問題
事例を読んで,Aさんの家族に適用される社会保障制度に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。 〔事 例〕 5 年前に夫と死別したAさん(40 歳)は,遺族基礎年金を受給しながら中学生の子どもBさんと2 人で暮らしていたが,会社員のCさんと再婚し3 人で一緒に暮らすようになった。Cさんは健康保険組合の被保険者である。AさんとBさんはCさんに生計を維持されるようになったが,CさんとBさんは養子縁組をする予定はない。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題36
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 4
会社員Cさんの健康保険では、Cさんに生活費を頼っている家族を「被扶養者」として加入させることができます。妻のAさんはもちろん、Aさんの連れ子であるBさんも、Cさんと同じ家で暮らし、Cさんに生計を維持されていれば、養子縁組をしなくても「配偶者の子(三親等内の姻族)」として被扶養者になれます。
覚え方:健康保険の被扶養者=「同居して生計を頼っていれば、配偶者の連れ子もOK」。
一方、Aさんの遺族基礎年金は再婚すると受け取る権利がなくなり、児童手当はBさんの親であるAさんが受け取ります。
正解は 4
健康保険の被扶養者には、配偶者(事実婚を含む)のほか、被保険者と同一世帯で生計を維持される三親等内の親族も入る。Bさんは配偶者Aさんの子(姻族一親等)なので、養子縁組がなくても被扶養者になれる。
1 誤り。児童扶養手当は、遺族基礎年金などの公的年金を受けられる場合、年金額が手当額を下回るときにその差額だけが支給される。子の加算のある遺族基礎年金は通常これを上回るため、再婚前のAさんは手当を受けられなかったと考えるのが出題の趣旨。
2 誤り。寡婦年金は、60歳から65歳になるまでの妻に支給される年金で、40歳のAさんは対象外。
3 誤り。遺族基礎年金の受給権は、受給権者が婚姻したときに消滅する(国民年金法40条1項2号)。
5 誤り。児童手当は児童を監護し生計を同じくする父母等に支給される。CさんはBさんの父母ではないので、受給者はAさんのまま。
ポイント:再婚によって家族の制度上の立場がどう変わるかを、制度ごとに確認する。遺族基礎年金は婚姻で失権する。健康保険の被扶養者は、同居して生計を維持されていれば配偶者の連れ子も認められる。児童手当の受給者は児童の父母等であり、養子縁組をしていない継父は該当しない。寡婦年金は60〜65歳の給付である。
正解は 4
【健康保険の被扶養者の範囲】
健康保険法3条7項は被扶養者を2つに分けている。①被保険者の直系尊属・配偶者(事実婚を含む)・子・孫・兄弟姉妹で、主として被保険者に生計を維持される者(同居は不要)、②それ以外の三親等内の親族(配偶者の子=連れ子を含む)で、被保険者と同一世帯に属し、主として生計を維持される者。Bさんは②に当たり、Cさんと同居し生計を維持されているので、被扶養者になれる。養子縁組は要件ではない。
【誤りの選択肢の掘り下げ】
1 児童扶養手当法は、ひとり親家庭などの子を対象とする手当であり、かつては公的年金を受けられる場合は手当を一切受けられなかった。2014年12月からは、年金額が手当額より低い場合に限り差額を支給する仕組みに改められた。遺族基礎年金は基本額に子の加算が付くため、子1人の場合でも児童扶養手当の全部支給額を上回るのが通常であり、本問ではAさんは手当を受けられなかったとされる。また、再婚(事実婚を含む)によって父または母が監護する子でなくなる状態になれば、児童扶養手当の対象からも外れる。
2 寡婦年金は国民年金第1号被保険者としての独自給付で、第1号被保険者期間が10年以上ある夫が年金を受けずに死亡したとき、10年以上婚姻関係にあった妻に、60歳から65歳になるまで支給される。Aさんは夫の死亡時35歳、現在40歳で、受給の年齢に当たらない。遺族基礎年金と寡婦年金の両方の受給権がある場合はどちらかを選ぶ。
3 国民年金法40条1項は、遺族基礎年金の受給権の消滅事由として、①死亡、②婚姻(事実婚を含む)、③直系血族・直系姻族以外の者の養子となったとき、を定める。再婚は②に当たり、Aさんの受給権は消滅する。なお、子Bさんにも遺族基礎年金の受給権はあるが、生計を同じくする母(Aさん)がいるときは支給が停止される(国民年金法41条2項)ため、再婚後もBさんに支給されるわけではない。
5 児童手当法4条1項1号は、児童を監護し、かつ生計を同じくする「父又は母」(未成年後見人がいるときはその未成年後見人)を受給者とする。父母がともに監護する場合は生計を維持する程度の高い者に支給されるが、CさんはBさんと養子縁組をしておらず「父」ではないので、受給者はAさんである。
【関連論点】
・遺族基礎年金は、子のある配偶者または子に支給され、2014年4月から父子家庭にも支給されるようになった。
・遺族厚生年金については、2025年の年金制度改正で、子のない配偶者への給付の見直しが段階的に行われることになった。
- 国民年金法第40条・第41条e-Govで原文を読む
- 健康保険法第3条e-Govで原文を読む
- 児童扶養手当法e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」の問題36です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

