問題
デュルケーム(Durkheim, É.)の「自殺論」に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題13
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 4 です。
デュルケームの自殺論は、自殺を個人の性格ではなく、社会のつながり方(社会的統合)や、人々の欲求への社会的な規制の強さから説明しました。自殺は4つのタイプに分けられます。
- 自己本位的自殺:集団とのつながりが弱いとき
- 集団本位的自殺:集団への結びつきが強すぎるとき
- アノミー的自殺:社会の規制が弱まり、欲求が際限なく膨らむとき
- 宿命的自殺:規制が強すぎて将来に希望が持てないとき
選択肢4のアノミー的自殺は、不況のときだけでなく、急に好況になって欲求が膨らむ時期にも増えるとされ、正しい記述です。
なぜこれが正解か
正解は 4。デュルケームは、社会的統合の強さと社会的規制の強さの2軸から自殺を4類型に整理した。アノミー的自殺は、社会の規制が弱まり欲求が際限なく膨らむ状態で起こり、経済的な衰退(恐慌)の時期だけでなく、急激な繁栄の時期にも増加するとされる。
各選択肢の解説
- 1 誤り。デュルケームは、自殺を模倣(流行現象)で説明する立場を退け、自殺を社会的な事実として社会の側の要因から説明した。
- 2 誤り。自己本位的自殺は、社会的統合が弱いときに増える類型。戦争などの危機の際には社会の結びつきが強まるため、むしろ減少するとされる。
- 3 誤り。集団本位的自殺は、個人が集団に過度に統合され、集団のために自らを犠牲にする類型。「欲求への規制が弱まる」のはアノミー的自殺の説明である。
- 4 正しい。
- 5 誤り。宿命的自殺は、規制が強すぎて将来が閉ざされた状況(抑圧)で生じる類型であり、自己決定意欲の高まりとは結びつかない。
なぜこれが正解か
正解は 4。デュルケームの自殺論は、「社会的統合(人々が集団に結びついている度合い)」と「社会的規制(人々の欲求や行為を社会が枠づける度合い)」の強弱から、自殺率の違いを説明した社会学の古典である。アノミー的自殺は社会的規制が弱まる局面で増え、経済的に衰退する時期にも、急激に繁栄する時期にも増加する。どちらの場合も、それまでの生活水準や期待が崩れて欲求を調整する基準が失われるためと説明される。
4類型の整理
| 類型 | 社会的統合・規制 | 状態 |
| 自己本位的 | 統合が弱い | 個人が孤立し、集団の支えを失う |
| 集団本位的 | 統合が強すぎる | 集団のために自己を犠牲にする |
| アノミー的 | 規制が弱い | 欲求が際限なく膨らみ、満たされない |
| 宿命的 | 規制が強すぎる | 将来が閉ざされ、抑圧される |
覚え方は「統合が弱い/強い」「規制が弱い/強い」の2×2である。
各選択肢の解説
- 1 デュルケームは、自殺の増減を模倣や流行で説明する見方を批判し、社会的な諸条件(宗教・家族・政治・経済など)との関係で説明した。
- 2 自己本位的自殺は統合が弱い状態で生じるため、戦争のように社会の一体感が高まる時期には減る。「戦時に自殺率が下がる」という観察は、この説明の裏づけとして引かれる。
- 3 集団本位的自殺の例は、集団の規範に殉じる行為。記述は「欲求への規制が弱まる」とあり、アノミー的自殺の説明と取り違えさせる選択肢である。
- 4 正しい。
- 5 宿命的自殺は、規制が過剰で、個人の自由な選択がきかない状況に結びつく。自己決定意欲の高まりは、規制の強さとは反対の方向である。
関連して出る論点
- デュルケームの他の概念:社会的事実、集合意識、機械的連帯と有機的連帯(社会分業論)。
- マートンのアノミー論(文化的目標と制度的手段の乖離から逸脱を説明)との違い。デュルケームのアノミーは「規制の欠如」、マートンは「目標と手段のずれ」で説明する。
- 社会学の古典(デュルケーム、ウェーバー、ジンメル、パーソンズ、マートン)の人物と中心概念の対応は頻出である。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」の問題13です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
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