社会福祉士

社会福祉士 第38回 問題27社会福祉の原理と政策

問題

社会福祉士 | 第38回(令和7年度) | 令和8年2月1日(日)実施・社会福祉の原理と政策

国際人権規約に関する次の記述のうち,適切なものを2 つ選びなさい。 (注)1  「自由権規約」とは,国際人権規約の「市民的及び政治的権利に関する国際規約」(いわゆる「B規約」)のことである。 2  「社会権規約」とは,国際人権規約の「経済的,社会的及び文化的権利に関する国際規約」(いわゆる「A規約」)のことである。 3  「選択議定書」とは,国際人権規約の「市民的及び政治的権利に関する国際規約の選択議定書」(第一選択議定書)のことである。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題27

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 3・4
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 3 と 4

日本は1979年に国際人権規約(社会権規約・自由権規約)を批准しましたが、社会権規約の一部の規定には「拘束されない」という留保を付けました。その一つが、公務員のストライキ権などに関する規定です(選択肢3)。

一方、中等教育と高等教育の無償教育を段階的に導入するという規定については、当初は留保していましたが、2012年に留保を撤回しました。そのため現在、日本はこの規定に拘束されています(選択肢4)。

「すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の基準」は世界人権宣言の前文の言葉です。

正解は 3 と 4

  • 1:誤り。「すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の基準」は、1948年の世界人権宣言の前文の表現です。国際人権規約は、世界人権宣言の内容を条約として法的拘束力のあるものにしたものです。
  • 2:誤り。日本は、自由権規約の違反について個人が自由権規約委員会に通報できる制度を定めた第一選択議定書を批准していません。
  • 3:正しい。日本は社会権規約の批准にあたり、公務員を含むストライキ権に関する規定(第8条第1項(d))、消防職員などの団結権に関する規定(第8条第2項の「警察の構成員」の解釈)、公の休日の報酬(第7条(d))について留保・解釈宣言を行っています。
  • 4:正しい。中等教育・高等教育における無償教育の漸進的導入(第13条2(b)(c))については、批准時に留保していましたが、2012年に留保を撤回しました。現在は拘束されています。
  • 5:誤り。障害者への合理的配慮の確保を締約国に求めているのは、2006年に採択された障害者権利条約です。

出題当時(第38回=2026年2月)の時点で、日本は第一選択議定書を締結しておらず、無償教育の規定の留保は撤回済みです。

正解は 3 と 4

国際人権規約の構成

国際人権規約は、1966年に国連総会で採択された次の条約などの総称です。

  • 社会権規約(経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約、A規約):労働の権利、社会保障の権利、教育を受ける権利など。権利の実現は利用可能な資源を最大限に用いて漸進的に達成するものとされます。
  • 自由権規約(市民的及び政治的権利に関する国際規約、B規約):生命への権利、拷問の禁止、表現の自由など。即時に保障すべき権利とされます。
  • 自由権規約の第一選択議定書(個人通報制度)、第二選択議定書(死刑廃止)、社会権規約の選択議定書(個人通報制度)

日本は1979年に社会権規約と自由権規約を批准しましたが、出題当時、自由権規約の第一選択議定書は締結していません。

日本の留保

社会権規約について、日本は批准時に次の点で留保・解釈宣言を行いました。

1. 第7条(d)の「公の休日についての報酬」に拘束されない権利の留保

2. 第8条1(d)のストライキ権について、法令による公務員などの争議行為の禁止との関係での留保

3. 第8条2の「警察の構成員」に消防職員が含まれるとの解釈宣言

4. 第13条2(b)(c)の中等教育・高等教育における「無償教育の漸進的な導入」に拘束されない権利の留保

このうち4は、高校授業料の実質無償化などを経て、2012年に撤回されました。選択肢3は留保が維持されている部分、選択肢4は留保が撤回され拘束を受けるようになった部分を問うています。

誤りの肢の論点

  • 選択肢1:世界人権宣言は条約ではなく国連総会決議であり、法的拘束力はありません。その前文が「すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の基準」と述べています。国際人権規約は、宣言を条約化して締約国に義務を課したものです。
  • 選択肢2:個人通報制度を受け入れていない点は、国連の人権機関から繰り返し勧告を受けている論点です。
  • 選択肢5:合理的配慮の否定を差別に含めることは、障害者権利条約(日本は2014年批准)の特徴です。国内では障害者差別解消法で具体化され、2024年4月からは民間事業者にも合理的配慮の提供が義務化されています。

関連して出る論点

人権条約の採択年の並び(世界人権宣言1948、国際人権規約1966、女子差別撤廃条約1979、子どもの権利条約1989、障害者権利条約2006)と、日本の批准年はセットで問われやすい論点です。

似た用語との違い

「留保」は条約の特定の規定の法的効果を自国に適用しないとする一方的宣言、「解釈宣言」は規定の意味を自国がどう解釈するかを示す宣言です。法的効果が異なる点に注意しましょう。

この問題の根拠
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」の問題27です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

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