問題
「ロッシ(Rossi, P.H.)ら」による福祉サービスのプログラム評価における「成果」(アウトカム)の例として,次のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。 (注) 「ロッシ(Rossi, P.H.)ら」とは,ロッシ(Rossi, P.H.),フリーマン(Freeman,H.E.),リプセィ(Lipsey, M.W.)のことである。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題23
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 4
ロッシらのプログラム評価では、「成果(アウトカム)」とは、サービスを受けた人々の状態や生活がどう変わったか、という結果を指します。生活の質(QOL)が向上したことは、まさにサービスによって生まれた変化なので、成果の例として最も適切です。
一方、利用者数や予算額は「どれだけ提供したか・どれだけ使ったか」、計画どおり実施されたかは「実施過程」、費用対効果は「効率性」の評価にあたり、成果そのものではありません。
正解は 4
ロッシらは、プログラム評価を、ニーズ評価、プログラム理論(設計)の評価、プロセス(実施過程)の評価、インパクト(アウトカム)評価、効率性の評価という段階で整理しました。
- 1:誤り。サービスの利用者数は、どれだけのサービスを提供したかを示す「アウトプット(産出)」であり、利用者に生じた変化ではありません。
- 2:誤り。費用対効果は、成果をどれだけの費用で得たかを見る効率性の評価の指標です。
- 3:誤り。実施計画と実施内容の適合性は、計画どおりにサービスが届けられているかを見るプロセス評価の対象です。
- 4:正しい。サービスを受けた人々の生活の質の向上は、プログラムによって対象者に生じた変化であり、アウトカムの例です。
- 5:誤り。予算額は、プログラムに投入された資源を示す「インプット(投入)」です。
「投入(インプット)→活動→産出(アウトプット)→成果(アウトカム)」の流れの中で、アウトカムは対象者の状態の変化だと押さえましょう。
正解は 4
ロッシらのプログラム評価の枠組み
ロッシ、フリーマン、リプセイによるプログラム評価の考え方では、評価を次の5つの階層で捉えます。下位の評価が上位の評価の前提になる、という積み上げの構造が特徴です。
1. ニーズ評価:取り組むべき社会問題やニーズが存在し、その規模はどれほどか
2. プログラム理論の評価:プログラムの設計(どうすれば成果が生まれるかという論理)は妥当か
3. プロセス評価(実施過程の評価):プログラムは計画どおりに実施され、対象者に届いているか
4. インパクト評価(アウトカム評価):プログラムによって対象者にどのような変化が生じたか
5. 効率性評価:成果に見合った費用か(費用便益分析・費用効果分析)
選択肢の位置づけ
| 選択肢 | 該当する要素 |
|---|---|
| 1 利用者数 | アウトプット(プロセス評価で扱う) |
| 2 費用対効果 | 効率性評価 |
| 3 計画と実施内容の適合性 | プロセス評価 |
| 4 QOLの向上 | アウトカム |
| 5 予算額 | インプット |
アウトカムとアウトプットの区別
福祉サービスの評価で最も間違えやすいのが、アウトプットとアウトカムの混同です。たとえば就労支援プログラムで「相談件数」「講座の開催回数」「参加者数」はアウトプットであり、「就職した人の数」「生活の安定」「自己肯定感の向上」などがアウトカムです。利用者数が多くても、利用者の生活が改善していなければプログラムは成果を上げたとはいえません。
さらに厳密なインパクト評価では、観察された変化がプログラムによるものか、それとも他の要因によるものかを区別するため、比較群を設定するなどの工夫が求められます。プログラムがなかった場合と比べて生じた差(純効果)がインパクトです。
関連して出る論点
- ロジックモデル:インプット→活動→アウトプット→アウトカム(短期・中期・長期)の因果の流れを図示したもので、プログラム理論の評価に用いられます。
- 形成的評価と総括的評価:実施途中で改善のために行う評価が形成的評価、実施後に成果や継続の可否を判断する評価が総括的評価です。
- ストラクチャー・プロセス・アウトカム:医療・福祉サービスの質の評価で、ドナベディアンが示した3つの視点も関連して問われます。
似た用語との違い
「効果(effectiveness)」は目標がどれだけ達成されたか、「効率(efficiency)」は投入した資源に対してどれだけの成果が得られたかを指します。費用対効果は効率の指標であり、アウトカムそのものではない点に注意しましょう。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」の問題23です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

