問題
事例を読んで,A市(政令市)またはA市が設置する機関でBさんに対応する職員として,次のうち,適切なものを2 つ選びなさい。 〔事 例〕 Bさんは,夫のギャンブル依存で離婚したばかりである。ぎりぎりの生活の中で仕事をしながら6 歳になる子どもを一人で育てている。Bさんは,収入も少なく,仕事と子育ての両立の懸念や住むところなどについて不安を抱えており,どのように生活をしていけばよいか,友人に相談をした。友人から,一度,市役所で相談してみてはとのアドバイスがあり,Bさんが居住するA市役所を訪問しその内容を窓口で伝えた。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題110
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
※この問題は2つ選ぶ形式です。2つとも選ぶと答え合わせになり、正答の全部を選んだときだけ正解として扱います。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 2 と 3
Bさんは離婚したばかりで、6歳の子どもを一人で育てるひとり親です。悩みは「収入が少ない」「仕事と子育ての両立」「住むところ」という生活全体の困りごとです。
2 母子・父子自立支援員は、ひとり親家庭の親の相談に応じ、自立に必要な情報提供や、仕事に就くための支援を行う職員です。ひとり親になったばかりのBさんにぴったりです。
3 生活困窮者自立支援機関の相談支援員は、生活保護に至る前の段階で、仕事・お金・住まいなどの困りごとをまとめて受け止める窓口の職員です。住まいの不安もある今のBさんに合っています。
👉 覚え方:ひとり親の相談=母子・父子自立支援員、生活全般の困りごと=自立相談支援の相談支援員。
なぜこれが正解か
正解は 2 と 3。Bさんは「ひとり親になったばかり」「収入が少ない」「仕事と子育ての両立」「住まいの不安」を抱え、まだ生活保護を申請しているわけでも、子どもに養育上の問題が出ているわけでもない。
- 2(正しい) 母子・父子自立支援員は、母子及び父子並びに寡婦福祉法に基づき、市長等が委嘱する。配偶者のない者で児童を扶養している者の相談に応じ、自立に必要な情報提供・指導と、職業能力の向上・求職活動の支援を行う。Bさんの主訴に直接応える。
- 3(正しい) 生活困窮者自立支援制度の自立相談支援事業の相談支援員は、就労・家計・住まいなど複合的な困りごとを包括的に受け止め、支援計画を作って関係機関につなぐ。生活保護に至る前の段階のBさんに適している。
誤りの選択肢
- 1 福祉事務所の現業員(ケースワーカー)は主に生活保護の受給世帯を担当する職員で、相談の入口としての役割より、保護の決定・実施後の援助が中心。現時点のBさんの最初の対応者としては2・3がより適切。
- 4 家庭相談員は家庭児童相談室で子どもの養育上の問題(しつけ・不登校など)を扱う。Bさんの主訴は子どもの問題ではない。
- 5 児童福祉司は児童相談所で虐待など専門的な対応が要る子どもの相談を担う。本事例はそこに当たらない。
問題の位置づけ
「誰が対応するのが適切か」を問う問題は、各職員の根拠法・所属機関・対象を組み合わせて覚えているかを試している。キーワードは「離婚直後のひとり親」「収入が少ない」「仕事と子育ての両立」「住まいの不安」「まだどの制度にもつながっていない」。
正解の根拠
母子・父子自立支援員(選択肢2)
母子及び父子並びに寡婦福祉法第8条は、都道府県知事・市長(特別区の区長を含む)・福祉事務所を管理する町村長が母子・父子自立支援員を委嘱すると定める。業務は、配偶者のない者で現に児童を扶養しているもの及び寡婦に対し、①相談に応じ自立に必要な情報提供・指導を行うこと、②職業能力の向上・求職活動に関する支援を行うこと。政令市であるA市の市長も委嘱主体であり、Bさんの「仕事と子育ての両立」「どう生活していけばよいか」に正面から応える職員である。ひとり親家庭向けの貸付金や就業支援、住まいの情報などへの橋渡しも担う。
生活困窮者自立支援機関の相談支援員(選択肢3)
生活困窮者自立支援法による自立相談支援事業は、福祉事務所を設置する自治体(都道府県等)が実施し、委託もできる(同法第5条第1項・第2項)。相談支援員は、就労・家計・住居などの複合的な困りごとを一括して受け止め、アセスメントと支援計画をもとに、住居確保給付金や家計改善支援などにつなぐ。生活保護に至る前の「第2のセーフティネット」の入口であり、住まいの不安も抱えるBさんに合う。
誤りの選択肢の掘り下げ
- 福祉事務所の現業員(1) 社会福祉法に基づき福祉事務所に置かれ、援護・育成・更生の措置を要する者の家庭訪問・面接・調査・指導を行う。実務上は生活保護の担当が中心で、Bさんはまだ保護の申請段階にもない。生活に困っているから即「生活保護の現業員」とするのではなく、手前の制度から考えるのが出題の意図である。
- 家庭相談員(4) 福祉事務所に置かれる家庭児童相談室の職員で、子どもの養育やしつけ、不登校など家庭の児童福祉に関する相談を担う。本事例の主訴は子どもの問題ではない。
- 児童福祉司(5) 児童相談所に置かれ、虐待・非行など専門的な判断や介入を要する子どもの相談を担う。政令市は児童相談所を設置するので「A市が設置する機関」ではあるが、対象がずれている。
関連して出る論点
- 母子・父子自立支援員と「母子・父子福祉推進員」などの名称の混同に注意。法律上の名称は母子・父子自立支援員。
- 婦人相談員は女性相談支援員に改称(困難な問題を抱える女性への支援に関する法律の施行による)。DV被害の事例ならこちらが候補になる。
- 選択肢を見たら「その職員はどこに所属し、誰を対象にするか」を1行で言えるようにしておくと、事例問題で迷わない。
- 母子及び父子並びに寡婦福祉法第8条e-Govで原文を読む
- 生活困窮者自立支援法e-Govで原文を読む
- 社会福祉法e-Govで原文を読む
- 困難な問題を抱える女性への支援に関する法律e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」の問題110です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

