社会福祉士

社会福祉士 第38回 問題113ソーシャルワークの基盤と専門職(専門)

問題

社会福祉士 | 第38回(令和7年度) | 令和8年2月1日(日)実施・ソーシャルワークの基盤と専門職(専門)

事例を読んで,次の記述のうち,就労継続支援A型事業所のA生活支援員(社会福祉士)が,Bさんの生活に関わる家族システムの好循環を意図して行った支援として,最も適切なものを1 つ選びなさい。 〔事 例〕 Aは,活動に積極的に参加していたBさんが,最近作業への意欲が低下している様に感じた。Aは送迎時にBさんの母親にそのことを伝えた。すると母親から,先週Bさんが,父親のお気に入りの時計を誤って壊してしまったが,そのことを父親に伝えることができないでいる。父親もBさんが時計を壊したことに気づいてはいるが,Bさんを責めたくないので触れないでいるという話を聞いた。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題113

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 2
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 2

Bさんは父親の大事な時計を壊してしまい、それを言い出せずに元気をなくしています。父親も気づいているけれど、Bさんを責めたくないので黙っています。お互いを思いやっているのに、話せないまま家族の中に気まずさが続いている状態です。

2 は、AがBさん本人に「お母さんから話を聞いたよ」と正直に伝えたうえで、言えない気持ちや父親の気持ちを一緒に考えようと誘っています。Bさんが自分の気持ちを整理し、自分から父親と向き合えるよう支えることで、家族の悪い流れをよい流れに変えるきっかけになります。

1は作業量の話にすり替えています。3〜5は母親に役割を押しつけたり、叱ったりする方向で、Bさんの気持ちに寄り添っていません。

なぜこれが正解か

正解は 2。家族システム論では、家族の一人の変化がほかの家族に影響し、それがまた本人に返ってくる循環を重視する。現状は「Bさんが言えない → 父親も触れない → Bさんの罪悪感が続き意欲が下がる」という悪循環になっている。

2 は、AがBさんに、母親から話を聞いたことを隠さず伝えたうえで(誠実さ・信頼関係の維持)、Bさん自身の気持ちと父親の気持ちを一緒に考える。Bさんが父親の思いやりに気づき、自分の言葉で向き合えれば、家族のコミュニケーションが動き出し好循環につながる。本人を主体にしている点も重要。

誤りの選択肢

  • 1 作業量を減らすのは表面の症状への対処にすぎず、背景にある家族関係の悪循環には働きかけていない。
  • 3 母親に話し合いの場を作るよう求めるのは、母親に調整役を押しつけるもの。Bさん本人の気持ちの整理がないまま話し合いの場を設けても、好循環は生まれにくい。
  • 4 再発防止策を考えさせるのは、Bさんの失敗に焦点を当てる対応で、罪悪感を強めかねない。家族関係の循環にも働きかけていない。
  • 5 父親に叱ってもらうよう母親に勧めるのは、父親の「責めたくない」という気持ちを無視し、施設の価値観を家庭に持ち込むもので不適切。

問題の位置づけ

ソーシャルワークの理論のうち、システム理論・家族システム論を事例に当てはめる問題。家族を相互に影響し合う一つのシステムとして捉え、個人の問題を「家族内の相互作用のパターン」から理解する。

鍵となる概念

  • 円環的因果律:「AがBの原因」という直線的な因果ではなく、相互の行動が循環して状態を維持していると捉える。本事例では、Bさんの沈黙と父親の気づかいが互いを支え合い、気まずさを固定化している。
  • 悪循環と好循環:システムのどこか一か所に変化が起きれば、全体の流れが変わりうる。介入のポイントは「どこを動かせば循環が変わるか」。
  • 家族の誰もが悪者ではない:父親の沈黙も思いやりから出ている。責任追及ではなく、互いの意図を伝え合える状態をつくることが目標になる。

正解(2)の掘り下げ

1. 誠実な情報の扱い:母親から聞いた話を隠して働きかけると、後で知ったBさんの信頼を損なう。最初に伝えることで、支援関係の透明性を保つ。

2. 本人の主体性:決めるのはBさん。Aは「一緒に考えないか」と提案し、本人のペースを尊重している。

3. 相手の気持ちへの想像:父親の気持ちを考えることで、Bさんは「怒られる」という思い込みから離れ、父親が自分を思って黙っていることに気づける。これが家族のコミュニケーションを動かす起点になる。

誤りの選択肢の論点

  • 1 症状への対処:意欲低下という表れだけを扱い、原因となる関係性を放置している。
  • 3 調整役の外部化:母親を通じて場を作らせると、家族内に新たな役割の偏り(母親が橋渡し役を背負う三角関係化)を生みうる。本人の準備も整っていない。
  • 4 失敗への焦点化:再発防止は問題志向のアプローチで、本人の罪悪感を強める。
  • 5 価値の押しつけ:施設の指導方針を家庭の親子関係に持ち込み、父親の意向にも反する。好循環どころか関係を硬くする。

関連して出る論点

  • システム理論の用語(ホメオスタシス、フィードバック、境界、サブシステム)とセットで出題されやすい。
  • 家族療法の諸派(構造派、戦略派、多世代派など)の特徴を問う問題とも結びつく。ここでは細部より「関係性の循環に着目する」という共通点を押さえておけばよい。
この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題113。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」の問題113です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。