問題
次の記述のうち,「社会保障と税の一体改革」において実施された一連の施策として,適切なものを2 つ選びなさい。 (注) 「社会保障と税の一体改革」とは,「社会保障・税一体改革大綱」(平成24 年2 月17 日閣議決定)の方針に基づき,「社会保障制度改革推進法」(平成24 年8 月22日)を含む「社会保障・税一体改革関連法」等により進められた一連の改革のことである。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題28
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
※この問題は2つ選ぶ形式です。2つとも選ぶと答え合わせになり、正答の全部を選んだときだけ正解として扱います。
キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 4 と 5
「社会保障と税の一体改革」は、消費税率の引き上げで得た財源を社会保障に充てるため、2012年の大綱の閣議決定と関連法の成立を軸に進められた改革です。
この改革の中で、それまで母子家庭(子のある妻)と子に限られていた遺族基礎年金が、父子家庭にも支給されるようになりました(選択肢4)。また、国民健康保険の財政を安定させるため、市町村に加えて都道府県も保険者となり、財政運営の責任を担うことになりました(選択肢5)。
子ども手当は一体改革より前の政権の制度で、のちに児童手当に戻っています。
正解は 4 と 5
- 1:誤り。国庫負担割合が3分の1から2分の1に引き上げられたのは基礎年金の給付費です。一体改革では、消費税率の引き上げによる財源で、この2分の1の国庫負担を恒久化しました。厚生年金保険の給付費全体ではありません。
- 2:誤り。子ども手当は2010年度に創設されましたが、児童手当法は廃止されず、2012年度から再び児童手当として支給されています。一体改革の施策でもありません。
- 3:誤り。被用者の医療保険は、健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)と各種共済組合などに分かれたままで、一元化はされていません。
- 4:正しい。年金機能強化法により、2014年4月から遺族基礎年金の支給対象が父子家庭にも拡大されました。
- 5:正しい。持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律により、2018年度から都道府県が市町村とともに国民健康保険の保険者となり、財政運営の責任主体となりました。
一体改革では、社会保障制度改革推進法(2012年)を出発点に、社会保障制度改革国民会議の報告、社会保障改革プログラム法(2013年)などを経て、年金・医療・介護・子育ての各分野で改革が進められました。
正解は 4 と 5
一体改革の全体像
社会保障と税の一体改革は、2012年2月の「社会保障・税一体改革大綱」の閣議決定を出発点に、同年8月に成立した社会保障制度改革推進法、子ども・子育て関連3法、年金関連法、税制抜本改革法などの関連法によって進められました。消費税率を段階的に引き上げ(5%→8%→10%)、その増収分をすべて社会保障の充実・安定化に充てることとされ、従来の「高齢者3経費」から、子ども・子育て支援を加えた「社会保障4経費」へと対象が広がりました。
社会保障制度改革推進法は、社会保障制度改革国民会議の設置を定め、その報告(2013年)を受けて、改革の工程を定めた「持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律」(社会保障改革プログラム法)が成立しました。
正しい肢の背景
- 選択肢4:遺族基礎年金は、かつては「子のある妻」または「子」に支給され、父子家庭の父には支給されませんでした。一体改革の年金関連法(年金機能強化法)によって、2014年4月から「子のある配偶者」に改められ、父子家庭にも支給されるようになりました。同法では、短時間労働者への厚生年金・健康保険の適用拡大、年金受給資格期間の25年から10年への短縮(2017年8月施行)なども行われています。
- 選択肢5:市町村国保は、加入者の年齢構成が高く所得水準が低いなどの構造的な課題を抱え、小規模な保険者ほど財政が不安定でした。社会保障改革プログラム法の方向づけを受けた2015年の改正法により、2018年度から都道府県が市町村とともに保険者となり、都道府県が財政運営の責任主体として国保運営の中心的な役割を担い、市町村は資格管理、保険料の賦課・徴収、保健事業などを引き続き担う形になりました。
誤りの肢の論点
- 選択肢1:基礎年金の国庫負担2分の1は、2004年の年金制度改正で引き上げの道筋が定められ、2009年度から臨時の財源で実現していました。一体改革では、消費税率8%への引き上げにより、2014年度以降これを恒久化しました。「厚生年金保険の給付費」とした点が誤りです。
- 選択肢2:子ども手当は2010年度・2011年度の時限的な制度で、2012年度から改正された児童手当法による児童手当に戻りました。「児童手当制度が廃止された」という事実はありません。
- 選択肢3:被用者保険の一元化は医療保険では行われていません。年金については、2015年10月に被用者年金一元化法により共済年金が厚生年金に統合されましたが、これは医療保険の話ではありません。この「年金の一元化」と混同させるひっかけです。
似た用語との違い
「被用者年金の一元化」(共済年金の厚生年金への統合)と「医療保険の一元化」(実現していない)は別物です。また、国保の都道府県化は「保険者の追加」であり、市町村が保険者でなくなったわけではない点も押さえましょう。
- 国民健康保険法e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」の問題28です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

