合理的配慮の観点からも、話し合いの機会を設けることが求められる。
  • 3 手段の先取り 研修自体は悪くないが、医療機器の対応を学校職員に担わせることになり、学校側の新たな負担や責任の問題を生む。関係者の意見をすり合わせる前に特定の解決策を提示するのは順序が逆で、本事例の判断としては正答とされていない。

関連論点

  • 障害者差別解消法の合理的配慮:学校行事への参加に際し、過重な負担にならない範囲で必要な調整を行う考え方。
  • 医療的ケア児への支援は、医療・教育・福祉の連携が前提。本問のように「誰の意見を、どの順序で、どうつなぐか」が事例問題でよく問われる。
この問題の根拠
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」の問題112です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

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